7 / 8
第七話 金色の目の男
しおりを挟む
低い唸り声が、響いた。
地鳴りのような、腹の底を震わせる音。
あの夜の街道で聞いたのと同じ――ルークの声だった。
カフェの奥から、銀白色の巨体がゆっくりと歩いてきた。
昼間に姿を見せたのは初めてだった。
人前に出てきたのも初めてだ。
町の人たちが悲鳴を上げて道を開けた。
ルークは誰にも目をくれず、アーシャの横を通り過ぎ、――まっすぐ、イレーネに向かって走り出した。
「きゃあああああっ! なっ、何よ、この獣――!」
イレーネが後ずさる。神官たちが剣を抜いた。
しかし、誰もルークを止められなかった。
ルークはイレーネの法衣の内側に刃をひっかけ、そのまま引き裂いた。イレーネがよろめく。
法衣の裏地から、何かが転がり出た。
黒い石だった。手のひらに収まるほどの、小さな石。
けれど石の中で、どす黒い光が脈打っている。見ているだけで背筋が泡立つような、禍々しい波動が――。
「――っ、返しなさいよ!」
イレーネの声が裏返った。清楚な仮面が砕けた、地の声だった。
取り繕うことすら忘れて、黒い石にイレーネは手を伸ばした。
しかし、素早くルークの前足が黒い石をとらえる。
「返して! それは私のものよ! それがなくなったら、私は――!」
イレーネの言葉に耳を傾けるそぶりも見せず――ルークの前足は、黒い石を踏み潰した。
「いやぁああああああああっ!!!!!」
イレーネが金切り声を上げた。もう、聖女の微笑みも、か弱い妹の演技も、何もかもが剥がれ落ちていた。
膝をつき、砕けた破片を必死でかき集めようとしている。尖った欠片が指を切り、血がにじんだが、それでも構わず、イレーネは破片を握りしめた。
町の人たちが、その姿を見ていた。
聖女の法衣を着たまま、地べたに這いつくばって黒い石の欠片にしがみつく女を。
「い、イレーネ様……?」
「なにぼさっと立ってんのよ!あんたたち、早くこの石を集めて、元に戻しなさい!こ、この石がなきゃ……私への贈り物も、称賛も、全部なくなるじゃない!」
アーシャは呆然と、そんな妹の姿を見ていた。
すると、アーシャの体の奥で、何かが弾けた。胸の中心から、光が溢れ出す感覚。
薄膜の向こう側にあった力が、一気に戻ってくる。
温かい。熱いくらいだ。ずっと感じていた力の薄さが嘘のように消えて、体中に本来の力がみなぎる。
――あぁ、そうか。奪われていたのだ。あの石に。
「そう。そういうことなのね……私の力を、ずっと奪っていたのね、イレーネ」
「だとしたらなによ!」
イレーネは、アーシャを睨みつける。もう聖女らしさを繕うことすら、やめていた。
「何が悪いのよ! お姉様はいいじゃない! 何の苦労もせずに、みんなに慕われて、聖女としてちやほやされる――それを少しもらっただけよ! 私がお姉様の力を使って聖女になって何がいけないの! どうせお姉様には、いくらでも特別な力があるんでしょう!」
むき出しの、醜い本音だった。
嘘泣きすらできていない。そこにあるのは、ただのむき出しの欲望と逆恨みだった。
これが、イレーネの本当の顔だったのだ。十二年間、ずっと。
ふと、アーシャは足元にぬくもりを感じた。
ルークだ。アーシャを支えるように、傍に寄り添ってくれている。
――そうね。いつもあなたは、あなただけは、私の傍にずっといてくれたね。
アーシャはしゃがんで、ルークの身体を抱きしめた。
聖女の力が体からあふれ出してくる。
触れたものの不調を正す力。それがアーシャの意思とは関係なく、波紋のようにルークにも伝わっていく。
――銀白色の毛が、金色の光に包まれた。
輪郭が揺らぐ。大きな狼の体が、光の中で形を変えていく。
光が収まったとき、狼の姿は消えていた。
そこに立っていたのは、銀髪の長身の青年だった。金色の目。端正な顔立ち。肩には銀白色のマントがかかり、胸元に紋章が刻まれている。
ウィンウッド辺境伯家の紋章だった。
「……やれやれ」
低い声だった。穏やかで、少し面倒くさそうで――あの、ルークが「ふん」と鼻を鳴らすときと同じ温度の声。
「もう少し静かに暮らせると思ったんだが、何だってこうも騒ぎ立てる者が出てくるんだ」
「ル……ルーク……?」
「ルークじゃない。本来の名は、イヴァン・ウィンウッド。ウィンウッド辺境伯……まぁ、元だな。半年前に何者かに呪いをかけられて狼にされていた」
イヴァンの金色の目が、地面に座り込んだままのイレーネに向けられた。
