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続・うさぎ小話
うさぎの性(さが)3
しおりを挟む大谷視点のおまけ。
短いうさぎ小話です。
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ズザッズザッ……と言う音で目を醒ました。
見上げる天井はいつもと違う。―――そう言えば丈さんの家に泊まったんだっけ……と思い出して、布団を被ったままクルリと右隣の方向へ顔を向けた。……そこにはスヤスヤと眠る愛しい恋人が。
整った鼻筋、それからスッキリした眉と意外と長い睫毛を思わずジッと観察し、うっとりと堪能してしまう。
ウクク……無防備で、可愛いなぁ。
なんてニマニマしていると、ベッドの下、左側から再びズザッズザッと言う音が聞こえて来た。
「な、なに?」
イチャイチャした後そのまま眠ってしまったらしい。私は裸の胸にタオルケットを引き寄せつつ身を乗り出して、音のありかを覗き込んだ。
そこには案の定―――白い毛並みのうさぎが。
ベッドの下に投げっぱなしの私と丈さんの服。その塊を揃えた前足でズザーっズザーっと壁の方へ押し出している。
かなりの集中力だ。うータンはその行為を熱心に何度も繰り返し、それからある程度寄せ切った所で―――トントントンっ……と右前足、左前足を交互に叩き付け初めた。それもかなり手早いリズムで。
「うっ……かわい……」
その愛らしさに思わず声が漏れる。口元を抑えてニンマリ見守っていると、背中に温かい重みが張り付いた。裸の肩にとん、と顎が乗る。
「うん、可愛いな……」
そう言って、背後にピッタリと覆いかぶさった丈さんの手が伸びて来て、私の体をタオルケットごとギュッと抱き取ったので、私の頭は一瞬でカッと煮えたぎったのだった。
うータンを閉じ込めた筈の囲いの留め具が外れていて、寝室の扉も僅かに開いていた。私達も本当はまだ眠るつもりが無かったので―――戸締りをキッチリしていなかったのだ。
えーっと、そう言う事もあるよね?ホラ、婚約したばっかりだしね?
服を着てうータンをケージへ誘導する。それから留め具をキチンと留めてから、冷蔵庫から麦茶を取り出した。喉を潤して一息付いた所で、丈さんが口を開く。
「俺初めて見たよ―――うさぎの土木作業」
ちょっと弾んだ声。私には彼の気持ちが分かり過ぎる。
「私も初めて!あれ何だろうね?―――掘っているんじゃなくて押し付けて叩いて……うータン、もしかして掘った穴の底を均しているつもりなのかな?」
「かもな。特にあの……トントンってのは……」
「ね!可愛過ぎっ!う~動画撮っとけば良かったぁ!」
コクリと丈さんは同意を示した。そしてケージでいつも通り置物のように纏まっている白い毛糸玉を見て目を細め―――ボソリと呟いた。
「―――凶悪な可愛さだな……」
激しく同意します……!
このようにうさぎ好き同士のカップルの間では―――うさぎの可愛さに対する賞賛と、それに同意する意見が出るばかりで―――それを遮る冷静なツッコミなどは存在し得ないのである。
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うさぎのエア土木作業『トントン』―――作者も一度しか目撃していません
お読みいただき、有難うございました。
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