4 / 7
#2_2
しおりを挟む後日気がついたこと。
私には不思議な力があるみたい。
友達に、これやって、って言うと本当にやってくれるし、先生に冗談で、テスト100点にして、なんて言うと本当に100点にしてくれるし、病院の人に「ここから出して欲しい」って言ったら、傷が全然治ってないのに退院しちゃったし。
彼だって、ずっと私のそばに居てくれた…
この力、なんてステキなんだろう!
でも、喉が痛むから、使いたい時に使うようにしてる。
退院した2日後。霧雨が降っていた。
「ずっと、一緒に居てくれない?」
なんて言ったら。
「…この前、言っただろ。もっと相応しい人間が君には居るって。」
「この前はそばに居てくれたのに。
「いや、だからな、ほら……」
「…あれ、どうしたの?」
「いや…なんだか変な感じが…してな…頭が…ちょっと痛くて。」
「え?大丈夫?」
「…あ………まあ…特に問題は…無い…」
魁斗君が苦しんでいる…どうしたんだろう。救急車とか呼んだ方が…
「その必要は…ない」
「え?」
「…いや、なんでもない……そんなことより…もう帰った方が…いいんじゃないか?冷えるだろ…こんなとこ居ると…」
「魁斗君だって…」
顔色が悪い。早く、家に送らないと。
「家には送らなくていい」
「え、今私そんなこと言ってな…」
「あ………えっと、いや、なんでもない…早く、帰ろう、な、早く……」
そういうと、彼は…
「気が変わった。」
と言って、
「お前について行く」
そう告げて、倒れた。
あの時は、無理言いすぎたなぁ。
でも、あの頃が一番良かった。
彼が消えてから、おおよそ2年は経つと思う。
2年前、私は不死身になれる方法を知った。それを手に入れようとした。けれど…
「そう簡単には上手くいかないよね。なんて」
私の目の前には、彼のお友達がいる。臆病だけど、やる時はやりすぎなくらい、やってくれる。
力を使って、その子を手に入れようとしてみた。
「私の言うこと、聞いて欲しいんだけれど…」
「え…えっと…いや、やっぱり無理ですよ。そんなこと出来ません…あいつに、また出会うなんて…想像するだけで…」
「なーんで?」
「いや…ちょっと怖くて…確かに、優しいんだけど、やっぱり、なんだかそばに居ると怖くて。あんまり会いたくないっていうか。」
「彼も会いたがってるかもよ?」
「そんな…そんなことないですよ、きっと」
「…お願い。」
「………………そこまで言うなら…分かりました。」
これで、やっとご対面できる。2年振りだね。魁斗君。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる