58 / 108
第五章 港町での休息
不安な気持ち
しおりを挟む
ティミーの言葉に、マッド達は沈黙した。
ティミーは思わず大きな声を出してしまった事にハッとし、そのまま目線を逸らしながら俯いてしまう。
「ティミーは、ルグート村の住人ではないのか?」
ウォックが問い掛けると、ティミーは涙を拭いながら口を開いた。
「うん......。私、捨て子だったの。5歳の頃にルグート村の直ぐ近くの森で捨てられて、村長夫妻が保護してくれたんだ。だから、私は本来はルグート村の出身じゃないの」
俯いたまま、ティミーは声を震わせながら言葉を吐いた。
ルグート村の出身ではない自分のせいで、村が襲われてしまった。
その事実が重くのしかかり、ティミーは唇を噛む。
罪悪感で、今にも押し潰されてしまいそうな気持ちだった。
俯くティミーの肩にマッドは右手を置き、ティミーは思わず顔を上げる。
「ティミーが捨て子だとか、ルグート村の出身じゃねぇとか、そんな事関係あるのか?」
マッドの言葉に、ティミーの拭った筈の涙が更に溢れ出した。
「だって! 言ったじゃない! 本来私がいなければ、村は襲われずに済んだって! レンは、私を狙っていたんだよ!? 私が......私がルグート村に居なければ、こんな事には......」
「......ティミーを狙ってきた、か」
ウォックは顎に手を当て、眉間にシワを寄せる。
(どうも引っかかる。どうしてティミーを狙う必要がある? 〈あるモノ〉を狙っているとは言っていたみたいだが......)
ティミーに視線を向けるも、特別特殊な物を持っている素振りも無い。
何かを隠している様にも見えなかった。
「ティミー。何か特殊な物を身につけていたりはしないのか?」
ウォックの言葉に、ティミーは首を横に振る。
「特殊では無いけれど、このロケットペンダント位しか......」
「ロケットペンダント?」
そう言うと、ティミーは自分の首に下げてあったロケットペンダントを外し、テーブルの上に置いた。
首から下げて服の中に隠れていたようで、ウォックは気付かなかったようだ。
「わぁ、綺麗~! これなぁに?」
「ロケットペンダントだよ。こう、ここを押すと写真が見れるようになってるの」
ヴェノルが興味津々に身を乗り出してロケットペンダントをマジマジと見る。
小さなボタンを押すと、小さな音を立てて蓋が開き、小さな赤子の写真が見れた。
「わぁ~! 可愛い!」
「あ、ありがとう。これ、多分私が赤ちゃんの頃の写真だと思うの。誕生日も刻まれているし...... 。私が捨てられていた時に一緒に置かれていた物なんだ」
「......そうか」
ロケットペンダントを見た感じ、シルバー製で出来たごく普通の物だ。
ウォックは更に首を傾げる。
(旅の道具以外に持ってる物もこれだけ。なら何故レンはティミーを......)
ウォックが考える前でティミーは大事そうにペンダントを握る。
その様子を見ていたマッドはティミーの頭に手を置き、そのままグシャグシャに撫でた。
「わわっ! ちょっとマッド! 何するの!」
「そんな暗い顔すんなって。大丈夫だ。レンはぜってー俺が倒すからよ」
マッドはティミーの頭をグシャグシャに撫でた手を肩に置き、ニカッと笑顔を見せる。
「それに、村を出たのだってこれ以上村の皆んなを傷付けたくなかったからだろ? 皆んな笑顔で見送ってくれたじゃねーか。 ティミーを邪険に思ってる奴なんていなかっただろ。だから居なければ良かった、なんて言うんじゃねぇ」
「マッド......」
「それによ。旅してりゃ、お前の両親にも会えるかもしれないぜ?」
マッドの言葉に、ティミーは顔を上げた。
マッドは更に微笑み、ティミーの肩を軽く叩く。
「どれだけ時間のかかる旅になるかは分からねぇけど、きっと会えるさ。そしたら、本当の事、聞けるんじゃねぇのか?」
「うん、そうだよね......! 会えたら、良いなぁ」
泣き止んだと思ったティミーの目から、再び涙が溢れた。
ティミーは慌てて涙を拭い、笑顔を見せる。
「ごめん、暗い事話しちゃって。でも、本当にレンがこれ以上村を襲って来ないように村を出た事に後悔はしていないから。どうして私を狙うのか、知りたいから。だから私は、旅を続ける。例え、この先に何が待ち受けていても」
ティミーの言葉に、マッドとウォックは満足そうに微笑んだ。
「勿論だ! ティミーは俺が護る。レンだってぶっ倒す! その為に村を出たんだからよ!」
「で、旅の知識も無知のまま飛び出して来た訳だな」
「何だとウォック! てめぇは一言余計なんだよ!」
「はいはい! ご飯だよ坊や達」
マッドがウォックに掴みかかろうとした時、丁度おばちゃんがご飯を持ってきた。
それぞれ頼んだ料理がテーブルの上に並べられ、それを見たヴェノルが大量の涎を垂らしつつソワソワし始める。
「やっとご飯だ~! 暗い話ばっかりだったからお腹ペコペコだよ~!」
「悪かったな、暗い話にして」
ウォックは何処となく少し不機嫌になりつつもヴェノルを軽く小突く。
料理が全て揃い、マッド達は食事の合図をすると其々のご飯を食べ始めた。
ティミーは思わず大きな声を出してしまった事にハッとし、そのまま目線を逸らしながら俯いてしまう。
「ティミーは、ルグート村の住人ではないのか?」
ウォックが問い掛けると、ティミーは涙を拭いながら口を開いた。
「うん......。私、捨て子だったの。5歳の頃にルグート村の直ぐ近くの森で捨てられて、村長夫妻が保護してくれたんだ。だから、私は本来はルグート村の出身じゃないの」
俯いたまま、ティミーは声を震わせながら言葉を吐いた。
ルグート村の出身ではない自分のせいで、村が襲われてしまった。
その事実が重くのしかかり、ティミーは唇を噛む。
罪悪感で、今にも押し潰されてしまいそうな気持ちだった。
俯くティミーの肩にマッドは右手を置き、ティミーは思わず顔を上げる。
「ティミーが捨て子だとか、ルグート村の出身じゃねぇとか、そんな事関係あるのか?」
マッドの言葉に、ティミーの拭った筈の涙が更に溢れ出した。
「だって! 言ったじゃない! 本来私がいなければ、村は襲われずに済んだって! レンは、私を狙っていたんだよ!? 私が......私がルグート村に居なければ、こんな事には......」
「......ティミーを狙ってきた、か」
ウォックは顎に手を当て、眉間にシワを寄せる。
(どうも引っかかる。どうしてティミーを狙う必要がある? 〈あるモノ〉を狙っているとは言っていたみたいだが......)
