BL異世界溺愛シリーズ『異世界ルーヴル』

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【第五章 辺境伯爵令息は婚約者である王子殿下を溺愛する】

王都でデート

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 外で会うレオンハルト様は、より一層輝いて見えた。風に吹かれた金髪をかき上げるその姿は、絵本に出てくる王子様そのものだった。歩道から若い女性達の黄色い歓声が聞こえる。その様子に、私は若干引いていた。距離を空けて歩けば護衛に見えないこともないだろう。


 仕立て屋の店の前まで来ると、レオンハルト様は私の手を引いて店の中へ入った。その仕草に少し戸惑ってしまったが、マナーは、商人として城に呼ばれることもあるかもしれないからと、小さい頃に母から教わっていた。


 私をエスコートしながら、レオンハルト様はオーダーメイドのフォーマルウェアを一式注文した。店主との話を聞いていて気づいたのだが、どうやら私の礼服らしい。


「あの、私にはお金が……」


 私が言い淀むと、彼は手を挙げて私の言葉を制するように言った。


「昨日の詫びだ。君は頼まれただけなのに、乱暴なことをしてすまなかった」


「いえ、お気になさらず――あの、ありがとうございます」


「気にするな……」


 恥ずかしかったのか、レオンハルト様は顔を背けていた。


「次、行くぞ」


「は、はい」


 次に向かったのは宝石店だった。ブルーダイヤモンドのペンダントを既に注文していたのか、レオンハルト様は店員から宝石を受け取ると私に手渡した。


「これも、詫びだ」


 (こんな高価なものを私に?)


 ――そう思っていると、レオンハルト様は私に向かって言った。


「後ろを向いて」


「えっ? あ、はい」


 私が後ろを向くと、目の前にペンダントがぶら下がり、胸元に着地した。どうやら、ペンダントをつけてくれたらしい。つけてもらってから、さすがにいらないとは言えなかった。


「ありがとうございます。嬉しいです」


 私が感謝の意を込めて微笑むと、レオンハルト様は再び顔を赤くし、顔を背けた。


「すまない。どういったものが喜ばれるのか分からなかったから、ありきたりのプレゼントになってしまった」


 ダイヤモンドがありきたり──私は貴族のありきたりに目眩がしそうだった。


「いえ、そんな……。ありがとうございます」


「はじめてのデートで、勝手が分からなかったんだ。許してくれ」


 そう言ったレオンハルト様は、私の手を持ち上げて指先にキスを落とした。


(デート? デート? デートだったのか、これ)


 今更ながら気づいた私は、心の中で絶叫した。いや、そうだよな。婚約者という設定だったもんな──私は目を白黒させると顔を赤くしながら言った。


「私もはじめてのデートで……。私の方こそ、至らない点ばかりで申し訳ありません。綺麗な宝石。レオンハルト様の瞳と同じ色ですね。大切にします」


 私が宝石を手に取りながらそう言うと、レオンハルト様は何故か機嫌が良くなり、観光を楽しまれたのだった。


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