落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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仮装コンテスト3

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エルフの棲み処。

人族では滅多に入れないその場所に案内され、リリスが目にしたのは紛れもなくアギレラだった。

呆然とするリリスに龍が問い掛けた。

「リリス、お前はあの未知の魔物が何だか知っているのか?」

リリスは静かに頷いた。

「あれはアギレラです。しかも修正進化する前のもので・・・・・」

リリスは以前にイオニアで起きた、リンディのスキルの暴走による転移の話を始めた。
世界樹の元に大量発生していた魔物だと聞き、龍もオーリスも驚きの声を上げた。

「そんなものがどうしてここに居るのだ?」

オーリスも怪訝そうな表情でリリスに問い掛けた。

「それが分からないんです。修正進化させる事でアギレラの脅威は無くなったのですが、それ以前の時空につながったとしか思えないですよね。」

「そんな呑気な事を言っている場合じゃないぞ。異世界の魔物が大量に繁殖したら、大きな時空の歪が再び発生してしまいかねないからな。」

そう言いながら龍はリリスの目をじっと見つめた。

「修正進化させるのが解決策だと言うのか?」

問い詰める龍の目を避ける様にリリスは頷いた。

「駆除する事は出来るのですが、その為に森に多大なダメージを与えてしまうんです。でも修正進化して本来のアギレラの姿になれば、むしろ森と共存し、森を豊かにしてくれる存在になるんですよね。他種族に敵意を持たない魔物と言うか、念話で意思の疎通を図る種族ですから・・・」

リリスの言葉に龍はうーんと唸って黙り込んでしまった。
だがその時、大きな魔力の塊の接近をリリス達は感じ取った。

何かが来る!

そう思って身構えていると、リリス達の目の前に小さな光球が現われ、徐々に姿を変えて白い小鳥になった。

これは・・・シーナの使い魔だ。
でもどうしてここに?

白い鳥はバタバタと羽ばたきながら、龍の傍に近付いた。

「お邪魔するわよ。」

「どうしたのだ? 何故お前がここに?」

龍の言葉に反応して、白い鳥は森の方に目を向けた。

「あれがここに転送されてしまったから、追いかけてきたのよ。しかも時空が捻じれてしまって若干遡った時点に繋がってしまったようね。」

「うむ。時空を遡ってしまった事はリリスの言葉からも推測出来るのだが、今回の時空の歪の根本的な発生要因は何なのだ?」

「それが私にも良く分からないのよ。亜空間回廊の消滅の残滓があった事は間違いないのだけど、それが私の世界につながるとすれば・・・・・あのリンディって言う名の獣人の子の持つスキルを、一時的に極限にまでレベルアップさせたからかしら?」

白い鳥の言葉に龍は驚いた。

「シーナ! お前はそんな事をしたのか?」

「だって、そうでもしないとリリスとリンディをこっちの世界に送り届けられなかったんだからね。それに、そもそもあの時リンディのスキルが暴走した要因は、あんただったじゃないの。」

白い鳥の責めるような口調に龍はウッと唸って言葉をなくした。
その傍でオーリスが白い鳥に尋ねた。

「あのアギレラと言う魔物は、普通の方法では駆除出来ないのか?」

白い鳥はオーリスの目の高さに位置を変えた。

「あんたって・・・エルフね。森と共存する種族にとって、本来のアギレラはとても重宝する存在だと思うわよ。温厚で使役しやすい種族だし、特定の波長での念話のやり取りも出来るからね。」

「だが、今は厄介な存在でしかないのだがな。」

「そうね。リリスに修正進化させるのが得策だと思うわよ。ロキが許可をすればの話だけどね。」

そう言いながら白い鳥は龍の方に目を向けた。

龍はう~んと唸ってしばらく考え込んだ。

「この世界に存在しない種族を増やせと言うのか? それは簡単には容認出来ないぞ。」

「魔物の種族が一つ増えた程度で騒がないでよね。それにリリスが修正進化を掛けた時点で、こっちの世界の種族として存在する事になるわよ。リリスが修正進化を掛ける際に、こっちの世界の理法やパラメータ等の諸元要素を元にするからね。」

