まとめて愛せるよう善処します!!!

椎奈 あおい

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フェロモン

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「ご、ごめんなさい?!?!」


銀さんは声を発さず、
少し戸惑いながら私と緑さんを
キョロキョロと見ていた。


いきなり拒絶されて少し悲しい半面
初対面なのに失礼な態度にイラついた。


と思ったのに緑さんをよく見れば
顔がすごく赤い....
何で?と思ったら緑さんが口を開いた。


緑「す、すみません、その予言には補足があって...予言の女子からはフェロモンが定期的に放出するらしく、嗅覚が鋭い狼種族としてはかなりキツい刺激になる。離れていてもやはり匂いを感じるのか普段は耳や尻尾などは出ていませんからね。」


(へぇー...?!?こんな私からフェ、フェロモンが出てるの?!て事は、最初からみんなフェロモンの匂いがして興奮してケモ耳尻尾出ちゃってたってこと?!)



子孫繁栄の為、付与されたスキルみたいなものなのだろうか。
でもそんなこと言ったらこの世界は狼しかいないのにどう生きるの?!?!


そう思っていたら

赤「そ、その出ているフェロモンを嗅いで来る別の群れの狼種族がいるので、私たちはマーキングをしないと行けません...」


赤さんが少し離れたところでボソボソと
赤くなりながら話している。
そう言えばみんな距離が遠くなってっている...


ーーん???


「マーキングって、あの動物が匂いをつけるために体をこすったり体液をつけるあの行為ですか?!」


ウンウンと、みんなが頷く。



緑「ですが、私達は狼種族。序列順にマーキングを行うと決まっているので、最初は銀、私、黄、赤の順に行うことになるでしょう。」


と、緑さんなりに教えてくれたが



え、え、守ってくれようとして
マーキングしてくれるのは有難いのだけど、
話は淡々と進んで私が皆の奥さん(?)になる前提で
話してるけど大丈夫?!?!



戸惑っていたら銀さんと目が合い、
優しーく微笑んでくれた...
そう言えば皆少女漫画のイケメンより
かなりのイケメンなんだよな....
そんな人達に私なんかで大丈夫なんだろうか...
相変わらず銀さん話してくれないし...


そう思って銀さんの顔を不思議そうに見ていたら
黄さんが声をかけてきた。


黄「銀の顔見てどうしたの?早速惚れちゃった?」


ニヤニヤしながら黄さんは悪戯げに私に問う。
その期待を裏切ってしまって悪いが、
質問返しをしてみよう。


「何で銀さんは一言も話さないのかなって...」



そう言った瞬間周りは静まり返る。



黄「銀はね、話せないんだ...前に戦った群れの長が呪いをかけてね...それも愛する者とのキスじゃないと解けないらしく、この世界だと雌がいない。一生話せない前提でかけた呪いだよ。」



黄さんが空気を察して優しく教えてくれた。


不味いことを聞いてしまった感がすごい...
それにしても呪いまである世界。
そして銀さんがそんな呪いをかけられているなんて、聞きたかった反面すごく申し訳ない気持ちでいっぱいだ。



黄「まぁ、君がその愛する者になった時に解けると思うよっ!!!!」



黄さん....絶対言うと思った....
まだほんの数時間だけど
黄さんの性格がわかってきた....





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