【R18】蜜を求める人魚姫

ロマネスコ葵

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5 天然……? ※GL注意

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「うっ……ぐす、ぐすんっ、うっうっ……」
「も、も~やだ、リリアったらぁ」

 泣かれるとあたしの声量もどんどん力が無くなっていく。
 こういう時、涙ってズルいなってつくづく思う。
 人差し指で、そーっとリリアの涙を拭うと、リリアはこれ以上に涙を溢れさせた。

「あぁ、もう……」

 心がむず痒くなってくる。
 しょうがないわね……。

「……リリア」
「んぅ……??」
「仲直りのキスしましょ? あたしが気持ちよくしてあげる!」
「っふえ……!?」

 あたしよりも圧倒的に小柄なリリア。そんなリリアをギュッと両手で包み込み、額を合わせて唇を奪う。

「ふっ、んっ……!?」
「ほら、舌だして……」

 リリアが塞いだ唇をそっと開き、小さな舌を差し出してくる。あたしはそれに応えてあげようと舌を差し込む。

「ひゃうっ……んっ……うっ……リ……リれラ……ひゃ、まっ……」

 チロチロ……っとした舌が一生懸命にあたしのペースに合わせて絡めてこようとする。健気で可愛い。……けど、こういうのじゃ、ないのよねぇ……。
 ぴくん、ぴくんと小さく弾ける体。可愛くて守ってあげたくなっちゃう……って気持ちも無くはないし、あたしで気持ちよくなってるリリアに興奮を感じる事も無くはない。
 けど、何だか違うような……?

「は……はっ……」

 呼吸を整えるのも困難な状態なリリア。平らな胸から高鳴っている鼓動が伝わってくる。
 
「んっ……リリア、ちょーっと興奮し過ぎじゃない……?」
「だ、だってぇ……」

 泣き腫らして、尚且つトロンとした表情とは裏腹に、ピンクと水色のグラデーションの尾びれはしっかりと喜びの舞のように左右に振り続けている。

 ――――リリアは分かってる。自分が泣けばあたしは必ず慰めようと必死になる事を。そしてリリアはキスが大好きだから、それをあたしも知っているから泣けばキスしてくれるだろうって思ってるんだ。
 何気に計算高い娘な気がする……。年齢は対して変わらないのに!

「リベラ様の事が大好きなリリアなんです……これから人間に盗られると思うと辛くてしんどくて」

 唇から離れた後に、リリアは目を擦りながらグズグズと鼻を啜らせている。
 
「人間ったって……ここの男達はなんか冴えなくて、ただ優しい人しかいないんだもの」
「そ、それはぁ人魚姫マーメイド達は優しく頼もしい王子様的なキャラが人気だからですよぅ。だから男達も振る舞いを変えてるだけです」
「ふーん……そうかしら。ま、もうどうだっていいけど」
「リ、リベラ様……!」
「あたしを止めるなんて無理! そんなに嫌ならリリアも人間になってあたしについてくればいいじゃない」
「っえ……?? り、リリアもですか……!?」

 慌てふためくリリア。自分はリベラしか好きじゃないのに、好きじゃないのに! 好きじゃないのにー! と呪文を唱えるように何度も同じ事を吐き出している。
 
「でもリベラ様がそこまで言うなら人間になりたいリリアです……」
「……んー」

 こういう時は何故か話が早いリリア。リリアはあたしの胸の中に蹲ってスリスリと自分の頬を擦りつけている。んー、冗談で言ったんだけどな。リリアまで理想の体を手に入れて人間になっちゃったら、あたしの敵が増える。

「でもでも、どうやって人間になれるのですか??」
「人間の精を体内に取り込めばいいって聞いたわ」
「せっ……!?」
「……うん?」
「そ……そしたら……その……えーと……男の人から、精子を頂くという事ですよね……」
「え?? 精子??」

 人の精って、精子の事だったの??
 あたしはてっきりキスして唾液を貰うか、汗でもいいのかと思っていた。
 人の体液――いや、精子も体液か。そっか、だから変な男三人組も、白いミルクがどうとかほざいてたんだわ……!!
 
「精って、精子の事だったのね……」
「ど、どっからどう考えてもそおじゃないですかっ!! リベラ様はお姉さん風を装ってますけど、ほんっとに昔からどっか抜けてますよねぇ……むぅ」

 リリアは頬を膨らませる。
 にしても、どうやって得るべきか。あの三人組なら、コロッと寄こしてくれそうだったけれど。――でも、どうせなら最初くらい好きな人からがいいな……。
 
「んー……リリア……。好きな人から精子を貰うなら、どうすればいいと思う?」
「っえ……!? す、好きな人から? え、えーとえーと……リリアはかれこれ生まれて十八年、お付き合いなど経験がありませんし」
「精子貰うために付き合うとか必要?」
「んえっ!? な、な、まさか、付き合わずに精子を貰おうとしてるのですか!?」
「だって、付き合えるか分かんないし……」
「…………ふぅーーーー、いいですか。リベラ様?」

 リリアは深呼吸をして、先程とは真逆にわなわなとした表情に代わる。
 忙しい娘。あたしのせいだけど……。

「まずですね、そういった行為は変な奴が相手でない限り、段階があるんです! 知り合ってから徐々にお互いを知ってですね、恋愛関係になってからそういうエッチな事をするんです……」

 恋愛関係になってから、か……。
 互いに気持ちよければ何でも良いってわけではないのね。
 
「ふーーん……そう。あんまり、ピンと来ないけど……」
「で、でしょうね!! リベラ様は男に不自由なく生きていましたもの! どんな男でも段階など気にせず、男はリベラ様が気に入って下されば何でもしてきましたものね! はう……リリアも同じようなもんですが……」
「んー…………あっ!!」

 良いアイデアが浮かんだのと同時に両手を叩くように合わせた。
 けれどリリアだけ、「リリアの話、何にも聞いてくれてないですぅ……ぐすんぐすん」と涙目に変わる。

 相手している場合じゃない。あたしは良いことを思いついたんだから!!

 
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