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第四章 新たなる魔人王
episode 52 存在の証
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黄金の部屋に重く響き渡る音は一つの命が散った証でもあった。
「はぁはぁはぁ……。
あっ!
カマル!?」
吹き出た命の滴が床を満たし横たわる体にタグが駆け寄っている。
「カマル!?
カマルー!!」
「アテナ、タグ……。
カマルはもう……」
言葉にならないタグの嗚咽が胸を切り裂き、いつの間にか涙が溢れていた。
「ねぇ、レディ!
どうにかならないの!?
ねぇ!!」
「……あたいにゃ何も出来ないよ……。
あたいじゃなくても命尽きた者はどうにも……」
あたしは流れる涙を拭うこともタグの叫びに動くことも出来ず、ミーニャはタグに寄り添い優しく肩を抱くと体を引き寄せ自身の胸の中で想いを溢れさせた。
レディはあたしの荷物から外套を取り出すと、カマルの体に静かに近寄り全員分の外套を体に巻きつけた。
「それ……どうするの?」
かすれた声を絞りだし外套に包まれたカマルの体を見つめる。
またあたしの目の前で人の命が潰えた。
だが、これまでとは違うのはさっきまで話していた、さっきまで傍にいた仲間だ。
意見は違えど、反りは合わずとも、一緒にいた友だ。
心に突き刺さった剣を抜かれ、その穴を広げたような痛みと虚無感。
震える膝をこらえ、涙後も拭かずにレディを見据える。
「このままここには置いては行けないだろ。
連れてってやるのさ。
その後のことは道中にでも考えるさ」
「……分かったわ……。
ミーニャ、タグは大丈夫?」
「ええ、少し落ち着いてきましたよ。
タグさん?
立てますか?」
ミーニャの胸の中で少し頷くと掴まりながらゆっくりと立ち上がる。
が、ミーニャは立ち上がった途端にあたしに向き直った。
「お嬢様こそ大丈夫ですか?」
「な、何言ってんのよ。
大丈夫に決まってるじゃない」
「立っているのもやっとで声を出して悲しみたいんじゃないですか?
無理しなくて良いんですよ」
「ミーニャ……あたしは大丈夫よ。
ありがとね、気にかけてくれて。
大丈夫、行きましょ」
カマルを抱えたレディが部屋を後にすると、ミーニャは振り返りながらタグを支え部屋を出た。
残されたあたしの頬には一筋の涙が零れ濃赤の床を滲ませると、自然と顔は天井へと向き唇を噛み締めていた。
「カマル……。
あたしとの決着はどうするのさ……」
息吹きを感じない部屋で一人呟くと、壁に拳を叩きつけレディ達の後を追う。
あたしは気づいていた。
カマルの命を奪ったのはあたしなのだと。
「誰よりも強くならなきゃダメってことね……。
誰かを守る剣にならなきゃ」
金字塔を出たあたし達は無言のまま王家の谷を抜け砂漠へと出た。
「あの……」
「どうしたの?
タグ」
「私、カマルと一緒に暮らそうと思います。
カマルの残したお金で暮らしていけますし、私の最期まで見守っていけたらと。
でも、カマルには想い人も居たわけで、邪魔になるかも知れないんですが、だとしても一緒にいた仲間なので。
私の想いは通じなくても、カマルの存在を消したくはないと勝手な想いを抱いているわけで。
どうでしょう?
と言っても私の気持ちは変わりませんが」
「あたしは……良いと思うわ。
カマルも、その想い人も悪い気はしないと思うし」
「あぁ、そうだね。
あたいも賛成だね。
なら、どこに連れて行く?」
「アテナさん達の船がある街から少し行ったところに小さな街が有ります。
そこなら住む場所も困らないと思いますから、そこにカマルも一緒にと」
「分かったわ。
それなら街まで案内してもらって、そこでお別れね」
意見も纏まった所で日も落ち、オアシスまで辿り着くとそこで一晩を明かした。
昨日はもう一つあった焚き火も今はなく、明らかに暗い雰囲気だったが誰も無理には明るく振る舞うこともなかった。
そして、あたしの提案でタグとカマルの旅の話を聞き、カマルの存在を皆の胸にも刻むこととなった。
「はぁはぁはぁ……。
あっ!
