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1章 神様が間違えたから
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彼は別室に繋がる扉を開けた。
そこは大きなベッドが置いてある寝室だった。
ニコラス殿下は私の肩を抱くとその部屋に連れ込んだ。そして、扉を閉めると鍵をした。
ニコラス殿下の望みに見当はついた。彼は私を抱きたいのだ。
現に彼は私の手を引いてベッドへと導く。
━━おぞましい。
彼の抱える欲望に嫌悪感を持たざるを得なかった。
しかし、それでも私は彼の行為を受け入れる事にした。肉体的に彼を満足させるのも、愛人の役割だからだ。
「夜の教育は、受けておりませんの。だから、満足させられなかったら、ごめんなさいね」
「そう・・・・・・」
彼は嬉しそうに笑うと私の服を脱がし始めた。
しかし、彼は侍女の様にその作業を手際良くできるわけではなかった。時折、手を止めて服の構造を観察し、また手を動かした。
「女性の服はどうして複雑なのかな?」
「その複雑さがおしゃれに繋がるのでは?」
「それにこんなにもキツくして・・・・・・。苦しくないの?」
「おしゃれには、我慢が必要ですから」
ニコラス殿下の質問に答えながら、私も服を脱ぐために手を動かした。
そして、コルセットまでも脱ぎ、私はブラジャーとパンツ、そして、ガーターベルトという下着姿となった。
すると、ニコラス殿下は服を脱いでいき、私と同じく下着姿になった。そして、私と向かい合う形で座った彼は太ももを撫で回し、口付けをした。
キスをするのは、勿論、あの日以来の事だった。それは私にとって、すっかり「悪夢」の象徴になってしまったようで、彼を振り払い、逃げ出したくなるのを我慢する。
キスが終わる頃には、纏めた髪は乱された上、ブラジャーを取り外された。
ニコラス殿下は私を押し倒すと、今度は耳や首筋、胸元にキスを落としていく。彼の欲望の赴くままに犯されるのかと思っていたのだけれど、どうやら違うらしい。私を気持ち良くさせるための前戯に余念がなかった。
恥ずかしい所も、そうじゃない所も、触れられて、舐められて、キスをされる。優しく入念に愛撫されたせいで、パンツにシミができてしまう程、私のそこは濡れてしまった。
そして、その頃には彼のそこも固くなっていて。彼はパンツを脱ぎ捨てて、私のそれも脱がせた。
━━これから処女を失う。
前世でも今世でも、私はそれを経験したことがなかった。怖くて、惨めでたまらないけれど、今更逃げるわけにもいかない。
ニコラス殿下は確かめるように私のあそこを指で触れた。彼の指が擦り付ける度に、身体に電流が流れた。
「あっ! っ・・・・・・ぅう」
私は、はしたない声を漏らし、その甘い責め苦に堪えるほかなかった。
そんな私の様子を見て、ニコラス殿下は満足そうに笑う。
そして、彼はサイドテーブルに手を伸ばすと、何かを手に取った。それを慣れた手付きで彼のあそこに装着する。
「避妊具だよ」
私の視線に気が付いた彼はつぶやいた。
気まずくなって顔を逸らすと、彼は「かわいい」と言って私の頭を撫でた。
それから、ニコラス殿下は私の足を持ち上げて広げさせた。そして、その隙間に入って来ると、私のあそこに彼のそれを添わせた。
心の準備なんて、できるはずがなかった。
私はシーツを握りしめて、歯を食いしばり、次にやってくるであろう痛みに堪えようとしたけれど・・・・・・。
━━あ、れ?
あそこに太いものが入ってきてこじ開けられる違和感こそあれども、いつまで経っても痛みを感じる事はなかった。
「全部、入ったよ」
彼はそう言って私の頬を撫でた。寝そべったまま、顎を引いて確認すると、確かに私のそこは彼のものを全て飲み込んでいる様だった。
驚いている私の頬にニコラス殿下はキスを落とす。
「ごめん、もう、優しくできないかも」
彼はそういうなり先程までとは違う手付きで、私の胸を揉んだ。
「・・・・・・あっ!」
痛いのに、気持ちいい。
その感覚に戸惑う間もなく、彼は腰を動かし始めた。
━━なに、これ・・・・・・?
彼が腰を動かすたび、内側をこすられる感覚に息が詰まりそうになる。甘くて切ない感覚がお腹の奥から弾けていき、やがて全身を痺れさせた。
自分が自分でなくなる、そんな風に錯覚させられる。
「やっ・・・・・・だめっ!!」
これ以上されたら、変になる。やめて欲しくて彼の下腹を手で押しているのに、彼の腰の動きは弱まるどころか速まった。
そうされると、下品な声を我慢する事などできなくなり、私はわざとらしい程大きな声で与えられる快楽に反応した。
━━いやっ、こんなの、・・・・・・だめっ!!
