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さて、俺は今、とても混乱している。
俺は復讐屋で、
依頼の手紙には、俺の名前が、復讐相手として書いてあって、それで、依頼人は俺の友人。
訳が分からない。
「…何か、思い当たることある?」
西崎が俺に聞く。
「……ある。」
「何やったの?」
「何かやったような…気がしなくもないような…」
「誤魔化さないでよ?」
「誤魔化してないんだ。本当に…」
思い当たることといえば、何度も思い出す、あの火事の光景。
あれは、俺がやった事なのだろうか…?
「…正直、なんでこんなもんが来たのか分からない。」
「依頼金、受け取った?」
「……………あ、そういえば…渡される前に、何か言われたような……?」
「えー、、ちょっと確認して来るよ。」
西崎は走り去って行った。
…思い出した。確認する必要なんて無い。絶対金なんて受け取っていないのだから。
「お金は渡したわ。受け取ったよね?あと、依頼の中身は一旦忘れて。」
「………………………………ああ。」
また出会ってしまうとはな。
「誰?」
その時、西崎が呟いた。
「ああ…やっと出逢えたね。」
あれは……滝根 純。あいつが、こちらへゆっくりと歩み寄ってくる。
「何しに来たんだ?」
「いや、お金も払ってなかったから。今払いに来たんだ。久しぶりだね、魁斗。」
出会うのは3年振りだ。
「よく俺の事が分かったな。どうやって知った?」
「どうやってって……」
「なるほど。あの人に依頼しろって言われたんだな?」
「……よくわかったね…」
おおよそ予想はつくが………
「何が目的だ?」
「いや…普通に、依頼がちゃんとこなせてるか、依頼者として確認しに来たのさ。」
これは流石に、西崎も嘘だと見抜けたようだ。
「その目…流石に見苦しいよ。嘘はつかない方がいいと思う。」
「やっぱりバレちゃうよね。ごめんごめん。それでやりたかったことっていうのは…」
「…今は忙しいんだ。また今度にしてくれるか?」
「会話が成立しないなぁ。ま、いいよ。今忙しいのは分かった。けど…」
「西崎!!!」
その瞬間、西崎の喉元から血が飛び出た。純は鋭利な刃物を持っていた。
「ひとつ、試したい事があったからね。こうやっても本当に死なないのかな?」
「お前、ここまで……!」
「あれ、パートナーが殺された割にはよく落ち着いてるね。どうしてだろう?やっぱり……」
西崎は不死身だから。
やはり知られていた。
しかしそんなことを確かめるために…
ここまでやってくるということは…
「彼女も来てるんだな?」
「随分優しい言い方だね。やっぱり、君にはこんな仕事向いてない。辞めちゃえば?」
「質問を質問で返すな」
「ごめんごめん。今はまだ来てないよ。でも、少し考えてくれないかな?多分、あの人も喜ぶと思うから。」
そんなこと、思ったこともなかった。
西崎が心配だ。さっさと帰ってもらおう。
「……次はお前に復讐するからな」
「ふふ…ところで、この依頼はちゃんとやってくれるかな?」
「そんなことは後でいい」
「そっか。じゃ、またね」
そう言って、消えてしまった。
あいつは透明な壁を作る変な力を持っている。自分を透過させる物も作れるらしい。
面倒な力だ。
俺は倒れていた西崎に顔を向けた。
「魁斗?大丈夫?」
「……そっちこそ…なんでそんな平気そうなんだ。」
「もう回復したし…全然問題ないよ。」
相変わらず…変に心配をする必要は無さそうだ。
その時、俺は後ろから首を掴まれた。
「やっぱ、連れてった方がいいよね。」
「ちょ…ちょっと!どこ行くの!?」
く、苦しい……必死に抵抗した。が…
なんだか意識が……
「待って!」
沈んでいくような……………
「えっ…魁斗!魁斗ッ!!!!」
透明になって……
体も意識も…………どこかに………消え……た………………
俺は復讐屋で、
依頼の手紙には、俺の名前が、復讐相手として書いてあって、それで、依頼人は俺の友人。
訳が分からない。
「…何か、思い当たることある?」
西崎が俺に聞く。
「……ある。」
「何やったの?」
「何かやったような…気がしなくもないような…」
「誤魔化さないでよ?」
「誤魔化してないんだ。本当に…」
思い当たることといえば、何度も思い出す、あの火事の光景。
あれは、俺がやった事なのだろうか…?