カマル!?」
吹き出た命の滴が床を満たし横たわる体にタグが駆け寄っている。
「カマル!?
カマルー!!」
「アテナ、タグ……。
カマルはもう……」
言葉にならないタグの嗚咽が胸を切り裂き、いつの間にか涙が溢れていた。
「ねぇ、レディ!
どうにかならないの!?
ねぇ!!」
「……あたいにゃ何も出来ないよ……。
あたいじゃなくても命尽きた者はどうにも……」
あたしは流れる涙を拭うこともタグの叫びに動くことも出来ず、ミーニャはタグに寄り添い優しく肩を抱くと体を引き寄せ自身の胸の中で想いを溢れさせた。
レディはあたしの荷物から外套を取り出すと、カマルの体に静かに近寄り全員分の外套を体に巻きつけた。
「それ……どうするの?」
かすれた声を絞りだし外套に包まれたカマルの体を見つめる。
またあたしの目の前で人の命が潰えた。
だが、これまでとは違うのはさっきまで話していた、さっきまで傍にいた仲間だ。
意見は違えど、反りは合わずとも、一緒にいた友だ。
心に突き刺さった剣を抜かれ、その穴を広げたような痛みと虚無感。
震える膝をこらえ、涙後も拭かずにレディを見据える。
「このままここには置いては行けないだろ。
連れてってやるのさ。
その後のことは道中にでも考えるさ」
「……分かったわ……。
ミーニャ、タグは大丈夫?」
「ええ、少し落ち着いてきましたよ。
タグさん?
立てますか?」
ミーニャの胸の中で少し頷くと掴まりながらゆっくりと立ち上がる。
が、ミーニャは立ち上がった途端にあたしに向き直った。
「お嬢様こそ大丈夫ですか?」
「な、何言ってんのよ。
大丈夫に決まってるじゃない」
「立っているのもやっとで声を出して悲しみたいんじゃないですか?
無理しなくて良いんですよ」
「ミーニャ……あたしは大丈夫よ。
ありがとね、気にかけてくれて。
大丈夫、行きましょ」
カマルを抱えたレディが部屋を後にすると、ミーニャは振り返りながらタグを支え部屋を出た。
残されたあたしの頬には一筋の涙が零れ濃赤の床を滲ませると、自然と顔は天井へと向き唇を噛み締めていた。
「カマル……。
あたしとの決着はどうするのさ……」
息吹きを感じない部屋で一人呟くと、壁に拳を叩きつけレディ達の後を追う。
あたしは気づいていた。
カマルの命を奪ったのはあたしなのだと。
「誰よりも強くならなきゃダメってことね……。
誰かを守る剣にならなきゃ」
金字塔を出たあたし達は無言のまま王家の谷を抜け砂漠へと出た。
「あの……」
「どうしたの?
タグ」
「私、カマルと一緒に暮らそうと思います。
カマルの残したお金で暮らしていけますし、私の最期まで見守っていけたらと。
でも、カマルには想い人も居たわけで、邪魔になるかも知れないんですが、だとしても一緒にいた仲間なので。
私の想いは通じなくても、カマルの存在を消したくはないと勝手な想いを抱いているわけで。
どうでしょう?
と言っても私の気持ちは変わりませんが」
「あたしは……良いと思うわ。
カマルも、その想い人も悪い気はしないと思うし」
「あぁ、そうだね。
あたいも賛成だね。
なら、どこに連れて行く?」
「アテナさん達の船がある街から少し行ったところに小さな街が有ります。
そこなら住む場所も困らないと思いますから、そこにカマルも一緒にと」
「分かったわ。
それなら街まで案内してもらって、そこでお別れね」
意見も纏まった所で日も落ち、オアシスまで辿り着くとそこで一晩を明かした。
昨日はもう一つあった焚き火も今はなく、明らかに暗い雰囲気だったが誰も無理には明るく振る舞うこともなかった。
そして、あたしの提案でタグとカマルの旅の話を聞き、カマルの存在を皆の胸にも刻むこととなった。
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