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第四章 バーレスト兄弟
風の町 ルバナ
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快晴の空の下を心地よい北風に髪を靡かせながら草原を半日程位歩くと、マッド達は大きな町に辿り着いた。
草原の中にポツンと聳え立つ【風の町ルバナ】
煉瓦で作られた家が多く、穏やかな風が町を駆け巡り、所々に立つ大きな木を揺らしていく。
見慣れない町に、マッド達は辺りを見回した。
「おお~、でっかい町だな」
「本当だね~! ルグートよりもすっごく大きい! それに風が心地いいね!」
「ここが風の町ルバナだ。大きいだろ? 僕が育った町でもあるんだよ」
「何でここに私達を……?」
ティミーは首を傾げながら訪ねると、アリルは小さく溜め息をついた。
「だから会わせたい人がいるんだよ」
「そ、そうでした。えへへ」
「……ハァ」
(緊張感が無いというか、馬鹿な奴らというか)
アリルは少し呆れながら三人を見る。
「で、会わせたい人って何処に居るの? ご飯も食べれる?」
ヴェノルは何処となくソワソワしながらアリルに訪ねた。
「こっちだよ。付いて来て」
アリルは三人を誘導しながら町の奥へと歩いて行った。
しばらく歩くと周りの家より一際大きな家の前にたどり着く。
「アリルさん、この家は?」
ティミーが首を傾げて問い掛けた。するとアリルは風に靡く髪を押さえ口を開く。
「大きい家だろ? この家の奴に用が有るんだよ。此処は……ぶっ!」
「……あ」
アリルが喋っている途中、目の前の家のドアが開いたかと思うと、そのドアがアリルの顔面を直撃した。
「あれ? 可笑しいな、今アリルの声がしたんだけど」
濃めのグレーの髪の青年がヒョコっと顔を見せ、三人の視線がその青年に向けられた。
アリルも振り返り顔を抑えながら家から出てきた青年に、恨みを籠めた視線を送る。
「お、アリルじゃないか! 久しぶり」
「久しぶりじゃない! お前のせいで顔面強打したぞ、グルー! 全く、客人を連れてきたのに……」
「客?」
グルーと呼ばれた青年はマッド、ティミー、ヴェノルに視線を向けた。
「あ……初めまして。俺マッド・クラーデン」
「ティミー・マルデスです」
「俺はヴェノル! 言っとくけど俺二十歳だからね?」
迫るように言われ、グルーはまじまじと三人を見る。
「いきなり自己紹介されてもな。状況が良く解らない。とにかく、家に上がって。アリルも伸びていないで早く入れよ」
「お前のせいだからな!? まあいい、三人共、中に入って」
「あ、はい。お邪魔します」
「でけえ家だな」
グルーに招かれると、マッド達は家の中に入った。
「うわ~、広いおうち!」
「綺麗な家ですね」
家に入ると、かなり清潔感のあるリビングに案内された。
感動して本音を出すヴェノルとティミーに、グルーは苦笑する。
「そうでもないぞ? ちょっとお茶入れて来るからゆっくり寛いでてくれ。紅茶で良いかな?」
「はい、ありがとうございます」
グルーに言われるがままに遠慮無くソファーに深く腰掛け背を預ける三人。
よっぽど疲れていたのだろう。
マッドは軽く目を閉じると、微かな足音を耳にした。
(何だ?)