「…正直、なんでこんなもんが来たのか分からない。」
「依頼金、受け取った?」
「……………あ、そういえば…渡される前に、何か言われたような……?」
「えー、、ちょっと確認して来るよ。」
西崎は走り去って行った。
…思い出した。確認する必要なんて無い。絶対金なんて受け取っていないのだから。
「お金は渡したわ。受け取ったよね?あと、依頼の中身は一旦忘れて。」
「………………………………ああ。」
また出会ってしまうとはな。
「誰?」
その時、西崎が呟いた。
「ああ…やっと出逢えたね。」
あれは……滝根 純。あいつが、こちらへゆっくりと歩み寄ってくる。
「何しに来たんだ?」
「いや、お金も払ってなかったから。今払いに来たんだ。久しぶりだね、魁斗。」
出会うのは3年振りだ。
「よく俺の事が分かったな。どうやって知った?」
「どうやってって……」
「なるほど。あの人に依頼しろって言われたんだな?」
「……よくわかったね…」
おおよそ予想はつくが………
「何が目的だ?」
「いや…普通に、依頼がちゃんとこなせてるか、依頼者として確認しに来たのさ。」
これは流石に、西崎も嘘だと見抜けたようだ。
「その目…流石に見苦しいよ。嘘はつかない方がいいと思う。」
「やっぱりバレちゃうよね。ごめんごめん。それでやりたかったことっていうのは…」
「…今は忙しいんだ。また今度にしてくれるか?」
「会話が成立しないなぁ。ま、いいよ。今忙しいのは分かった。けど…」
「西崎!!!」
その瞬間、西崎の喉元から血が飛び出た。純は鋭利な刃物を持っていた。
「ひとつ、試したい事があったからね。こうやっても本当に死なないのかな?」
「お前、ここまで……!」
「あれ、パートナーが殺された割にはよく落ち着いてるね。どうしてだろう?やっぱり……」
西崎は不死身だから。
やはり知られていた。
しかしそんなことを確かめるために…
ここまでやってくるということは…
「彼女も来てるんだな?」
「随分優しい言い方だね。やっぱり、君にはこんな仕事向いてない。辞めちゃえば?」
「質問を質問で返すな」
「ごめんごめん。今はまだ来てないよ。でも、少し考えてくれないかな?多分、あの人も喜ぶと思うから。」
そんなこと、思ったこともなかった。
西崎が心配だ。さっさと帰ってもらおう。
「……次はお前に復讐するからな」
「ふふ…ところで、この依頼はちゃんとやってくれるかな?」
「そんなことは後でいい」
「そっか。じゃ、またね」
そう言って、消えてしまった。
あいつは透明な壁を作る変な力を持っている。自分を透過させる物も作れるらしい。
面倒な力だ。
俺は倒れていた西崎に顔を向けた。
「魁斗?大丈夫?」
「……そっちこそ…なんでそんな平気そうなんだ。」
「もう回復したし…全然問題ないよ。」
相変わらず…変に心配をする必要は無さそうだ。
その時、俺は後ろから首を掴まれた。
「やっぱ、連れてった方がいいよね。」
「ちょ…ちょっと!どこ行くの!?」
く、苦しい……必死に抵抗した。が…
なんだか意識が……
「待って!」
沈んでいくような……………
「えっ…魁斗!魁斗ッ!!!!」
透明になって……
体も意識も…………どこかに………消え……た………………
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