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リリスの帰省1
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新年度が始まって1ヶ月、魔法学院の生徒には1週間の休暇が与えられた。
例年この時期に休暇があって、学生寮に残り、各自の課題に取り組む生徒も居れば、数人で王都の見学などに時間を費やす生徒も居れば、暫く帰っていない実家に帰省する生徒もいる。
リリスは去年はこの時期、生徒会の仕事に明け暮れていた。慣れない仕事を任されて四苦八苦していた事を覚えている。
だが今年は久しぶりに帰省しようと思い、実家に連絡を付けて手はずを整えた。
休暇の初日の早朝、魔法学院の正門の前にお迎えの馬車が待機していた。
手を振って笑顔で出迎えてくれたのはメイドのフィナだ。
1年以上会って居なかったが、久しぶりに会うフィナは少し大人っぽくなったように感じる。
フィナって私より2歳年上だから16歳よね。
相変わらずスタイルが良いし、可愛いわねえ。
そんな思いで黒いメイド服のフィナをまるで、等身大のフィギュアのように見つめるリリスである。
「お嬢様。しばらく会わないうちに、すっかり大人っぽくなりましたね。」
いやいや、フィナに比べれば私はまだ子供だからね。
それにしてもどうしたらそんな風にスタイルが良くなるのかしら?
いまだに子供の体型である事に納得のいかないリリスである。
馬車の御者はリリスの領地の私兵で、ダンと名乗る達磨のような顔の屈強な青年だ。馬車に先導する形で騎乗兵の護衛があり、こちらも私兵のケインと名乗る屈強な青年が騎乗していた。ケインは色白でなかなかのイケメンである。
私兵は2人共軽装備だが、それでも腕の立つ武人だと聞いていた。
「ダンさん、ケインさん、よろしくお願いしますね。」
「「勿論ですよ、お嬢様。」」
即座に威勢の良い返事が二人同時に返ってきた。
頼もしいわね。
二人に笑顔を振りまき、フィナに荷物を手渡して馬車に乗り込むと、馬車は魔法学院の正門から東に進む。巨大な城門の脇の通用門から出て、馬車はここから南東に伸びる街道を6時間ほどかけて進む事になる。
大きな馬車なのでフィナとリリスが乗り込んでもかなりの余裕があり、豪華な造りの座席なのでゆったりと寛ぐ事が出来る。窓から吹き込んでくる爽やかな風に吹かれながら、リリスはフィナと歓談して時間を過ごしていた。
「お嬢様は学院でも頑張っておられるそうですね。王族にも友人が出来たとお聞きしましたよ。」
窓から外を眺めているリリスにフィナが声を掛けた。
「あら、どうしてそれをフィナが知っているの?」
「お館様から聞きました。魔法学院から父兄宛の定期的な報告の中で、担任の先生からのお知らせに書かれていたそうです。お嬢様が王族を連れてダンジョンに入ったって・・・・・」
ロイド先生ね。
「その件だけど、私としてはあまり目立ちたくないのよね。今回は本人達の希望があったので使い魔の状態で連れて行ったんだけど、それを快く思わない人達も居るのよ。」
「そうなんですか?」
フィナは意味が分からないと言った表情で聞き返してきた。
「そうなのよ、フィナ。王族に近付いて取り入りたいと願っている貴族も居るのよ。そんな人達の子女も学院には居るからね。表面的には何も言わなくても陰で何か画策している可能性もあるのよ。」
「ふうん。そうなんですか。随分複雑なんですね。」
「そうなのよ。私のような地方貴族にはあまり関係のない事なんだから、田舎者のやっている事だと思って見過ごしてくれる事を願っているわ。」
そう言ってリリスは話を終わらせた。
確かにリリス自身も前回のダンジョンチャレンジでは目立ち過ぎたと思っていたのだ。第4階層のサラマンダーは無かった事になっているが、第3階層のブラックウルフの大群は、普通なら一人で対処出来る相手ではない。最初からロイド先生に手伝って貰えば良かったのだとリリスは思った。
そう考えると最終的に辿り着くのはあのアゾレスへの怒りだ。
シトのダンジョンでブラックウルフの大群を送り込んでくるなんて!
だがそのアゾレスも第4階層でサラマンダーと共に消滅した。
いや、本当に消滅したのだろうか?
あいつの事だからほんの少しの燃え残りでもあれば再生するんじゃないの?
でも二度と会いたくは無いわね。
目に映る街道沿いの豊かな緑に癒され、リリスの心は穏やさを取り戻した。
この街道にはリリスの領地までに2か所の関所があり、王国から派遣されている役人が簡単なチェックを行っている。ミラ王国は基本的に平和な国なので王都に繋がる街道もそれほどに厳しくチェックはしていない。
関所の役人達は街道の途中でのトラブルの対処や魔物の出没の警戒等が仕事の様で、魔物と言ってもあらかた駆除されていてあまり凶悪な魔物は出没しないと言われている。
実際リリスが魔法学院の入学に際してこの街道を通った時も何事も無かった。それもまた整備されている街道である故の事だ。
だがこの日は少し様子が違っていた。
魔法学院を出発して4時間近く経った頃、街道脇の木立の中から誰かに監視されているような気配をリリスは感じた。小さな気配なのでおそらく使い魔の類だろうと思われる。山賊や野盗が獲物を物色しているのかも知れない。
私兵の護衛の付いた馬車を狙うとすれば、短時間でカタを付ける必要がある。そうなると余程の強者でなければ無理だと思うのだが。
強そうな護衛を見て諦めてくれれば良いのだけど・・・。
そう思いながらリリスは念のため魔装を非表示で発動した。馬車の周囲を広範囲に探知してみると、やはり前方に妖しい気配が検知された。生命反応は4人で、そのうち一人はどうやら樹上のようだ。おそらく弓手か見張りだろう。
前方に居る3人のうち、2人は普通だが、1人だけ異様な禍々しい気配を纏っている者がいる。
この気配は何だろうか? 人族である事は確かなのだが得体が知れない。
リリスは御者のダンに注意を促した。
だが振り返ったダンは、
「お嬢様。そんな輩は返り討ちにしてやりますよ。」
そう言って息巻いていた。
何時も威勢が良いわね。
でも空回りしなければ良いのだけど。
先導するケインにも注意喚起するようにダンに指示し、リリスは慎重に気配を探った。
周囲に動いている馬車は無い。それほどに人気のない街道ではないので、仲間がいて意図的に止められているのかも知れない。
前方の不審な連中まであと100mほどだが、街道が少し曲がっていて前方の見通しが少し悪いのは罠だろうか。
引き返して様子を見るのが得策ね。
リリスはダンにそれを指示した。ダンはハイと返事をして馬を止め、馬車を反転させようとした。
だがその途端に馬車の後方から突然大きな魔物が2体近付いてきた。えっと驚いてリリスが見ると身長が3mほどもある大きなミノタウルスが、それぞれに剣や大きな斧を持ってにじり寄ってきている。
ダンとケインは即座に身体強化の魔法をかけ、剣を抜いて馬車の後方に駆け出した。
「お嬢様。・・・・・大丈夫でしょうか?」
不安な表情でフィナが呟いている。
「大丈夫よ。二人に任せれば。」
そう言いながらリリスは馬車の前方に注意を払った。前ががら空きだ。
前から襲われたらどうするのよ。
そのリリスの懸念が的中する。馬車の前方にも2体のミノタウルスが突然現れたからだ。
きゃあと叫びながらフィナは座席の端で震えている。
