ひだまりを求めて

空野セピ

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第五章 港町での休息

港町 ベルナス

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 雑談を交えつつ暫く歩いていると、漸く港町に着いた。
 周りを見てみると、鮮魚や野菜、お土産屋等、色々な店が出ていて、人が集まっていた。
 沢山の船が停泊しユーラス大陸の物流点となり、各地に様々な物が送られる拠点となっている【港町ベルナス】。
 先日に訪れたルバナよりも更に人がいて、軽く人酔いしそうな雰囲気だ。

「ひぇ~、ずいぶんと活気が有る町だな」

 周りの雑音に目をしかめながら、マッドは辺りを見回した。

「港町だからな。流通地点でもあるし、人がそれなりに集まるんだよ。ほら、港に行くぞ」

 更にスタスタと歩くウォックを見失わない内に、三人はウォックの後を追った。

 しばらく歩くと、大きな船が見えた。
 どうやら港に着いたようで、マッド達は船を見上げた。

「うわ~でっけぇ……コレが船ってヤツか?」

「凄い......私の家より大きい……!」

「大きいねぇ~! 人が乗っても沈まないのかな?」

 初めて見る船にマッド、ティミー、ヴェノルは釘付けになり見回した。
 そんな三人を見ては呆れつつ、近くにいた船乗りの人にウォックは声をかけようと、三人から少し離れた。

「すみません、この船はベルトア大陸行きですか?」

「あぁ、そうだよ。お兄さん達、ベルトアに行くのかい?」

「はい。4人分のチケットが欲しいのですが」

「すまないねお兄さん、今ベルトア行きの船は出せないんだよ」

 船乗りの人の言葉に、ウォックは疑問を抱く。

「どうしてです? 天候も晴天で風も穏やかなのに」

 ウォックの言葉に、船乗りの人は顔をしかめつつ言葉を吐いた。

「それがな、ユーラス大陸とベルトア大陸の間に広がるラバ海に強大なスコールが通過中らしいんだ。だからスコールが通り過ぎるまで船が出せないんだよ」

「スコール......そんなに酷いスコールなんですか?」

「ここ数年の中でもかなり大型で長時間雲が停滞しているらしいんだ。何でも昨日の夜から発生したらしくてな。まだ収まりそうに無いらしいんだと。悪いねお兄さん。急ぎだったのかい?」

「まぁ、少し急ぎではあったが......スコールじゃ仕方ないしな」

「正直な所、明日にならないと出港出来るかも分からないんだよ。悪いがまた明日来てくれるかい?」

「分かりました。ありがとうございました」

 船が出ないと分かり、ウォックは顔をしかめる。
 どの道このままここに居ても仕方無いと、マッド達の元へ向かった。

「あ、ウォック。船はいつ出るの?」

 目を輝かせながらヴェノルは訪ねる。
 相当期待しているようで、ウォックは難しい表情をしながら口を開いた。

「残念ながら今日は出港出来ないそうだ。海の間をスコールが通過中なんだと」

「スコールって、なぁに?」

「局地的な嵐の事だよ。大雨や突風が凄い天候の事だ。そんな中で船は動かないだろうからな」

「えぇ~! そんなぁ……」

 期待していたヴェノルはガクリと肩を落とす。

「じゃあ、それまでの間どうするの?」

 落ち込むヴェノルを慰めながら、ティミーは不安そうにウォックを見た。

「今日はこの町の宿に泊まるしかないだろう。それに、今まで起きてきた事や今後の事も話したいし、旅の備品もある程度揃えておいた方が良いからな」

「そうだね。食材も買い足さないといけないし......。そしたら宿屋に向かう感じで良いかな?」

「あぁ。宿屋を目指そう。少し身体も休めたいしな」

「賛成。はぁ~やっとベッドで寝られるぜ」

 久々にベッドで寝られそうだと分かり、マッドは大きく伸びをした。
 相当疲れが溜まっていたのだろう。
 宿屋を目指す事になり、マッド達は宿屋の看板を探していく。
 沢山の家とお店が並び、一つ道を間違えれば裏路地に出て迷子になりかね無い程、この町は大きかった。
 そんな街並みにマッドとティミーは感動を抑えきれず、色々な家を見ては楽しそうに笑っていた。
 その様子を、ウォックは眉を潜めながら様子を伺う。

(ティミー、もしかして無理して笑っているのか?)

 何処と無く、ルバナを出た頃から違和感を感じていた。
 追われている身としては、少し気が抜けていると感じていた。
 でもそれは、ティミーなりの空元気なのかもしれない。
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