「呪いをかけられた身だから、呪物の気配には敏感でな。お前がずっと持っていたその石、アーシャの力を吸い取る呪物だ。大聖堂にいた頃から使っていたのだろう」
ざわざわと神官たちが騒ぎ出す中、イレーネの顔が歪んだ。血の滲む手で黒い粉を握りしめたまま、目だけが忙しなく左右に動いている。
逃げ道を探している。いつもそうだ。イレーネはいつだって、自分の非を認める代わりに、逃げる方法を探す。
しかし、今回はもう、全ての逃げ道が封じられていた。
「もう砕いた。だがお前がそれを使っていたことは、ここにいる全員が見ている」
イヴァンは群衆を見回した。
パン屋のおじさん、マーサ、腰痛のお爺さん、常連のおばさんたち――全員が、地面に這いつくばったイレーネを見ていた。
さっきまで聖女として優雅に微笑んでいた女が、地面で石の欠片にしがみついて金切り声を上げている。
もう、誰の目にも明らかだった。
「辺境伯の名にかけて保証する。アーシャ・フォーリスは、俺の呪いを解いた恩人だ。そして、本物の聖女だ。呪物で力を奪い、聖女を騙っていたのはそちらの方だろう」
イレーネは地面に座り込んだまま、動けなくなっていた。
法衣は汚れ、髪は乱れ、血の滲んだ手は黒い粉で汚れている。
聖女の仮面を剥がされた顔には、もう何の取り繕いも残っていなかった。
アーシャは、一歩前に出た。
イレーネを見た。地面に這いつくばって石の欠片を握りしめている妹を。
同情は、もう湧かなかった。
「何が悪いのよ」と言ったのはイレーネだ。姉の力を奪い、帳簿を改ざんし、十二年間を嘘で塗り固めて――それを「少しもらっただけ」と言い放った。
悪びれもせず、反省もなく――。
「イレーネ」
自分の声が、思ったより静かに出たことに驚いた。
言葉を選ぶ。十二年間、飲み込み続けてきた言葉。あの大聖堂の白い床の上で、口を開きかけて閉じた言葉。
「私は横領をしていない。帳簿を改ざんしたのは――イレーネ、あなたでしょう」
声は震えなかった。
イレーネの目が見開かれた。アーシャの口からこの言葉が出るとは思っていなかったのだろう。
正直、アーシャ自身も思っていなかった。
けれど、もう止まらなかった。
「十二年間、あなたのために黙っていた。妹だから。家族だから。あなたが困ると思ったから。でも、あなたは『何が悪いの』と言ったね。私の十二年を『少しもらっただけ』と」
イレーネの顔から、血の気が引いた。
「いい加減にして。もうあなたは妹でも、家族でも、何でもない――赤の他人よ」
それだけ言って、口を閉じた。
イレーネは何も言い返せなかった。
神官たちが慌てて駆け寄り、腕を引いて立たせた。イレーネはよろめきながら馬車に押し込まれた。自分の足で歩くことすらできていなかった。
馬車が、坂を下って去っていく。
店に静寂が戻った。残されたのは、アーシャと、元狼の辺境伯と、唖然としている町の人たち。
マーサがトビを抱いたまま、アーシャに駆け寄った。
「アーシャさん! 大丈夫? 怪我は?」
「大丈夫。大丈夫だよ、マーサさん」
「もう心配したんだから! 出ていくなんて言わないでよ!」
マーサの目が赤い。泣きそうな顔をしている。
――ああ、この人は、本気で心配してくれていたのだ。
「……ごめんなさい」
「謝らないで! アーシャさんはうちのトビの命の恩人なの。どこにも行かせないから!」
トビが小さな手を伸ばして、アーシャの指を握った。
ぎゅっと。小さくて、温かい手だった。
アーシャはイヴァンを見上げた。
銀髪に、金色の目。あの夜、月の光の下で見た銀の毛並みの色が、そのまま髪になっている。
「……あの」
「何だ」
「先ほども、それから、これまでも。助けてくれて、ありがとうございました」
「別に……。暖炉の前を借りていたからな」
「それと――ルークのときの方が、もふもふで好きだったんですけど、もう狼にはなれないんですか?」
イヴァンの金色の目が、一瞬だけ大きくなった。
それから、笑った。声を出して笑った。
「そう言われたのは初めてだ」
地鳴りのような、腹の底を震わせる音。
あの夜の街道で聞いたのと同じ――ルークの声だった。
カフェの奥から、銀白色の巨体がゆっくりと歩いてきた。
昼間に姿を見せたのは初めてだった。
人前に出てきたのも初めてだ。
町の人たちが悲鳴を上げて道を開けた。
ルークは誰にも目をくれず、アーシャの横を通り過ぎ、――まっすぐ、イレーネに向かって走り出した。