この時点でリリスの脳裏にはいくつかの推測が浮かんでいた。
あの魔物の現れ方は明らかに召喚獣だ。召喚術師はおそらくあの禍々しい気配の男。そうだとすると大きな魔物を4体も同時に召喚出来るだけのスキルを持った人物だ。
前方の右端の樹上に一人いる。こいつはおそらく弓手だろう。
魔物と弓手を同時に仕留める事が出来ればベストだが・・・・・。
そう考えているうちにミノタウルスが前方から近付いてきた。移動速度はあまり早くないが如何にもパワーがありそうで、接近されると確実に拙い。
ドスンドスンと地響きを立てながら近づいてくる。
リリスは意を決して馬車から飛び出し、斜めに走りながらフルパワーでファイヤーボルトを4発放った。杭のような太いファイヤーボルトがキーンと金切り音を立てて高速でミノタウルスに向かい、投擲スキルの補正もあって1体に2本づつ見事に着弾した。ドゥンと激しい衝撃音が響き土煙が舞い上がる。ミノタウルスは燃えながらその場に倒れた。
その土煙と爆煙が舞い上がっている間が狙い目だ。
リリスは慎重に気配を探知し、投擲スキルを最大限に研ぎ澄ませ、樹上の弓手に向けて小振りなファイヤーボルトを高速で数発放った。
樹上から猿のようにジャンプして避けない限り、人間の行動は樹上では制限がある。比較的狙い易い相手ではあるが、それでも念のため、回避されないように細くて高速のファイヤーボルトに切り替えたのだ。
土煙と爆煙で視界が遮られた弓手は、その斜め下方から突っ込んできたファイヤーボルトを避け切れず、ギャッと言う悲鳴をあげて樹上から落ちた。
その時、きゃあと言うフィナの悲鳴が背後から聞こえた。
リリスが振り返ると、2体のミノタウルスに対峙していたダンとケインが守勢に回っていて、そのうちの1体が向きを変えて馬車に向かって来ていたのだ。
咄嗟にリリスはファイヤーボルトを放ってミノタウルスに命中させた。衝撃音と共に爆炎が上がりミノタウルスが火の塊となってゆっくりと倒れていく。
それを見たリリスは即座に反転して馬車の前方に走り出した。
召喚術師を先ず倒さなければ!
リリスは拳を握りしめ、まだ見ぬ敵に向かって走り出した。
例年この時期に休暇があって、学生寮に残り、各自の課題に取り組む生徒も居れば、数人で王都の見学などに時間を費やす生徒も居れば、暫く帰っていない実家に帰省する生徒もいる。
リリスは去年はこの時期、生徒会の仕事に明け暮れていた。慣れない仕事を任されて四苦八苦していた事を覚えている。
だが今年は久しぶりに帰省しようと思い、実家に連絡を付けて手はずを整えた。
休暇の初日の早朝、魔法学院の正門の前にお迎えの馬車が待機していた。
手を振って笑顔で出迎えてくれたのはメイドのフィナだ。
1年以上会って居なかったが、久しぶりに会うフィナは少し大人っぽくなったように感じる。
フィナって私より2歳年上だから16歳よね。
相変わらずスタイルが良いし、可愛いわねえ。
そんな思いで黒いメイド服のフィナをまるで、等身大のフィギュアのように見つめるリリスである。
「お嬢様。しばらく会わないうちに、すっかり大人っぽくなりましたね。」
いやいや、フィナに比べれば私はまだ子供だからね。
それにしてもどうしたらそんな風にスタイルが良くなるのかしら?