犯されて嬌声をあげる自分が許せなかった。嫌で嫌で堪らない事のはずなのに。
それなのに、もっと、めちゃくちゃにして欲しいと思う自分がいる。
ニコラス殿下はそんな私を見抜いているかのように、激しく腰を動かした。
「すきっ、大好き」
彼が囁き、愛撫すると、それを私の身体はあっさりと受け入れた。いやらしい声で反応し、繋がったそこは彼に媚を売っているのが嫌という程分かる。
でも、最早、それを止める術はなかった。
私達の理性はどこかにいってしまった。獣のようにまぐわい、互いが満足し、果てるまで、それが戻ってくる事はなかったのだ。
そこは大きなベッドが置いてある寝室だった。
ニコラス殿下は私の肩を抱くとその部屋に連れ込んだ。そして、扉を閉めると鍵をした。
ニコラス殿下の望みに見当はついた。彼は私を抱きたいのだ。
現に彼は私の手を引いてベッドへと導く。
━━おぞましい。
彼の抱える欲望に嫌悪感を持たざるを得なかった。
しかし、それでも私は彼の行為を受け入れる事にした。肉体的に彼を満足させるのも、愛人の役割だからだ。
「夜の教育は、受けておりませんの。だから、満足させられなかったら、ごめんなさいね」
「そう・・・・・・」
彼は嬉しそうに笑うと私の服を脱がし始めた。
しかし、彼は侍女の様にその作業を手際良くできるわけではなかった。時折、手を止めて服の構造を観察し、また手を動かした。
「女性の服はどうして複雑なのかな?」
「その複雑さがおしゃれに繋がるのでは?」
「それにこんなにもキツくして・・・・・・。苦しくないの?」
「おしゃれには、我慢が必要ですから」
ニコラス殿下の質問に答えながら、私も服を脱ぐために手を動かした。
そして、コルセットまでも脱ぎ、私はブラジャーとパンツ、そして、ガーターベルトという下着姿となった。
すると、ニコラス殿下は服を脱いでいき、私と同じく下着姿になった。そして、私と向かい合う形で座った彼は太ももを撫で回し、口付けをした。
キスをするのは、勿論、あの日以来の事だった。それは私にとって、すっかり「悪夢」の象徴になってしまったようで、彼を振り払い、逃げ出したくなるのを我慢する。
キスが終わる頃には、纏めた髪は乱された上、ブラジャーを取り外された。
ニコラス殿下は私を押し倒すと、今度は耳や首筋、胸元にキスを落としていく。彼の欲望の赴くままに犯されるのかと思っていたのだけれど、どうやら違うらしい。私を気持ち良くさせるための前戯に余念がなかった。
恥ずかしい所も、そうじゃない所も、触れられて、舐められて、キスをされる。優しく入念に愛撫されたせいで、パンツにシミができてしまう程、私のそこは濡れてしまった。
そして、その頃には彼のそこも固くなっていて。彼はパンツを脱ぎ捨てて、私のそれも脱がせた。
━━これから処女を失う。
前世でも今世でも、私はそれを経験したことがなかった。怖くて、惨めでたまらないけれど、今更逃げるわけにもいかない。
ニコラス殿下は確かめるように私のあそこを指で触れた。彼の指が擦り付ける度に、身体に電流が流れた。
「あっ! っ・・・・・・ぅう」
私は、はしたない声を漏らし、その甘い責め苦に堪えるほかなかった。
そんな私の様子を見て、ニコラス殿下は満足そうに笑う。
そして、彼はサイドテーブルに手を伸ばすと、何かを手に取った。それを慣れた手付きで彼のあそこに装着する。
「避妊具だよ」
私の視線に気が付いた彼はつぶやいた。
気まずくなって顔を逸らすと、彼は「かわいい」と言って私の頭を撫でた。
それから、ニコラス殿下は私の足を持ち上げて広げさせた。そして、その隙間に入って来ると、私のあそこに彼のそれを添わせた。
心の準備なんて、できるはずがなかった。
私はシーツを握りしめて、歯を食いしばり、次にやってくるであろう痛みに堪えようとしたけれど・・・・・・。
━━あ、れ?
あそこに太いものが入ってきてこじ開けられる違和感こそあれども、いつまで経っても痛みを感じる事はなかった。
「全部、入ったよ」
彼はそう言って私の頬を撫でた。寝そべったまま、顎を引いて確認すると、確かに私のそこは彼のものを全て飲み込んでいる様だった。
驚いている私の頬にニコラス殿下はキスを落とす。
「ごめん、もう、優しくできないかも」
彼はそういうなり先程までとは違う手付きで、私の胸を揉んだ。
「・・・・・・あっ!」
痛いのに、気持ちいい。
その感覚に戸惑う間もなく、彼は腰を動かし始めた。
━━なに、これ・・・・・・?
彼が腰を動かすたび、内側をこすられる感覚に息が詰まりそうになる。甘くて切ない感覚がお腹の奥から弾けていき、やがて全身を痺れさせた。
自分が自分でなくなる、そんな風に錯覚させられる。
「やっ・・・・・・だめっ!!」
これ以上されたら、変になる。やめて欲しくて彼の下腹を手で押しているのに、彼の腰の動きは弱まるどころか速まった。
そうされると、下品な声を我慢する事などできなくなり、私はわざとらしい程大きな声で与えられる快楽に反応した。
━━いやっ、こんなの、・・・・・・だめっ!!
犯されて嬌声をあげる自分が許せなかった。嫌で嫌で堪らない事のはずなのに。
それなのに、もっと、めちゃくちゃにして欲しいと思う自分がいる。
ニコラス殿下はそんな私を見抜いているかのように、激しく腰を動かした。
「すきっ、大好き」
彼が囁き、愛撫すると、それを私の身体はあっさりと受け入れた。いやらしい声で反応し、繋がったそこは彼に媚を売っているのが嫌という程分かる。
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