ティミーに視線を向けるも、特別特殊な物を持っている素振りも無い。
何かを隠している様にも見えなかった。
「ティミー。何か特殊な物を身につけていたりはしないのか?」
ウォックの言葉に、ティミーは首を横に振る。
「特殊では無いけれど、このロケットペンダント位しか......」
「ロケットペンダント?」
そう言うと、ティミーは自分の首に下げてあったロケットペンダントを外し、テーブルの上に置いた。
首から下げて服の中に隠れていたようで、ウォックは気付かなかったようだ。
「わぁ、綺麗~! これなぁに?」
「ロケットペンダントだよ。こう、ここを押すと写真が見れるようになってるの」
ヴェノルが興味津々に身を乗り出してロケットペンダントをマジマジと見る。
小さなボタンを押すと、小さな音を立てて蓋が開き、小さな赤子の写真が見れた。
「わぁ~! 可愛い!」
「あ、ありがとう。これ、多分私が赤ちゃんの頃の写真だと思うの。誕生日も刻まれているし...... 。私が捨てられていた時に一緒に置かれていた物なんだ」
「......そうか」
ロケットペンダントを見た感じ、シルバー製で出来たごく普通の物だ。
ウォックは更に首を傾げる。
(旅の道具以外に持ってる物もこれだけ。なら何故レンはティミーを......)
ウォックが考える前でティミーは大事そうにペンダントを握る。
その様子を見ていたマッドはティミーの頭に手を置き、そのままグシャグシャに撫でた。
「わわっ! ちょっとマッド! 何するの!」
「そんな暗い顔すんなって。大丈夫だ。レンはぜってー俺が倒すからよ」
マッドはティミーの頭をグシャグシャに撫でた手を肩に置き、ニカッと笑顔を見せる。
「それに、村を出たのだってこれ以上村の皆んなを傷付けたくなかったからだろ? 皆んな笑顔で見送ってくれたじゃねーか。 ティミーを邪険に思ってる奴なんていなかっただろ。だから居なければ良かった、なんて言うんじゃねぇ」
「マッド......」
「それによ。旅してりゃ、お前の両親にも会えるかもしれないぜ?」
マッドの言葉に、ティミーは顔を上げた。
マッドは更に微笑み、ティミーの肩を軽く叩く。
「どれだけ時間のかかる旅になるかは分からねぇけど、きっと会えるさ。そしたら、本当の事、聞けるんじゃねぇのか?」
「うん、そうだよね......! 会えたら、良いなぁ」
泣き止んだと思ったティミーの目から、再び涙が溢れた。
ティミーは慌てて涙を拭い、笑顔を見せる。
「ごめん、暗い事話しちゃって。でも、本当にレンがこれ以上村を襲って来ないように村を出た事に後悔はしていないから。どうして私を狙うのか、知りたいから。だから私は、旅を続ける。例え、この先に何が待ち受けていても」
ティミーの言葉に、マッドとウォックは満足そうに微笑んだ。
「勿論だ! ティミーは俺が護る。レンだってぶっ倒す! その為に村を出たんだからよ!」
「で、旅の知識も無知のまま飛び出して来た訳だな」
「何だとウォック! てめぇは一言余計なんだよ!」
「はいはい! ご飯だよ坊や達」
マッドがウォックに掴みかかろうとした時、丁度おばちゃんがご飯を持ってきた。
それぞれ頼んだ料理がテーブルの上に並べられ、それを見たヴェノルが大量の涎を垂らしつつソワソワし始める。
「やっとご飯だ~! 暗い話ばっかりだったからお腹ペコペコだよ~!」
「悪かったな、暗い話にして」
ウォックは何処となく少し不機嫌になりつつもヴェノルを軽く小突く。
料理が全て揃い、マッド達は食事の合図をすると其々のご飯を食べ始めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる