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新妻・卯月の仙台暮らし
14.子供じゃありません。(★)
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前話の続き、短いおまけ話です。
※卯月の頭の中が下世話です。苦手な方は回避するようよろしくお願いします。
※このお話はなろう版には掲載しておりません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
丈さんの纏う空気が変わった。少しぼんやりしている所に落ちてきた唇が温かい。
もう結婚もしたのだから、キスくらいで怯む私ではないっ!……と言いたい所だけど、今日の丈さんは何だかちょっといつもと違っていてドキドキする。何処が、と聞かれると説明するのは難しい……と言うか恥ずかしいのだけれど。それに最近はこういう雰囲気になるのは稀なことだったから、尚更だ。
今現在、丈さんは超多忙!傍から見ていても明らかに大変そう。だから引っ越して来てからあまり色っぽい展開になる事が無かった。
例えば私とうータンが仙台のマンションに移った初日、丈さんはうータンスペースの設置から大きな荷物の移動まで私の引っ越し作業を手伝ってくれた。ある程度キリの良い所まで終えてその日は作業を取りやめ、丈さんに先にお風呂に入って貰い、私もお風呂に入って汗を流した。同居するにあたって籍も入れ『いよいよ本当に夫婦になったんだ~!』なんてニヤニヤそわそわしてしまう。いつもより念入りに体を洗い、髪を乾かしてパジャマに着替えてドキドキしながらベッドに潜り込んだら―――丈さんは既に夢の中だった。スースーと寝息を立てて眠っている。ちょっと残念に思いつつ、横向きで眠る彼の背中にピッタリと張り付いた。きっと疲れたんだね、私も疲れたし今日はぐっすり眠ろう。だってこれからはずっと一緒なんだし!……なんて考えて目を瞑った。
そんな風に考えた引っ越し初日から―――ここまで。今日はあるか?明日は?いや、仕事で忙しいからやっぱ寝ちゃうよね……と泥のように眠る丈さんの寝顔を覗き込み、我慢できずに頬をちょっとだけつついてみたり。流石に揺り動かすなんて強引なことは出来ずに悶々としつつも大人しく布団にくるまった。だいたいが『遅くなるから待ってないで寝てろ』と言われる日が多くて。そしていよいよお仕事がお休みの日、もしかして今日はあるかも?!……と思ったら仕事で出掛けて行ったり、家にいてもずっと書斎で作業していたり。そんな時に吉竹さんに『女じゃない?部長は迫られるの慣れてそうだからね~』なんていかにも揶揄っている!って調子でメッセージを返されて、思わずカッとなっちゃたんだ。冗談だと分かっていても、イラっとしちゃったの。
だけど一緒に暮らすようになって身近で見る丈さんの顔色はあまり良くないし、体調の悪さからか何か悩み事を抱えているのか目つきも鋭い。癖みたいなものだって分かっていても、気を抜いている時に目にすると時折ゾッとしちゃうくらい怖いことも……。でもそんな余裕のない中でも出来るだけ私を気遣ってくれるし、優しく接してくれている。それはヒシヒシと感じていたから、イチャイチャできなくても仕方ないよなって考えてた。
だから久し振りの雰囲気にギクリとしちゃったんだ。
丈さん!色気がダダ漏れですけどっ……!なんてドギマギと思わずうろたえちゃう。
最初のキスは優しく啄むようなもの。けれども一旦離された唇がすぐに戻って来て、もっとずっと深くなる。ぐっと背中と後頭部に回って来た大きな手が温かい。久し振りの彼の強引な振る舞いに―――それが照明の付いた明るい部屋の真ん中だと言うのが恥ずかしくて、ギュッと目を瞑った。それでもやっぱり求められていると思うととっても嬉しくて、彼の背に手を回す。恥ずかしさと『わー!』と叫び出したいようなもどかしさを堪えて、頑張って応えた。かなり必死だったから、再び唇が離れた所で思わず大きく息を吐いてしまう。
な、なんだかちょっと情熱的……って言うか、激しくない?(当社比です)
「たけしさん、あの……」
と体が離れた事に少しホッとして瞑っていた目を開けた。しかし目を開けた事を少し後悔する。
大きく溜息を吐いて少し乱れた前髪をかき上げ、一方の手で自分の眼鏡を外す丈さんを目にして背筋が震えた。―――そして彼はテーブルの上にカチリと外した眼鏡を置く。その光景を見てズガーン!と撃ち抜かれた。
なっなっ……丈さん!それはちょっと色気盛り過ぎじゃないですか?
ドッドッドッ……と、激しく心臓が鳴り始める。丈さんは本気だ!マズイ!いや……マズくないんだけど、夫婦だし。私もずっとこう言う流れ待ってたし……って、とは言え最近はもう『一緒に暮らせるだけでも有難いよね、離れていたこれまでの時を思えば!』って気持ちの整理を付けてまったり仙台暮らしを楽しみ始めた所だったから―――すっかり油断していた。
眼鏡を外した丈さん……か、カッコいい!
と、見惚れていたら再び大きな手が私に伸びて来て―――ストンとソファに押し倒されてしまった。
「た、た、た……丈さん」
「ん?」
「ひやっ」
長い指で頬を撫でられて、思わず変な声が出た。細められた丈さんの瞳に、魅入られたようになってしまって二の句が継げない。明るいし恥ずかしい。あと、もしこの先があるなら是非ここではなくて寝室に行きたい!……なんて台詞、いかにも『待ってました……!』と公言するようで口にするのは恥ずかしい!!
「な、なんでも……ない、です」
「そうか」
ニコリと微笑まれてゴクリと再び唾を飲み込んだ。なんかちょっと怖い気がした。例えればそう、狼に食べられる前の狩られた獲物、みたいな気分。
だけど『怖いのもちょっと嬉しいかも……』なんて考えが頭を過ぎって。―――この考え、口に出したら駄目なような気がしたんだ。うーん、新しい扉が開いちゃうかも?!
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卯月の心の声がうるさくて、ほんとにスイマセン<(_ _)>
お読みいただき、誠にありがとうございました!
※卯月の頭の中が下世話です。苦手な方は回避するようよろしくお願いします。
※このお話はなろう版には掲載しておりません。
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丈さんの纏う空気が変わった。少しぼんやりしている所に落ちてきた唇が温かい。
もう結婚もしたのだから、キスくらいで怯む私ではないっ!……と言いたい所だけど、今日の丈さんは何だかちょっといつもと違っていてドキドキする。何処が、と聞かれると説明するのは難しい……と言うか恥ずかしいのだけれど。それに最近はこういう雰囲気になるのは稀なことだったから、尚更だ。
今現在、丈さんは超多忙!傍から見ていても明らかに大変そう。だから引っ越して来てからあまり色っぽい展開になる事が無かった。
例えば私とうータンが仙台のマンションに移った初日、丈さんはうータンスペースの設置から大きな荷物の移動まで私の引っ越し作業を手伝ってくれた。ある程度キリの良い所まで終えてその日は作業を取りやめ、丈さんに先にお風呂に入って貰い、私もお風呂に入って汗を流した。同居するにあたって籍も入れ『いよいよ本当に夫婦になったんだ~!』なんてニヤニヤそわそわしてしまう。いつもより念入りに体を洗い、髪を乾かしてパジャマに着替えてドキドキしながらベッドに潜り込んだら―――丈さんは既に夢の中だった。スースーと寝息を立てて眠っている。ちょっと残念に思いつつ、横向きで眠る彼の背中にピッタリと張り付いた。きっと疲れたんだね、私も疲れたし今日はぐっすり眠ろう。だってこれからはずっと一緒なんだし!……なんて考えて目を瞑った。
そんな風に考えた引っ越し初日から―――ここまで。今日はあるか?明日は?いや、仕事で忙しいからやっぱ寝ちゃうよね……と泥のように眠る丈さんの寝顔を覗き込み、我慢できずに頬をちょっとだけつついてみたり。流石に揺り動かすなんて強引なことは出来ずに悶々としつつも大人しく布団にくるまった。だいたいが『遅くなるから待ってないで寝てろ』と言われる日が多くて。そしていよいよお仕事がお休みの日、もしかして今日はあるかも?!……と思ったら仕事で出掛けて行ったり、家にいてもずっと書斎で作業していたり。そんな時に吉竹さんに『女じゃない?部長は迫られるの慣れてそうだからね~』なんていかにも揶揄っている!って調子でメッセージを返されて、思わずカッとなっちゃたんだ。冗談だと分かっていても、イラっとしちゃったの。
だけど一緒に暮らすようになって身近で見る丈さんの顔色はあまり良くないし、体調の悪さからか何か悩み事を抱えているのか目つきも鋭い。癖みたいなものだって分かっていても、気を抜いている時に目にすると時折ゾッとしちゃうくらい怖いことも……。でもそんな余裕のない中でも出来るだけ私を気遣ってくれるし、優しく接してくれている。それはヒシヒシと感じていたから、イチャイチャできなくても仕方ないよなって考えてた。
だから久し振りの雰囲気にギクリとしちゃったんだ。
丈さん!色気がダダ漏れですけどっ……!なんてドギマギと思わずうろたえちゃう。
最初のキスは優しく啄むようなもの。けれども一旦離された唇がすぐに戻って来て、もっとずっと深くなる。ぐっと背中と後頭部に回って来た大きな手が温かい。久し振りの彼の強引な振る舞いに―――それが照明の付いた明るい部屋の真ん中だと言うのが恥ずかしくて、ギュッと目を瞑った。それでもやっぱり求められていると思うととっても嬉しくて、彼の背に手を回す。恥ずかしさと『わー!』と叫び出したいようなもどかしさを堪えて、頑張って応えた。かなり必死だったから、再び唇が離れた所で思わず大きく息を吐いてしまう。
な、なんだかちょっと情熱的……って言うか、激しくない?(当社比です)
「たけしさん、あの……」
と体が離れた事に少しホッとして瞑っていた目を開けた。しかし目を開けた事を少し後悔する。
大きく溜息を吐いて少し乱れた前髪をかき上げ、一方の手で自分の眼鏡を外す丈さんを目にして背筋が震えた。―――そして彼はテーブルの上にカチリと外した眼鏡を置く。その光景を見てズガーン!と撃ち抜かれた。
なっなっ……丈さん!それはちょっと色気盛り過ぎじゃないですか?
ドッドッドッ……と、激しく心臓が鳴り始める。丈さんは本気だ!マズイ!いや……マズくないんだけど、夫婦だし。私もずっとこう言う流れ待ってたし……って、とは言え最近はもう『一緒に暮らせるだけでも有難いよね、離れていたこれまでの時を思えば!』って気持ちの整理を付けてまったり仙台暮らしを楽しみ始めた所だったから―――すっかり油断していた。
眼鏡を外した丈さん……か、カッコいい!
と、見惚れていたら再び大きな手が私に伸びて来て―――ストンとソファに押し倒されてしまった。
「た、た、た……丈さん」
「ん?」
「ひやっ」
長い指で頬を撫でられて、思わず変な声が出た。細められた丈さんの瞳に、魅入られたようになってしまって二の句が継げない。明るいし恥ずかしい。あと、もしこの先があるなら是非ここではなくて寝室に行きたい!……なんて台詞、いかにも『待ってました……!』と公言するようで口にするのは恥ずかしい!!
「な、なんでも……ない、です」
「そうか」
ニコリと微笑まれてゴクリと再び唾を飲み込んだ。なんかちょっと怖い気がした。例えればそう、狼に食べられる前の狩られた獲物、みたいな気分。
だけど『怖いのもちょっと嬉しいかも……』なんて考えが頭を過ぎって。―――この考え、口に出したら駄目なような気がしたんだ。うーん、新しい扉が開いちゃうかも?!
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卯月の心の声がうるさくて、ほんとにスイマセン<(_ _)>
お読みいただき、誠にありがとうございました!
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