「きゃあああああっ! なっ、何よ、この獣――!」
イレーネが後ずさる。神官たちが剣を抜いた。
しかし、誰もルークを止められなかった。
ルークはイレーネの法衣の内側に刃をひっかけ、そのまま引き裂いた。イレーネがよろめく。
法衣の裏地から、何かが転がり出た。
黒い石だった。手のひらに収まるほどの、小さな石。
けれど石の中で、どす黒い光が脈打っている。見ているだけで背筋が泡立つような、禍々しい波動が――。
「――っ、返しなさいよ!」
イレーネの声が裏返った。清楚な仮面が砕けた、地の声だった。
取り繕うことすら忘れて、黒い石にイレーネは手を伸ばした。
しかし、素早くルークの前足が黒い石をとらえる。
「返して! それは私のものよ! それがなくなったら、私は――!」
イレーネの言葉に耳を傾けるそぶりも見せず――ルークの前足は、黒い石を踏み潰した。
「いやぁああああああああっ!!!!!」
イレーネが金切り声を上げた。もう、聖女の微笑みも、か弱い妹の演技も、何もかもが剥がれ落ちていた。
膝をつき、砕けた破片を必死でかき集めようとしている。尖った欠片が指を切り、血がにじんだが、それでも構わず、イレーネは破片を握りしめた。
町の人たちが、その姿を見ていた。
聖女の法衣を着たまま、地べたに這いつくばって黒い石の欠片にしがみつく女を。
「い、イレーネ様……?」
「なにぼさっと立ってんのよ!あんたたち、早くこの石を集めて、元に戻しなさい!こ、この石がなきゃ……私への贈り物も、称賛も、全部なくなるじゃない!」
アーシャは呆然と、そんな妹の姿を見ていた。
すると、アーシャの体の奥で、何かが弾けた。胸の中心から、光が溢れ出す感覚。
薄膜の向こう側にあった力が、一気に戻ってくる。
温かい。熱いくらいだ。ずっと感じていた力の薄さが嘘のように消えて、体中に本来の力がみなぎる。
――あぁ、そうか。奪われていたのだ。あの石に。
「そう。そういうことなのね……私の力を、ずっと奪っていたのね、イレーネ」
「だとしたらなによ!」
イレーネは、アーシャを睨みつける。もう聖女らしさを繕うことすら、やめていた。
「何が悪いのよ! お姉様はいいじゃない! 何の苦労もせずに、みんなに慕われて、聖女としてちやほやされる――それを少しもらっただけよ! 私がお姉様の力を使って聖女になって何がいけないの! どうせお姉様には、いくらでも特別な力があるんでしょう!」
むき出しの、醜い本音だった。
嘘泣きすらできていない。そこにあるのは、ただのむき出しの欲望と逆恨みだった。
これが、イレーネの本当の顔だったのだ。十二年間、ずっと。
ふと、アーシャは足元にぬくもりを感じた。
ルークだ。アーシャを支えるように、傍に寄り添ってくれている。
――そうね。いつもあなたは、あなただけは、私の傍にずっといてくれたね。
アーシャはしゃがんで、ルークの身体を抱きしめた。
聖女の力が体からあふれ出してくる。
触れたものの不調を正す力。それがアーシャの意思とは関係なく、波紋のようにルークにも伝わっていく。
――銀白色の毛が、金色の光に包まれた。
輪郭が揺らぐ。大きな狼の体が、光の中で形を変えていく。
光が収まったとき、狼の姿は消えていた。
そこに立っていたのは、銀髪の長身の青年だった。金色の目。端正な顔立ち。肩には銀白色のマントがかかり、胸元に紋章が刻まれている。
ウィンウッド辺境伯家の紋章だった。
「……やれやれ」
低い声だった。穏やかで、少し面倒くさそうで――あの、ルークが「ふん」と鼻を鳴らすときと同じ温度の声。
「もう少し静かに暮らせると思ったんだが、何だってこうも騒ぎ立てる者が出てくるんだ」
「ル……ルーク……?」
「ルークじゃない。本来の名は、イヴァン・ウィンウッド。ウィンウッド辺境伯……まぁ、元だな。半年前に何者かに呪いをかけられて狼にされていた」
イヴァンの金色の目が、地面に座り込んだままのイレーネに向けられた。
「呪いをかけられた身だから、呪物の気配には敏感でな。お前がずっと持っていたその石、アーシャの力を吸い取る呪物だ。大聖堂にいた頃から使っていたのだろう」
ざわざわと神官たちが騒ぎ出す中、イレーネの顔が歪んだ。血の滲む手で黒い粉を握りしめたまま、目だけが忙しなく左右に動いている。
逃げ道を探している。いつもそうだ。イレーネはいつだって、自分の非を認める代わりに、逃げる方法を探す。
しかし、今回はもう、全ての逃げ道が封じられていた。
