Dark past

sasanoha

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 後日気がついたこと。
 私には不思議な力があるみたい。

 友達に、これやって、って言うと本当にやってくれるし、先生に冗談で、テスト100点にして、なんて言うと本当に100点にしてくれるし、病院の人に「ここから出して欲しい」って言ったら、傷が全然治ってないのに退院しちゃったし。

 彼だって、ずっと私のそばに居てくれた…
 この力、なんてステキなんだろう!
 でも、喉が痛むから、使いたい時に使うようにしてる。




 退院した2日後。霧雨が降っていた。
 「ずっと、一緒に居てくれない?」

 なんて言ったら。

 「…この前、言っただろ。もっと相応しい人間が君には居るって。」

 「この前はそばに居てくれたのに。

 「いや、だからな、ほら……」


 「…あれ、どうしたの?」

 「いや…なんだか変な感じが…してな…頭が…ちょっと痛くて。」

 「え?大丈夫?」

 「…あ………まあ…特に問題は…無い…」

 魁斗君が苦しんでいる…どうしたんだろう。救急車とか呼んだ方が…

 「その必要は…ない」

 「え?」

 「…いや、なんでもない……そんなことより…もう帰った方が…いいんじゃないか?冷えるだろ…こんなとこ居ると…」

 「魁斗君だって…」

 顔色が悪い。早く、家に送らないと。

 「家には送らなくていい」

 「え、今私そんなこと言ってな…」


 「あ………えっと、いや、なんでもない…早く、帰ろう、な、早く……」


 そういうと、彼は…

 「気が変わった。」

 と言って、

 「お前について行く」


 そう告げて、倒れた。





 あの時は、無理言いすぎたなぁ。
 でも、あの頃が一番良かった。
 彼が消えてから、おおよそ2年は経つと思う。

 2年前、私は不死身になれる方法を知った。それを手に入れようとした。けれど…


 「そう簡単には上手くいかないよね。なんて」


 私の目の前には、彼のお友達がいる。臆病だけど、やる時はやりすぎなくらい、やってくれる。

 力を使って、その子を手に入れようとしてみた。

 「私の言うこと、聞いて欲しいんだけれど…」

 「え…えっと…いや、やっぱり無理ですよ。そんなこと出来ません…あいつに、また出会うなんて…想像するだけで…」

 「なーんで?」

 「いや…ちょっと怖くて…確かに、優しいんだけど、やっぱり、なんだかそばに居ると怖くて。あんまり会いたくないっていうか。」

 「彼も会いたがってるかもよ?」

 「そんな…そんなことないですよ、きっと」

 「…お願い。」

 「………………そこまで言うなら…分かりました。」


 これで、やっとご対面できる。2年振りだね。魁斗君。
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