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1章 神様が間違えたから
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「では、お前は何を望む?」
国王陛下に再度問われて、私は確認をした。
「本当に、何でも叶えてくれますか」
「ああ。私ができる事なら何でもしようではないか」
「多少の不敬も寛大なお心でお許しになられると約束できます?」
「本当に駄目な事なら、聞かなかった事にしてやるから、言ってみなさい」
「では」
国王陛下は私をじっと見つめた。
「ミランダ・サリューナを国王陛下の愛人として、王宮に迎え入れて下さい」
私の申し出に、国王陛下は腹を抱えて笑い始めた。
━━怒らせてしまったかしら?
あまりの笑いように、そう思った。けれど、国王陛下は、一通り笑い終えると、私に向かって言った。
「側室ではなく、ただの愛人で間違いないのだな?」
「はい。卑しき身であり、賢くもない女に、王妃の座は務まりませんから」
「そうよな・・・・・・。彼女はあれの母親のように狡猾な振る舞いもできまい。そんな者に王妃の座は荷が重かろう」
寵愛している第二王妃様の事を、「あれの母親」だなんて。国王陛下はやっぱり酷い人だ。
「しかし、お前も酷い女だ」
国王陛下はそう言ってくつくつと笑う。
彼には私の真意が理解できているらしい。
「お前の望み通り、ミランダ・サリューナは、この王宮で大切に囲ってやろう。私が死んだ時には、お前が責任を持って後見してやるのだぞ?」
国王陛下が亡くなった時、私がミランダの処分を決めていいと匂わせてきた。
「かしこまりました」
「それから、この話は私達二人の秘密にしておこう。その方が、お前にとって都合が良いだろうからな」
「ありがとうございます」
「・・・・・・ああ。久しぶりに楽しい話ができた」
国王陛下はそうつぶやくと、私に下がるように命令した。
※
国王陛下との謁見を終えると、私はニコラス殿下のもとへ向かった。
彼は私の顔を見るなり、強く抱きしめてきて、そのまま寝室に連れて行った。
「あっ、あっ」
ベッドの上で、ニコラス殿下にもみくちゃにされて、私は甘い声をあげる。今日は心なしかいつもより激しい気がした。
「んっ、あっ! だめっ!」
敏感な場所を絶妙に攻められて、気が変になりそうだった。
私は彼の頬を掴むとキスをした。舌を絡ませて、じっくりと彼の口の中を味わう。彼は、キスだけは私にリードされるのが好きで、長く深く、口付けをすると、彼は目をとろんとさせた。
「国王陛下に嫉妬したの?」
頷いた彼の瞳から不安げな気持ちを感じ取ったから、私は彼を引き寄せて、ぎゅっと抱きしめた。そして、そのまま髪を撫でて落ち着かせようとしたけれど。ニコラス殿下はまた腰を動かし始めた。
「あっ、待って!」
彼は聞く耳を持たない。彼は容赦なく腰を動かし、乱れる私の姿をうっとりと眺めている。
「んっ、んっ」
胸を愛撫され、お腹の奥をくすぐられて。私が果ててしまうのにそんなに時間はなかった。
※
目が覚めると、ニコラス殿下は私の胸に顔を埋めていた。私は彼を優しく抱きしめて髪を撫でる。
彼は寝返りをうって、私の顔色を伺った。
「そんなに私が国王陛下とお話をする事が嫌だったんですか」
ニコラス殿下は頷いた。
「本当に・・・・・・。嫉妬深いんだから」
私は笑って彼の頬を撫でた。
そんな私を見て、ニコラス殿下はつぶやいた。
「陛下は、何と言っていた?」
「第一王妃様の件を謝罪してくれました」
「それだけ?」
「ええ」
ニコラス殿下は眉間に皺を寄せた。
「嘘だね。あの男は君に何かを吹き込もうとしたはずだ」
「まあ。悪いお口」
「・・・・・・俺のもとから去る方法でも聞いた? それとも、その権利を与えられた? ・・・・・・もしそうなら、俺は絶対に許さない。あの男も、あの女も・・・・・・。何もかもを、俺は全部、ぶっ壊して」
私は彼の口を手で塞いだ。
「私のために、善き王となるのでしょう? そんな事を言ってはいけません」
そう言って、塞いだ手を離した。
「私はどこにも行きませんから。私の夫はニコラス殿下だけですよ?」
言った途端、彼は飛び起きた。彼はキラキラした目で私を見つめてくる。
「期待、してもいい?」
「何をです?」
「君の、愛を」
私は笑った。
「駄目。夫としてはあなたは最高だけれど、男としてはまだ愛せそうもないですから」
ニコラス殿下は不満気な顔をして再び私の胸に顔を埋めた。
「レイチェルは酷い女だ。少しくらい夢を見させてくれたっていいじゃないか」
ぶつぶつと文句を言う彼の頭を撫でる。
「夢なんて、見ない方がいいんです」
私は言った。
「泥臭く生きている私達に、そんな物は似合わないでしょうから」
そう言うと、ニコラス殿下は笑った。
「そうだね。これからも地道に頑張るよ」
私は彼をぎゅっと抱きしめた。
国王陛下に再度問われて、私は確認をした。
「本当に、何でも叶えてくれますか」
「ああ。私ができる事なら何でもしようではないか」
「多少の不敬も寛大なお心でお許しになられると約束できます?」
「本当に駄目な事なら、聞かなかった事にしてやるから、言ってみなさい」
「では」
国王陛下は私をじっと見つめた。
「ミランダ・サリューナを国王陛下の愛人として、王宮に迎え入れて下さい」
私の申し出に、国王陛下は腹を抱えて笑い始めた。
━━怒らせてしまったかしら?
あまりの笑いように、そう思った。けれど、国王陛下は、一通り笑い終えると、私に向かって言った。
「側室ではなく、ただの愛人で間違いないのだな?」
「はい。卑しき身であり、賢くもない女に、王妃の座は務まりませんから」
「そうよな・・・・・・。彼女はあれの母親のように狡猾な振る舞いもできまい。そんな者に王妃の座は荷が重かろう」
寵愛している第二王妃様の事を、「あれの母親」だなんて。国王陛下はやっぱり酷い人だ。
「しかし、お前も酷い女だ」
国王陛下はそう言ってくつくつと笑う。
彼には私の真意が理解できているらしい。
「お前の望み通り、ミランダ・サリューナは、この王宮で大切に囲ってやろう。私が死んだ時には、お前が責任を持って後見してやるのだぞ?」
国王陛下が亡くなった時、私がミランダの処分を決めていいと匂わせてきた。
「かしこまりました」
「それから、この話は私達二人の秘密にしておこう。その方が、お前にとって都合が良いだろうからな」
「ありがとうございます」
「・・・・・・ああ。久しぶりに楽しい話ができた」
国王陛下はそうつぶやくと、私に下がるように命令した。
※
国王陛下との謁見を終えると、私はニコラス殿下のもとへ向かった。
彼は私の顔を見るなり、強く抱きしめてきて、そのまま寝室に連れて行った。
「あっ、あっ」
ベッドの上で、ニコラス殿下にもみくちゃにされて、私は甘い声をあげる。今日は心なしかいつもより激しい気がした。
「んっ、あっ! だめっ!」
敏感な場所を絶妙に攻められて、気が変になりそうだった。
私は彼の頬を掴むとキスをした。舌を絡ませて、じっくりと彼の口の中を味わう。彼は、キスだけは私にリードされるのが好きで、長く深く、口付けをすると、彼は目をとろんとさせた。
「国王陛下に嫉妬したの?」
頷いた彼の瞳から不安げな気持ちを感じ取ったから、私は彼を引き寄せて、ぎゅっと抱きしめた。そして、そのまま髪を撫でて落ち着かせようとしたけれど。ニコラス殿下はまた腰を動かし始めた。
「あっ、待って!」
彼は聞く耳を持たない。彼は容赦なく腰を動かし、乱れる私の姿をうっとりと眺めている。
「んっ、んっ」
胸を愛撫され、お腹の奥をくすぐられて。私が果ててしまうのにそんなに時間はなかった。
※
目が覚めると、ニコラス殿下は私の胸に顔を埋めていた。私は彼を優しく抱きしめて髪を撫でる。
彼は寝返りをうって、私の顔色を伺った。
「そんなに私が国王陛下とお話をする事が嫌だったんですか」
ニコラス殿下は頷いた。
「本当に・・・・・・。嫉妬深いんだから」
私は笑って彼の頬を撫でた。
そんな私を見て、ニコラス殿下はつぶやいた。
「陛下は、何と言っていた?」
「第一王妃様の件を謝罪してくれました」
「それだけ?」
「ええ」
ニコラス殿下は眉間に皺を寄せた。
「嘘だね。あの男は君に何かを吹き込もうとしたはずだ」
「まあ。悪いお口」
「・・・・・・俺のもとから去る方法でも聞いた? それとも、その権利を与えられた? ・・・・・・もしそうなら、俺は絶対に許さない。あの男も、あの女も・・・・・・。何もかもを、俺は全部、ぶっ壊して」
私は彼の口を手で塞いだ。
「私のために、善き王となるのでしょう? そんな事を言ってはいけません」
そう言って、塞いだ手を離した。
「私はどこにも行きませんから。私の夫はニコラス殿下だけですよ?」
言った途端、彼は飛び起きた。彼はキラキラした目で私を見つめてくる。
「期待、してもいい?」
「何をです?」
「君の、愛を」
私は笑った。
「駄目。夫としてはあなたは最高だけれど、男としてはまだ愛せそうもないですから」
ニコラス殿下は不満気な顔をして再び私の胸に顔を埋めた。
「レイチェルは酷い女だ。少しくらい夢を見させてくれたっていいじゃないか」
ぶつぶつと文句を言う彼の頭を撫でる。
「夢なんて、見ない方がいいんです」
私は言った。
「泥臭く生きている私達に、そんな物は似合わないでしょうから」
そう言うと、ニコラス殿下は笑った。
「そうだね。これからも地道に頑張るよ」
私は彼をぎゅっと抱きしめた。
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