「もう砕いた。だがお前がそれを使っていたことは、ここにいる全員が見ている」
イヴァンは群衆を見回した。
パン屋のおじさん、マーサ、腰痛のお爺さん、常連のおばさんたち――全員が、地面に這いつくばったイレーネを見ていた。
さっきまで聖女として優雅に微笑んでいた女が、地面で石の欠片にしがみついて金切り声を上げている。
もう、誰の目にも明らかだった。
「辺境伯の名にかけて保証する。アーシャ・フォーリスは、俺の呪いを解いた恩人だ。そして、本物の聖女だ。呪物で力を奪い、聖女を騙っていたのはそちらの方だろう」
イレーネは地面に座り込んだまま、動けなくなっていた。
法衣は汚れ、髪は乱れ、血の滲んだ手は黒い粉で汚れている。
聖女の仮面を剥がされた顔には、もう何の取り繕いも残っていなかった。
アーシャは、一歩前に出た。
イレーネを見た。地面に這いつくばって石の欠片を握りしめている妹を。
同情は、もう湧かなかった。
「何が悪いのよ」と言ったのはイレーネだ。姉の力を奪い、帳簿を改ざんし、十二年間を嘘で塗り固めて――それを「少しもらっただけ」と言い放った。
悪びれもせず、反省もなく――。
「イレーネ」
自分の声が、思ったより静かに出たことに驚いた。
言葉を選ぶ。十二年間、飲み込み続けてきた言葉。あの大聖堂の白い床の上で、口を開きかけて閉じた言葉。
「私は横領をしていない。帳簿を改ざんしたのは――イレーネ、あなたでしょう」
声は震えなかった。
イレーネの目が見開かれた。アーシャの口からこの言葉が出るとは思っていなかったのだろう。
正直、アーシャ自身も思っていなかった。
けれど、もう止まらなかった。
「十二年間、あなたのために黙っていた。妹だから。家族だから。あなたが困ると思ったから。でも、あなたは『何が悪いの』と言ったね。私の十二年を『少しもらっただけ』と」
イレーネの顔から、血の気が引いた。
「いい加減にして。もうあなたは妹でも、家族でも、何でもない――赤の他人よ」
それだけ言って、口を閉じた。
イレーネは何も言い返せなかった。
神官たちが慌てて駆け寄り、腕を引いて立たせた。イレーネはよろめきながら馬車に押し込まれた。自分の足で歩くことすらできていなかった。
馬車が、坂を下って去っていく。
店に静寂が戻った。残されたのは、アーシャと、元狼の辺境伯と、唖然としている町の人たち。
マーサがトビを抱いたまま、アーシャに駆け寄った。
「アーシャさん! 大丈夫? 怪我は?」
「大丈夫。大丈夫だよ、マーサさん」
「もう心配したんだから! 出ていくなんて言わないでよ!」
マーサの目が赤い。泣きそうな顔をしている。
――ああ、この人は、本気で心配してくれていたのだ。
「……ごめんなさい」
「謝らないで! アーシャさんはうちのトビの命の恩人なの。どこにも行かせないから!」
トビが小さな手を伸ばして、アーシャの指を握った。
ぎゅっと。小さくて、温かい手だった。
アーシャはイヴァンを見上げた。
銀髪に、金色の目。あの夜、月の光の下で見た銀の毛並みの色が、そのまま髪になっている。
「……あの」
「何だ」
「先ほども、それから、これまでも。助けてくれて、ありがとうございました」
「別に……。暖炉の前を借りていたからな」
「それと――ルークのときの方が、もふもふで好きだったんですけど、もう狼にはなれないんですか?」
イヴァンの金色の目が、一瞬だけ大きくなった。
それから、笑った。声を出して笑った。
「そう言われたのは初めてだ」
45
あなたにおすすめの小説
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
2026.1月24日より連載版投稿開始しました❗️
婚約破棄されたので、隠していた聖女の力で聖樹を咲かせてみました
Megumi
恋愛
偽聖女と蔑まれ、婚約破棄されたイザベラ。
「お前は地味で、暗くて、何の取り柄もない」
元婚約者である王子はそう言い放った。
十年間、寡黙な令嬢を演じ続けた彼女。
その沈黙には、理由があった。
その夜、王都を照らす奇跡の光。
枯れた聖樹が満開に咲き誇り、人々は囁いた。
「真の聖女が目覚めた」と——
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
有賀冬馬
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる