落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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予期せぬ依頼1




リリス達がドーム公国から帰還した翌日。

放課後に生徒会の部屋に向かうと、エリス達に混じってリンディの姿もあった。
レームの街で買い込んだ土産物を配っていたようだ。

さりげなくレームのダンジョンの探索の話をしながらリンディを目を合わせると、リンディはおもむろに懐から小さな飴を取り出した。それは魔族の村を去る際にキラから貰った飴で、5個のうちの2個をリンディに分けてあげたのだった。

「リリス先輩。この飴って試してみました?」

「いいえ。まだ食べていないわよ。って言うか、それを貰っていた事も忘れていたわよ。」

リリスはキラから貰った飴を自室に置いたままだった。服のポケットから取り出して小鉢に入れ、デスクの上に置いたところまでは覚えている。

「だったら、キラの言っていたおまけが何かも知らないですよね。」

そう言いながらリンディはその飴を口にポイっと入れた。
クチュクチュと口の中で舐め回していると、リンディの口の前にポッと小さな光が出現した。
それはリンディの顔の周りをゆっくりくるくると回り始め、幾つもの小さな光に分散し、徐々に姿を変えていく。

程なく姿を現わしたのは、小鳥やウサギの姿だ。
それらがリンディの顔の周りを少し上下に動きながら、ゆっくりと回っている。
確かに子供のお菓子には相応しい演出だ。
仕組みは分からないが、食べている人物の魔力を僅かに使って動作しているのだろう。

「これって小さな子供にはウケますよねえ。」

エリスの言葉にリンディも笑顔で頷いた。

「リリス先輩も寮に帰ったら試してみれば良いですよ。」

リンディの言葉に、傍に居たニーナがニヤッと笑って食いついた。

「リリスが試すと、凶悪な魔物が顔の周りを回り始めるかもよ。仕留めた数だけ現われるかもね。」

「ニーナったら、人聞きの悪い事を言わないでよ。」

そう言って失笑したリリスであるが、内心では、『仕留めた魔物の数だけ現われたら数え切れないわよね』などと思いを巡らせていたのだった。





その日の作業を終え、自室に戻ったリリスは、思いも掛けない光景を目にした。

ソファに座って寛いでいるサラの顔の周りを、幾つもの物体がゆっくり回っている。
良く見ると、大きな鎌を持った死神や、剣を持ったスケルトンだ。

「リリス。この飴って何なの? 置いてあったから何気に食べてみたら、こんなものが出て来ちゃった・・・」

どうやらサラがあの飴を食べてしまったようだ。

やれやれと思いながら、リリスは小鉢に残っている2個の飴に目を向けた。

「これってレームの街の土産物屋で売っていたのよ。子供のお菓子でおまけがついてくるって言う売り文句でね。」

「そうだったのね。それで納得出来たわ。それでこんなものが出現するようになっているのね。でも子供のお菓子だったら、もっと可愛いものが出現しても良いんじゃないの?」

サラの言葉にリリスはうっと唸った。
この飴のおまけは食べた者の特徴によって変わるのか?

「そうよねえ。もう少し子供にウケる演出があっても良いわよね。」

そう言ってお茶を濁したリリスにサラが言葉を掛けた。

「リリスも食べてみてよ。何が出て来るか見たいから。」

「何を言っているのよ。こんなのって子供騙しなんだからね。」

そう言いつつも、心の中では少し不安の募るリリスである。

リンディの言っていたように、仕留めた数の魔物が現われたらどうしよう。

そんな、ありもしない予想がリリスの頭の端を過った。

おもむろに飴を取り、口に入れて舐め回すと爽やかな柑橘系の味が広がる。
それと共に口の前に光の球が現われた。
意外に大きい。
直径は5cmほどありそうだ。

それがぐるぐるとリリスの顔の周りを回ると、徐々に姿を変えていく。
程なく現れたのは法衣を着た老人の姿だ。
その容姿は人族ではなく、ダークエルフのようにも見える。
頭が大きく5頭身程度に見える姿は滑稽で、まるでアニメのキャラクターのような姿だ。
それが5体、リリスに笑顔を向けながら回っている。

「それって何なの?」

サラの困惑にリリスも首を傾げるだけだ。

「まあ、子供のお菓子のおまけだから、おじいちゃんやおばあちゃんが出て来ても、おかしくないんじゃないの?」

取って付けたような言い草にサラも、そうかなあと言いながらその老人の姿を見つめていた。
それは5分ほどで消えていったのだが、その顔が妙に頭に残っている。

見覚えのある顔では無かったわよねえ。

そう思いつつもリリスはサラを夕食に誘い、学生食堂に二人で向かった。




だがその日の夜。

ベッドの中で眠っていたリリスは突然目が覚めた。
否、夢の中かも知れない。

何もない空間の中にただ一人、革張りのソファに座っている。

またキングドレイクさん達に呼び出されたの?

そう思ったリリスだが、何時もと少し様子が違う。

薄暗い空間をよく見ると、四方に大きな窓があって、向こう側に夜景が見えている。
それはビルが林立する都会の夜景だ。

これって新宿の夜景?

懐かしい記憶が蘇ってくるのだが、何故にこの情景なのだろうか?
恐らく誰かが自分の脳内を探ったのだろう。

強く違和感を感じながら座っていると、背後からハハハと笑う声が聞こえて来た。
振り返るとそこに老人が立っている。
何時の間に現われたのだろうか?

見知らぬ老人だがどこかで見たような気がする。
直ぐにリリスはその人物を思い出した。

「あなたって・・・キラの飴を舐めて出て来た人ですよね?」

「如何にも。」

老人はそう言ってリリスの目の前に回り込んだ。
褐色の肌が目に付く。
だが少しダークエルフと様相が違う。
もしかして・・・魔族?

リリスの思いを察して、老人はニヤッと笑い、その名を告げた。

「儂の名はギグルだ。そう言えば分かるな?」

「えっ! ギグル様ってレームのダンジョンの・・・・」

リリスの驚きにギグルはうんうんと頷いた。

「そうだ。お前達の前に現われた際には姿をぼかしていたが、これが儂の本当の姿だよ。薄々気が付いていると思うが、儂はダークエルフではない。人族に敵対しない魔族の一員だ。」

「そうなんですね。それにしてもこの景色はどうして?」

「まあ、失礼だとは思ったが、お前の脳内の記憶に面白いものがあったので再現してみたのだよ。」

そんな事をしなくても良いのに・・・。

そう思ったリリスだが、他にも疑問が色々とある。

「でも、どうして飴のおまけにあんな細工をしたんですか?」

「ああ、あれはだな・・・」

ギグルはそう言うと少し間を置いた。

「儂の作業を手伝ってもらえる人材を探す為なんだよ。あの飴はレームの街の様々な店でサービスとして配布されている。それを利用して食べた人物の魔力を探り、儂の意に適った人材を選び出す為のものだ。」

「儂はレームのダンジョンのダンジョンマスターをしているので、人材探しに投入している時間があまり無いのだよ。それであの飴を利用しているわけだ。」

なるほどね。

「でも、魔力で探るのなら、レームのダンジョンで私が撒き散らした魔力で判断出来るじゃないですか。」

「それはそうなのだが、あの飴は食べた人物の脳内に働き掛け、その記憶を探り、持ち合わせているスキルを実行した痕跡まで探る事が出来る。」

そう言ってギグルはリリスの目をじっと見つめた。

「ステータスからスキルを隠す事は出来る。だがそのスキルを使った際の記憶や情景までは隠せないのだよ。」

うっ!
それって個人情報が駄々洩れじゃないの!

「まあ、そうは言ったが明確に分かるわけではない。あくまでも推測の域を超えん。人の記憶は曖昧だからな。時間の経過と共に薄れていくものだ。」

う~ん。
それって含みのある言葉ね。

「それで私に何を手伝えと言うんですか?」

「うむ。お前を呼び出したのはシールドの修復の為だ。」

シールドですって?
何の事?

疑問に満ちたリリスの表情を見て、ギグルはハハハと笑った。

「お前はオルティア海の広域多重シールドを知っているか?」

「いいえ。初耳ですね。」

リリスの返答にギグルはうんうんと頷いた。

「まあ、人族でそれを知る者は居ないだろうな。だがお前はそのシールドを通過して魔大陸に渡った筈だ。」

「ええっ! それってもしかして・・・」

「そうだ。お前達の棲む大陸と魔族の棲む魔大陸を隔てているのがオルティア海であり、両者を隔てると共に魔大陸の存在を隠しているのが広域多重シールドなのだよ。勿論オルティア海と言う呼び名は儂ら魔族が使う呼称だがな。」

そうなのね。
リリスは改めて魔族の村で長老のガドから聞いた言葉を思い出した。
魔大陸の存在を隠ぺいするシールド。
それはどれほど広範囲のものだろうか?
想像もつかないスケールである。

「そのシールドを修復するのですか?」

「そうなのだ。勿論今直ぐにシールドが消えてしまうと言う事では無い。僅かな劣化をその都度修復する事で、長年に渡って維持する事が出来る。」

そう言うものなのね。でも私に何が出来るって言うの?

リリスの思いを察してギグルはニヤッと笑った。

「まあ、簡単に言えばシールドを維持している魔石に、お前の魔力を補充してくれれば良いのだ。お前の魔力は濃厚であり特殊な要素を多く含んでいる。儂等が補充するよりも遥かに効率が良いのだよ。お前の脳内記憶で言う『コスパ最強』と言う事だ。」

そんな言葉を探らないでよ!
この世界で通用しちゃったらどうするのよ。

「お手伝い程度なら良いですけどね。でも、その広域多重シールドって本当に必要なんですか?」

「これは意外な問い掛けだな。」

そう言うとギグルはピクンと眉を上げた。

「お前達も魔族との無用な争いを避けたいだろう? 儂等にしても人族に敵対する種族は魔族全体の中の1~2割程度だ。敵対していない儂等の種族まで、人族の敵として一括りにされ、攻撃されるのは御免だからな。」

「かつて数千年前に人族と魔族の大規模な戦いもあった。儂等の種族もそれに巻き込まれ、多大な被害を被った。それ故に人族に敵対しない種族の総意で広域多重シールドを造り上げたのだよ。このシールドは人工知能が制御し、そのシステムは堅牢であらゆる攻撃からも防御可能だ。」

ギグルの言葉にリリスは笑みを漏らした。

「そのシールドの存在を知ったとしても、誰もそれを破壊しようなんて思いませんよ。」

「そう思うのはあくまでも人族からの視点だな。だがシールドを壊してしまおうとする者は魔族にも居るのだ。再び人族との大規模な戦争を画策するような輩が、魔族の中にも居るから厄介なのだよ。」

ギグルはそう言うと深いため息をついた。

「ここまで言えば分かると思うが、広域多重シールドは単に魔大陸の存在を隠しているだけではない。双方からの行き来を極力セーブして、大人数同士での衝突を避ける事も兼ねているのだ。」

そう言う事なのね。

「それで具体的にどうすれば良いのですか?」

リリスの問い掛けにギグルはうんうんと頷いた。

「お前の元にシールドの人工知能から使者が送られる。その指示に従ってくれれば良い。それだけだ。」

「よろしく頼むぞ。」

そう言うとギグルの姿は消えていった。
残されたリリスはう~んと唸りながら、薄れゆく視界と共に深い眠りに陥っていったのだった。





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