頭を起こし音のした方を向こうとした時、ドアが開かれた。
「兄さん。お客さんでも来た?」
マッドの向いた先には、群青色の髪の青年が立っていた。
グルーは青年に目線を向けると、何故かホッとした表情をする。
「何だウォック。もう料理の仕込みは終わったのか?」
「まぁ、何とかな。あれ、アリル?」
「久しぶり。相変わらず料理してたのか?」
「今日はトマトとチーズのグラタンだからな。今のうちに煮込んどかないと」
「ははっ、グルーの料理は当たり外れあるもんな。どうしてこう料理を覚えられないんだろうねグルーは」
「俺に聞かれてもな。兄さんに言え兄さんに」
草原の中にポツンと聳え立つ【風の町ルバナ】
煉瓦で作られた家が多く、穏やかな風が町を駆け巡り、所々に立つ大きな木を揺らしていく。
見慣れない町に、マッド達は辺りを見回した。
「おお~、でっかい町だな」
「本当だね~! ルグートよりもすっごく大きい! それに風が心地いいね!」
「ここが風の町ルバナだ。大きいだろ? 僕が育った町でもあるんだよ」
「何でここに私達を……?」
ティミーは首を傾げながら訪ねると、アリルは小さく溜め息をついた。
「だから会わせたい人がいるんだよ」
「そ、そうでした。えへへ」
「……ハァ」
(緊張感が無いというか、馬鹿な奴らというか)
アリルは少し呆れながら三人を見る。
「で、会わせたい人って何処に居るの? ご飯も食べれる?」
ヴェノルは何処となくソワソワしながらアリルに訪ねた。
「こっちだよ。付いて来て」
アリルは三人を誘導しながら町の奥へと歩いて行った。
しばらく歩くと周りの家より一際大きな家の前にたどり着く。
「アリルさん、この家は?」
ティミーが首を傾げて問い掛けた。するとアリルは風に靡く髪を押さえ口を開く。
「大きい家だろ? この家の奴に用が有るんだよ。此処は……ぶっ!」
「……あ」
アリルが喋っている途中、目の前の家のドアが開いたかと思うと、そのドアがアリルの顔面を直撃した。
「あれ? 可笑しいな、今アリルの声がしたんだけど」
濃めのグレーの髪の青年がヒョコっと顔を見せ、三人の視線がその青年に向けられた。
アリルも振り返り顔を抑えながら家から出てきた青年に、恨みを籠めた視線を送る。
「お、アリルじゃないか! 久しぶり」
「久しぶりじゃない! お前のせいで顔面強打したぞ、グルー! 全く、客人を連れてきたのに……」
「客?」
グルーと呼ばれた青年はマッド、ティミー、ヴェノルに視線を向けた。
「あ……初めまして。俺マッド・クラーデン」
「ティミー・マルデスです」
「俺はヴェノル! 言っとくけど俺二十歳だからね?」
迫るように言われ、グルーはまじまじと三人を見る。
「いきなり自己紹介されてもな。状況が良く解らない。とにかく、家に上がって。アリルも伸びていないで早く入れよ」
「お前のせいだからな!? まあいい、三人共、中に入って」
「あ、はい。お邪魔します」
「でけえ家だな」
グルーに招かれると、マッド達は家の中に入った。
「うわ~、広いおうち!」
「綺麗な家ですね」
家に入ると、かなり清潔感のあるリビングに案内された。
感動して本音を出すヴェノルとティミーに、グルーは苦笑する。
「そうでもないぞ? ちょっとお茶入れて来るからゆっくり寛いでてくれ。紅茶で良いかな?」
「はい、ありがとうございます」
グルーに言われるがままに遠慮無くソファーに深く腰掛け背を預ける三人。
よっぽど疲れていたのだろう。
マッドは軽く目を閉じると、微かな足音を耳にした。
(何だ?)
頭を起こし音のした方を向こうとした時、ドアが開かれた。
「兄さん。お客さんでも来た?」
マッドの向いた先には、群青色の髪の青年が立っていた。
グルーは青年に目線を向けると、何故かホッとした表情をする。
「何だウォック。もう料理の仕込みは終わったのか?」
「まぁ、何とかな。あれ、アリル?」
「久しぶり。相変わらず料理してたのか?」
「今日はトマトとチーズのグラタンだからな。今のうちに煮込んどかないと」
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「俺に聞かれてもな。兄さんに言え兄さんに」
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