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聖女追放の後3
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「腕輪の術式によってかなりの量の魔力が必要ですから、クリスティナ様のように膨大な魔力を持つ方か、神に身を捧げた巫女にしか継承は許されないはずなのですが……。この者とフレードリク殿下はご存じなかったようです」
「……うぬぅ……アイツにはホトホト呆れ果てた。<聖女>の存在理由を履き違えるとは……!」
この国の人々を守るために、魔力が少ない者にとっては死に繋がる腕輪を、危険を顧みず敢えて身に付け、その身体を神に捧げる──そんな清らかで高潔な魂の持ち主だからこそ、皆が聖女だと崇め、称えるのだ。
──ただ優しいだけ、魔力が多いだけでは聖女には成り得ない。
「しかし、クリスティナ様が不在の今、腕輪を外せるほどの魔力を持つ女性を見付けるのは困難です。それにもうじき聖霊降臨祭の時期ですから、この者にはギリギリまで腕輪を付けさせ、魔力を補充して貰いましょう」
「そ……! そんな……っ!!」
オスカリウスの提案にアンネマリーは絶望する。
「魔石の魔力はほぼ満たされている状態だ。お前は運が良い。クリスティナ様が魔力を貯めていて下さったおかげだな。精々クリスティナ様に感謝すると良い」
「……そうだな。それしかあるまい。しかしこの令嬢の体調管理はしっかり行うように。万が一にも、命を落とすようなことだけは避けていただきたい」
グスタフはオスカリウスの提案を受け入れることにした。
アンネマリーに罪滅ぼしをさせるにも、丁度いいだろうと考えたのだ。
「もちろんです。しかし、聖霊降臨祭が終わるまでにクリスティナ様を見付けなければ、結界の維持は難しくなるかと」
残りの魔力はアンネマリーから補充するとしても、それは一時しのぎにしかならない。
クリスティナか、彼女並みの魔力を有する者を探し出さねばならないのだ。
「どうか私にお任せ下さい! 私がクリスティナ様を必ず見付け出します!」
アレクシスがオスカリウスとグスタフに申し出た。
「そうだな。お前が一番クリスティナ様の行動を熟知しているし、適任だと思うが……聖王国から戻ったばかりで疲れているのではないか?」
「いえ! 問題ありません! 私は一刻も早くクリスティナ様の無事を確認したいのです!」
長旅から戻ったばかりのアレクシスを思ってのオスカリウスの言葉であったが、アレクシスにはいらぬ心配だったようだ。
「ならばお前に任せよう。無事クリスティナ様と共に戻って来て欲しい」
「はい! では行って参ります!!」
アレクシスはろくに挨拶もせず行ってしまった。彼は常にクリスティナのそばにいた護衛騎士だ。主が行方不明で気が気じゃないだろう。
王宮から飛び出したアレクシスは、クリスティナが何処へ向かうか推測していた。きっと自分の推測は間違っていないと、確固たる自信もある。
アレクシスは、長年クリスティナに仕えていた自分が一番、彼女のことを理解していると自負しているのだ。
そうして、アレクシスは彼女が実の父親のように慕っている、冒険者ギルドセーデルルンド王国王都本部の最高責任者──ギルド長であるベルトルドの元へ、確信と共に急いだのだった。
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