BL異世界溺愛シリーズ『異世界ルーヴル』

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【第五章 辺境伯爵令息は婚約者である王子殿下を溺愛する】

お見舞い※

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 次の日からレオンハルト様は、お見舞いに美味しいフルーツや花を毎日贈ってくれた。


 お見舞いに来るたびに私の顔色を窺い、頭を撫でながら熱がないか測ってくれる。レオンハルト様は私を見つめると、額にキスをした。


「え?」


 感染症の話は聞いていたのかな……。横目でレオンハルト様の顔を見たが、微笑まれてしまった。私はため息をつくと、気を取り直して病人のふりを続けたのだった。



※※※※※



 城へ来てから2週間が過ぎていた。お店が心配になってきた私は、トルネスさんと相談して元気になったということにして、レオンハルト様に辺境伯爵領へ帰っていただくことにした。


 帰る日の2日前、レオンハルト様が挨拶に来ると、私もお見舞いのお礼を言った。トルネスさんに呼ばれたメイドが部屋から出て行くと、空間に歪みが出来て周りに静けさが広がった。


「悪いが、結界を張らせてもらった。防御と防音だ。だから、助けを呼んでも誰も来ない」


「レオンハルト様、何を……」


「俺が気がつかないとでも思ったのか?」


「へ?」


「お前は、誰だ? 何を隠している?」


「何を言っているのです?」


 私はベッドの端まで追い詰められ、彼に押し倒されていた。


「ここまで来たら逃げられないぞ。さあ、どういうことか説明してもらおうか」


 彼はベッドに乗り上がると、私に覆いかぶさり、顔を近づけてきた。


「私は、ただっ──頼まれただけなんです」


「頼まれた?」


「はい。最初から説明させていただきます」


 私は店に現れたトルネスさんが私を殿下と勘違いしたところから、城に来るまでの経緯をレオンハルト様へ話した。ここまで来たら、もうさすがに隠せないと思ったのだ。


「では、お前は王家とは関わり合いがないのだな。それでは何故……」


「どうかされたのですか?」


「いや、なんでもない」


 レオンハルト様は口元を押さえると、思案していた。


「なぁ……。明日、帰る前に街へ一緒に出かけないか?」


「それが黙っていることの、交換条件ということでしょうか?」


「交換条件? まあそうかな」


「分かりました。明日は、出かける準備をしておきます」


 レオンハルト様が部屋から出ていくと、トルネスさんを呼び、ばれてしまったことを詫びた。それから、交換条件で明日は一緒に出かけるという話もした。


「なんでまた、そんな事に──危険などは、ありませんか?」


「危険? いえ、大丈夫だと思いますが……」


「何か企んでいる可能性がありますからね。用心するに越したことはないでしょう。備えあれば憂いなしです」


 トルネスさんはそう言うと、私に薬瓶を渡した。


「アルファやオメガ性の方が使う抑制剤です。万が一のことがあれば、お使いください」


「ありがとうございます……」


 私はβベータだったが、何があるか分からないとも思い、ありがたくその薬をもらうことにしたのだった。


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