「まあ、それはそうなのだろうが・・・・・」

龍はそう言うと再び黙り込んだ。
しばらくの沈黙の後、龍は再び口を開いた。

「うむ。管理者からの暫定的な許可が下りた。エルフの棲み処でのみ棲息を許可するそうだ。ただし、繁殖数に制限を掛けて欲しいとの事だ。1000体程度までなら許可するとの事だが・・・」

「ああ、それなら大丈夫よ。リリスがアギレラに修正進化を施す際に、そう言う設定にすれば良いだけだからね。」

白い鳥の言葉にオーリスはほうっ!と声を上げた。

「そんな事も出来るのか。この娘の持つスキルは万能なのか?」

「それは大袈裟だわね。でも、世界樹の加護に含まれる産土神のスキルは、リリスの中で既に権能のレベルになっているわ。」

白い鳥の言葉に龍はふんっと鼻息を吐いた。

「それはお前が手を加えたからだろう?」

「それは・・・私の世界に紛れ込んだ際に施した一時的なものだったのよ。でもリリスの持つスキルが、世界樹の加護に残されたログを元にして再現したうえで、更に自分に合うように最適化しちゃったからねえ。」

白い鳥の言葉に龍は再びう~んと唸った。

「そうなんだよな。こいつの持つ最適化スキルが万能過ぎるのだよなあ。」

呆れた口調の龍の身体を、白い鳥がポンポンと翼で軽く叩いた。

「こう言う存在が居るとあんたも大変よね。」

「おお、分かってくれるか。確かに超越者と言いながら、その予測の斜め上をいくリリスのような存在がいると、世界の秩序を保つのも簡単ではないのだよ。」

「うんうん。分かるわよ、あんたの気持ち。」

ちょっと!
そこで二人で何を慰め合ってるのよ。
しかも私を問題児扱いにして!

不機嫌になるリリスの様子を見ながら、オーリスは静かに口を開いた。

「それで・・・あのアギレラをどうにかしてくれるのか?」

ああ、そうだったわね。
リリスは不機嫌そうな表情を笑顔に切り替え、白い鳥と龍に話し掛けた。

「それで結局、あのアギレラは修正進化させて良いのですね?」

「ああ、そう言う事だ。頼む。」

何がそう言う事よ!

心の中でそう突っ込みながら、リリスはアギレラの棲息する森に向かって駆けた。
しばらく進むとアギレラの放つ瘴気が漂い、若干の眩暈がしてきた。
それに加えて異臭も漂っている。
森の木々は立ち枯れしていて生気も無く、地下でアギレラのコロニーに養分を吸い取られているのだろう。
魔装を非表示で発動させてそれを凌ぎ、リリスは森の縁辺部にまで近づいた。

リリスは身体中に魔力を循環させ、世界樹の加護を発動させながら産土神体現スキルを強く意識した。
それと共に脳内にピンと言う音が走った。

リリスの身体が金色の光に包まれ、その身体全体から細い触手が無数に伸びていく。
下半身から出現した触手が伸びながらリリスの身体を押し上げ、5mほどの高さにまでリリスの頭部が上がった。

更に触手の分量が増え、リリスの身体全体を包み込み、あらゆる方向に向けて伸びていく。
それはまるで樹木のようだ。
全体が金色の光に包まれ、神々しくも見える。

そのリリスの姿を見て、オーリスは既に言葉を失っていた。

産土神体現スキルはリリスの中で既に権能と化し、本格的な起動を始めた。

『進捗率30%』

リリスの脳裏に言葉が浮かんだ。

『魔力の吸引を開始します。』

その言葉と共に魔力吸引スキルが発動され、大地や大気から魔力が吸い上げられていく。
その魔力の渦がリリスの体内に流れ込み、全身が熱くなってきた。

『進捗率50%』

この状態を把握した上で、シーナからの念話がリリスの脳内に届いた。

『リリス。私の言葉を聞き取れるわね? 以前と同じ要領よ。修正進化を強く念じて!』

リリスはシーナの指示通りに修正進化を強く念じた。
それに応じて脳裏に言葉が浮かび上がる。

『ターゲットは?』

アギレラよ。森の地下や周辺に棲息する全てのアギレラよ!