いまだに子供の体型である事に納得のいかないリリスである。
馬車の御者はリリスの領地の私兵で、ダンと名乗る達磨のような顔の屈強な青年だ。馬車に先導する形で騎乗兵の護衛があり、こちらも私兵のケインと名乗る屈強な青年が騎乗していた。ケインは色白でなかなかのイケメンである。
私兵は2人共軽装備だが、それでも腕の立つ武人だと聞いていた。
「ダンさん、ケインさん、よろしくお願いしますね。」
「「勿論ですよ、お嬢様。」」
即座に威勢の良い返事が二人同時に返ってきた。
頼もしいわね。
二人に笑顔を振りまき、フィナに荷物を手渡して馬車に乗り込むと、馬車は魔法学院の正門から東に進む。巨大な城門の脇の通用門から出て、馬車はここから南東に伸びる街道を6時間ほどかけて進む事になる。
大きな馬車なのでフィナとリリスが乗り込んでもかなりの余裕があり、豪華な造りの座席なのでゆったりと寛ぐ事が出来る。窓から吹き込んでくる爽やかな風に吹かれながら、リリスはフィナと歓談して時間を過ごしていた。
「お嬢様は学院でも頑張っておられるそうですね。王族にも友人が出来たとお聞きしましたよ。」
窓から外を眺めているリリスにフィナが声を掛けた。
「あら、どうしてそれをフィナが知っているの?」
「お館様から聞きました。魔法学院から父兄宛の定期的な報告の中で、担任の先生からのお知らせに書かれていたそうです。お嬢様が王族を連れてダンジョンに入ったって・・・・・」
ロイド先生ね。
「その件だけど、私としてはあまり目立ちたくないのよね。今回は本人達の希望があったので使い魔の状態で連れて行ったんだけど、それを快く思わない人達も居るのよ。」
「そうなんですか?」
フィナは意味が分からないと言った表情で聞き返してきた。
「そうなのよ、フィナ。王族に近付いて取り入りたいと願っている貴族も居るのよ。そんな人達の子女も学院には居るからね。表面的には何も言わなくても陰で何か画策している可能性もあるのよ。」
「ふうん。そうなんですか。随分複雑なんですね。」
「そうなのよ。私のような地方貴族にはあまり関係のない事なんだから、田舎者のやっている事だと思って見過ごしてくれる事を願っているわ。」
そう言ってリリスは話を終わらせた。
確かにリリス自身も前回のダンジョンチャレンジでは目立ち過ぎたと思っていたのだ。第4階層のサラマンダーは無かった事になっているが、第3階層のブラックウルフの大群は、普通なら一人で対処出来る相手ではない。最初からロイド先生に手伝って貰えば良かったのだとリリスは思った。
そう考えると最終的に辿り着くのはあのアゾレスへの怒りだ。
シトのダンジョンでブラックウルフの大群を送り込んでくるなんて!
だがそのアゾレスも第4階層でサラマンダーと共に消滅した。
いや、本当に消滅したのだろうか?
あいつの事だからほんの少しの燃え残りでもあれば再生するんじゃないの?
でも二度と会いたくは無いわね。
目に映る街道沿いの豊かな緑に癒され、リリスの心は穏やさを取り戻した。
この街道にはリリスの領地までに2か所の関所があり、王国から派遣されている役人が簡単なチェックを行っている。ミラ王国は基本的に平和な国なので王都に繋がる街道もそれほどに厳しくチェックはしていない。
関所の役人達は街道の途中でのトラブルの対処や魔物の出没の警戒等が仕事の様で、魔物と言ってもあらかた駆除されていてあまり凶悪な魔物は出没しないと言われている。
実際リリスが魔法学院の入学に際してこの街道を通った時も何事も無かった。それもまた整備されている街道である故の事だ。
だがこの日は少し様子が違っていた。
魔法学院を出発して4時間近く経った頃、街道脇の木立の中から誰かに監視されているような気配をリリスは感じた。小さな気配なのでおそらく使い魔の類だろうと思われる。山賊や野盗が獲物を物色しているのかも知れない。
私兵の護衛の付いた馬車を狙うとすれば、短時間でカタを付ける必要がある。そうなると余程の強者でなければ無理だと思うのだが。
強そうな護衛を見て諦めてくれれば良いのだけど・・・。
そう思いながらリリスは念のため魔装を非表示で発動した。馬車の周囲を広範囲に探知してみると、やはり前方に妖しい気配が検知された。生命反応は4人で、そのうち一人はどうやら樹上のようだ。おそらく弓手か見張りだろう。
前方に居る3人のうち、2人は普通だが、1人だけ異様な禍々しい気配を纏っている者がいる。
この気配は何だろうか? 人族である事は確かなのだが得体が知れない。
リリスは御者のダンに注意を促した。
だが振り返ったダンは、
「お嬢様。そんな輩は返り討ちにしてやりますよ。」
そう言って息巻いていた。
何時も威勢が良いわね。
でも空回りしなければ良いのだけど。
先導するケインにも注意喚起するようにダンに指示し、リリスは慎重に気配を探った。
周囲に動いている馬車は無い。それほどに人気のない街道ではないので、仲間がいて意図的に止められているのかも知れない。
前方の不審な連中まであと100mほどだが、街道が少し曲がっていて前方の見通しが少し悪いのは罠だろうか。
引き返して様子を見るのが得策ね。
リリスはダンにそれを指示した。ダンはハイと返事をして馬を止め、馬車を反転させようとした。
だがその途端に馬車の後方から突然大きな魔物が2体近付いてきた。えっと驚いてリリスが見ると身長が3mほどもある大きなミノタウルスが、それぞれに剣や大きな斧を持ってにじり寄ってきている。
ダンとケインは即座に身体強化の魔法をかけ、剣を抜いて馬車の後方に駆け出した。
「お嬢様。・・・・・大丈夫でしょうか?」
不安な表情でフィナが呟いている。
「大丈夫よ。二人に任せれば。」
そう言いながらリリスは馬車の前方に注意を払った。前ががら空きだ。
前から襲われたらどうするのよ。
そのリリスの懸念が的中する。馬車の前方にも2体のミノタウルスが突然現れたからだ。
きゃあと叫びながらフィナは座席の端で震えている。
この時点でリリスの脳裏にはいくつかの推測が浮かんでいた。
あの魔物の現れ方は明らかに召喚獣だ。召喚術師はおそらくあの禍々しい気配の男。そうだとすると大きな魔物を4体も同時に召喚出来るだけのスキルを持った人物だ。
前方の右端の樹上に一人いる。こいつはおそらく弓手だろう。
魔物と弓手を同時に仕留める事が出来ればベストだが・・・・・。
そう考えているうちにミノタウルスが前方から近付いてきた。移動速度はあまり早くないが如何にもパワーがありそうで、接近されると確実に拙い。
ドスンドスンと地響きを立てながら近づいてくる。
リリスは意を決して馬車から飛び出し、斜めに走りながらフルパワーでファイヤーボルトを4発放った。杭のような太いファイヤーボルトがキーンと金切り音を立てて高速でミノタウルスに向かい、投擲スキルの補正もあって1体に2本づつ見事に着弾した。ドゥンと激しい衝撃音が響き土煙が舞い上がる。ミノタウルスは燃えながらその場に倒れた。
その土煙と爆煙が舞い上がっている間が狙い目だ。
リリスは慎重に気配を探知し、投擲スキルを最大限に研ぎ澄ませ、樹上の弓手に向けて小振りなファイヤーボルトを高速で数発放った。
樹上から猿のようにジャンプして避けない限り、人間の行動は樹上では制限がある。比較的狙い易い相手ではあるが、それでも念のため、回避されないように細くて高速のファイヤーボルトに切り替えたのだ。
土煙と爆煙で視界が遮られた弓手は、その斜め下方から突っ込んできたファイヤーボルトを避け切れず、ギャッと言う悲鳴をあげて樹上から落ちた。
その時、きゃあと言うフィナの悲鳴が背後から聞こえた。
リリスが振り返ると、2体のミノタウルスに対峙していたダンとケインが守勢に回っていて、そのうちの1体が向きを変えて馬車に向かって来ていたのだ。
咄嗟にリリスはファイヤーボルトを放ってミノタウルスに命中させた。衝撃音と共に爆炎が上がりミノタウルスが火の塊となってゆっくりと倒れていく。
それを見たリリスは即座に反転して馬車の前方に走り出した。
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リリスは拳を握りしめ、まだ見ぬ敵に向かって走り出した。
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