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武器3

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「うわぁ……! 凄い! うんうん、やっぱりツヴァイハンダーはトールによく似合ってる! 黒いっていうのもポイント高い! すっごく格好良い!!」

 ティナはツヴァイハンダーを軽々と操るトールを見て感嘆する。
 長身で手が長いトールに絶対似合うと思っていたところに、黒くシックなこれまた格好良いデザインのツヴァイハンダーを持ったトールは、その佇まいだけで絵になっていた。
 相変わらずどのような顔をしているのかはわからないトールだが、それが全く問題にならないぐらい、スタイルの良さが際立っている。

「有難う。ティナもその短剣すごく似合ってる。持っているのは武器なのにとても可愛い」

「うえっ?! え、えっと、その……有難う」

 褒めるのは平気なのに、褒められることに慣れていないティナの頬が赤く染まる。

 はたから見ると、お互いを褒めあってイチャイチャしているカップルなのだが、ツッコミ役がいないため本人たちは全く気付いていない。

 それから二人は装備の点検を終えると、護衛をする事になっている商会が待っているという東の城壁へと向かった。

 城壁の周辺には露店が立ち並んでいて、たくさんの人で賑わっている。
 他の国に向かう商人らしき一行が、大量の荷物を荷馬車に載せたり、運んでいる姿を眺めながら、ティナ達は周辺を見渡して依頼人を探す。

「あ、あの人かな」

 背が高いからだろう、すぐにトールが依頼人を見付けたようだ。ティナも同年の少女たちよりは高めの身長であるが、それでもトールの肩よりは低い。

「失礼、モルガンさんでしょうか?」

「ん? ああ、そうだが……ああ、兄ちゃん達が護衛してくれる冒険者か! 話は聞いていたが、ずいぶん若いなぁ」

 トールが声を掛けた男性は、ギルドに護衛を依頼したモルガンと言う名の、壮年の男性だ。
 モルガンはトールとティナを見ると、顎髭を撫でながら「なるほどなぁ」と頷いている。

「俺はトールで、こっちはティナです。二人共Dランクですが……」

 自分達を見たモルガンの反応に、ティナはもしかして若すぎると言って依頼を断られるのでは、と心配になる。トールが言葉を詰まらせたのも、きっと同じ理由だろう。

「がははは!! 大丈夫だよ兄ちゃん!! ベルトルドさんからの推薦だし、何の心配もしてねぇよ!! クロンクヴィストまでよろしく頼むわ!!」

 しかしモルガンはトールの肩をバシバシと叩きながら豪快に笑う。どうやら彼はベルトルドの知り合いらしく、人を見た目で判断しない人間のようだ。

「おっ! 姉ちゃんの方は随分可愛いじゃねぇか!! こんなに可愛いのにDランクたぁ、大したもんだ!」

「あ、有難うございます」

「……ん? でも姉ちゃん、ティナだっけか? 俺とどこかで会ったことねぇか?」

「え? え?」

 ティナは元聖女だったこともあり、祭典や神殿の行事の時はよく顔を出していた。モルガンはその時に聖女としてのティナの姿を見たことがあるのかもしれない。
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