リリスがそう念じるとピンと言う音が脳裏に鳴った。

『森の周辺を探知します。』

探知スキルが発動され、森の周辺の様子がリリスの脳内に映し出されていく。

赤い点で示されるアギレラの数がかなり多い。
やはり深い地中にまでその棲息範囲が広がっていた。

『全体数は約500です。その全てを把握します。』

産土神降臨の権能がその言葉と共に魔力を激しく循環させ始めた。
リリスの全身から伸びる大量の触手のそれぞれの先端に、赤い光の球が生じ、その一つ一つがアギレラの一体一体を把握していく。
そのデータは全てリリスの脳内に流れ込み、その処理に目まぐるしく脳細胞が振り回される。
リリスの脳内はパニック状態に等しい。
リリスの口からうううっと言う呻き声が漏れ出した。

『脳細胞の処理が滞っています。脳内リミッターを解除し、脳細胞を全て活性化させます。』

その言葉と共にリリスの脳内リミッターが解除され、リリスの全脳細胞が権能と化した産土神体現スキルの管理下に置かれた。
膨大なアギレラの生体データがリリスの脳内に取り込まれていく。
もはや思考すら出来ない状態だ。
この時点で既にリリスの意思は束縛され、産土神体現スキルの処理を見守るだけとなった。

『森の周辺に棲息する全てのアギレラのデータを把握しました。修正進化を開始します。』

リリスの全身から伸びた触手の先端の赤い球体が全て空中に解き放たれた。
それはまるで水中で一斉に放卵するサンゴの産卵のようにも見える。

その赤い球体がそれぞれ把握しているアギレラに向かって飛び、アギレラの身体を包み込むと、その場で白い繭を形成していく。

程なく全てのアギレラが白い繭の中に閉じ込められた。

『修正進化を促進します。』

繁殖数に制限を掛けて!

『どの程度の数に制限しますか?』

1000体を上限にして!

『了解しました。』

リリスの身体から魔力が大量に放たれ、全ての繭に注がれていく。
その魔力の量があまりにも大量で、リリスの身体から60%以上の魔力が消失してしまった。
それを補う為に再度魔力の吸引が行われ、大地や大気から激しく魔力が流れ込んでくる。
リリスはその魔力の激しい増減で眩暈に襲われながらも、歯を食いしばって耐えた。

アギレラの修正進化の作業が続く。

30分ほど経って、アギレラを包み込んでいた白い繭が徐々に消え始めた。
修正進化を終えたアギレラの姿が見え始めると、赤い龍もオーリスも驚きの声を上げた。
神秘的な見た目のアギレラである。
修正進化したアギレラは全身が淡い緑で、半透明の美しい羽根を持ち、念話でコミュニケーションを取り始めた。

その様子を見てオーリスが再び驚きの声を上げる。

「おおっ! 彼等の念話が理解出来るぞ。」

オーリスの言葉に赤い龍も白い鳥も驚いた。
その様子を見てオーリスは歩く頷いた。

「儂等エルフは他の種族とのやり取りをする念話の波長以外に、エルフ固有の念話の波長を幾つか持っている。あのアギレラが仲間同士で交わしている念話の波長は、エルフ固有の念話の波長に極めて近いのだ。」

「それ故、完全ではないが大半は理解出来る。」

オーリスはそう言うと嬉々とした表情でアギレラ達を見つめた。

そのアギレラは集団となり、森の周囲に新たにコロニーを建設し始めた。
そのうちのあるものは土地を耕し、あるものは住居を建て始めている。

「これがアギレラの本来の姿なのか。」

龍の言葉がリリスの耳に届いた。

全てのアギレラが繭から抜け出し、他のアギレラとのコミュニケーションを取り始めた時点で、シーナは産土神権限スキルを終了するよう、リリスに念話で指示を出した。

それに応じてリリスは権能の終了を強く念じた。

『了解しました。尚、今回の全ての発動状況と履歴も以前と同様に、脳内の休眠細胞に格納します。何時でも参照出来るので、今後スキルの再発動の際には活用してください。』

ハイハイ。ご丁寧にどうも。
二度ある事は三度あるって言うけど、その通りね。
そのうちまた発動させるかも・・・。

そう思いながらリリスは全身から伸びている触手の消失に身を委ねていた。
地面に近付くと最後に残っていた触手も消え、リリスの身体は静かに横たわった。
だが直ぐには起き上がれない。
全身の疲労感が残っている上に、脳内が掻き回されて眩暈と頭痛に襲われていたからだ。
リリスは横になったまま、中程度のレベルで細胞励起を自分の身体に掛けた。
それによって身体中の疲労が消え去り、立ち上がる事が出来るようになった。

「ロキ殿。儂等はアギレラを使役したいのだが、構わぬか? 念話で通信してみたのだが、アギレラ達も我等に喜んで仕えたいと申し出ておるのだ。」

「それは本当か?」

赤い龍の疑問を耳にして、白い鳥が口を開いた。

「本当だと思うわよ。アギレラはアギレラで、エルフの庇護のもとに受ける恩恵が理解出来るし、現に体感し始めているのよ。使役と言うよりは相互扶助に近い関係性になりそうね。」

龍は白い鳥の言葉を聞き、う~んと唸ってしばらく沈黙し、再度オーリスに言葉を掛けた。

「まあ、良かろう。エルフの棲み処でのみアギレラとの共生共存を許そう。」

「アギレラの棲息範囲の制限だけは守ってくれ。」

龍の言葉にオーリスは安堵のため息をついた。

「ありがたい。感謝するぞ、ロキ殿。」

「感謝するならここに居るリリスに感謝するが良い。リリスの持つスキルでなければ、アギレラを真の姿には出来なかったのだからな。」

龍の言葉に白い鳥が口を挟んだ。

「真の姿とは言えないわよ。既にこの世界に適応した修正進化になっているからね。言い方を変えれば、アギレラのリリスバージョンと言っても良いかもよ。リリスが新たな種族を産み出したようなものね。」

白い鳥の言葉に龍はギョッとしてリリスを見つめた。
その視線が痛い。

シーナさん、そんな事を言わないでよ。
ロキ様を変に刺激しちゃうじゃないの。

リリスの表情を見ながらシーナは魔力を放って、アギレラを数体リリスの目の前に転移させた。
半透明の美しい羽根が光を反射して、様々な色を見せている。
その黒い大きな目にリリスの顔が映っているのが分かった。

アギレラ達は直ぐにリリスの前に進み出て、その場でリリスに向けてひれ伏した。

「うっ! これってどう言う事ですか?」

戸惑うリリスの顔を見て笑いながら、白い鳥は口を開いた。

「アギレラ達はリリスのお陰で駆除されなかった事を理解しているのよ。彼等はリリスを崇拝しているわ。」

そんな事で恩義を感じなくても良いのに。
それに崇拝だなんて大袈裟な・・・。

リリスに対してアギレラ達がひれ伏している様子を見て、龍はますます怪訝そうなオーラを放ち始めた。

困ったわね。どうしたら良いのよ!
修正進化させろって言ったのはロキ様じゃないの。

龍の怪訝そうな視線を受け、リリスは困惑するばかりだった。







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