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【第五章 辺境伯爵令息は婚約者である王子殿下を溺愛する】
知らされた真実※
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ノックの音に目が覚めて、ドアを開けるとそこにはレオンハルト様が立っていた。
「どうされたのですか?」
「……婚約者へ就寝の挨拶をするのは、おかしいだろうか?」
「いえ、そんな事は──ただ、私はハリス殿下ではありませんし……」
「その事なんだが、少し話がある。中へ入ってもいいか?」
「……どうぞ」
こんな夜更けに何の話だろう? 私は不思議に思いながらも、レオンハルト様を応接スペースにあるソファへ案内した。
「ああ、そうだ。これを……」
レオンハルト様の手にはオレンジ色のバラの花束が握られていた。私は受け取ると礼を言い、花瓶に花を活けた。
「きれいですね」
「君のほうが綺麗だ」
振り向くと、レオンハルト様はソファから立ち上がって、私の横に立っていた。ゼロ距離で見つめられ、息が出来なくなってしまう。
「あの、私は雑貨屋の店主で……」
「知っている。私の側近に調べさせた。君の素性もね」
「それなら……」
「やられたな。ハリス殿下に謀られたんだよ」
「?」
「君は間違いなく、ハリス殿下の双子の片割れだよ。亡くなったと聞いていたけれどね」
「何を言って……」
「これが証拠さ」
レオンハルト様は私を抱き寄せると、私の上着をめくり、肩と背中の間を指で押した。レオンハルト様の手が素肌に当たる感触に、そこにかさぶたみたいなものがあることに気がついた。
「王家の紋章さ。王族の子はさらわれることもあるから、成人するまでは肌に魔術刻印をつけるんだよ。知らなかっただろう?」
「まさか……。私の父と母は、確かに平民でした。私が王子であるはずがありません」
「それなんだ。ハリス殿下の母上は既に亡くなっているが、隣国から嫁いできた花嫁でね。隣国の風習で双子が生まれたら、災が起きるという言い伝えがあったらしくて──その事を気に病んだ王妃様は、ハリス殿下の兄である君を処分しようとしたんだ」
私は本当に自分自身の話なのか、半信半疑のまま話を聞いていた。
「本来なら2番目に生まれた子を処分するはずが、君がオメガ性だという理由だけで、処分対象にされてしまったんだ」
「え? 何を言っているんですか? 私はβですよ」
「それが──どういうわけか、君は呪いを掛けられている。今日採寸したときに、背中を見せてもらったんだが、魔法陣が小さく描かれていた。成人した後、婚約者や好きな人が現れるまで発情しないという、呪いの魔法陣が描かれていた。誰が何のために描いたのかは、さすがに分からないけれど……」
「婚約者? まさか……」
「君は私の本当の婚約者ではなかった。だから、私と一緒にいても大丈夫だったんだろう。君の母親は18年前まで、王妃の専属メイドだったという記録が残っている。でも何故か、君が産まれた後に姿を消してしまっていた」
「……」
私はレオンハルト様の話を聞くうちに、自分が置かれている立場が、危ういものではないかと思い始めていた。
「こんなに綺麗な男性がβな筈はない」
レオンハルト様は私の顎を掴むと、近距離で私を見つめていた。
「やめてください。んっ……」
レオンハルト様は唇を重ね合わせるようにキスをすると、私に覆いかぶさるように抱きしめてきた。
「私と結婚してくれないか?」
「どうされたのですか?」
「……婚約者へ就寝の挨拶をするのは、おかしいだろうか?」
「いえ、そんな事は──ただ、私はハリス殿下ではありませんし……」
「その事なんだが、少し話がある。中へ入ってもいいか?」
「……どうぞ」
こんな夜更けに何の話だろう? 私は不思議に思いながらも、レオンハルト様を応接スペースにあるソファへ案内した。
「ああ、そうだ。これを……」
レオンハルト様の手にはオレンジ色のバラの花束が握られていた。私は受け取ると礼を言い、花瓶に花を活けた。
「きれいですね」
「君のほうが綺麗だ」
振り向くと、レオンハルト様はソファから立ち上がって、私の横に立っていた。ゼロ距離で見つめられ、息が出来なくなってしまう。
「あの、私は雑貨屋の店主で……」
「知っている。私の側近に調べさせた。君の素性もね」
「それなら……」
「やられたな。ハリス殿下に謀られたんだよ」
「?」
「君は間違いなく、ハリス殿下の双子の片割れだよ。亡くなったと聞いていたけれどね」
「何を言って……」
「これが証拠さ」
レオンハルト様は私を抱き寄せると、私の上着をめくり、肩と背中の間を指で押した。レオンハルト様の手が素肌に当たる感触に、そこにかさぶたみたいなものがあることに気がついた。
「王家の紋章さ。王族の子はさらわれることもあるから、成人するまでは肌に魔術刻印をつけるんだよ。知らなかっただろう?」
「まさか……。私の父と母は、確かに平民でした。私が王子であるはずがありません」
「それなんだ。ハリス殿下の母上は既に亡くなっているが、隣国から嫁いできた花嫁でね。隣国の風習で双子が生まれたら、災が起きるという言い伝えがあったらしくて──その事を気に病んだ王妃様は、ハリス殿下の兄である君を処分しようとしたんだ」
私は本当に自分自身の話なのか、半信半疑のまま話を聞いていた。
「本来なら2番目に生まれた子を処分するはずが、君がオメガ性だという理由だけで、処分対象にされてしまったんだ」
「え? 何を言っているんですか? 私はβですよ」
「それが──どういうわけか、君は呪いを掛けられている。今日採寸したときに、背中を見せてもらったんだが、魔法陣が小さく描かれていた。成人した後、婚約者や好きな人が現れるまで発情しないという、呪いの魔法陣が描かれていた。誰が何のために描いたのかは、さすがに分からないけれど……」
「婚約者? まさか……」
「君は私の本当の婚約者ではなかった。だから、私と一緒にいても大丈夫だったんだろう。君の母親は18年前まで、王妃の専属メイドだったという記録が残っている。でも何故か、君が産まれた後に姿を消してしまっていた」
「……」
私はレオンハルト様の話を聞くうちに、自分が置かれている立場が、危ういものではないかと思い始めていた。
「こんなに綺麗な男性がβな筈はない」
レオンハルト様は私の顎を掴むと、近距離で私を見つめていた。
「やめてください。んっ……」
レオンハルト様は唇を重ね合わせるようにキスをすると、私に覆いかぶさるように抱きしめてきた。
「私と結婚してくれないか?」
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