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結婚するまでの裏話
一、余裕はありません。 <亀田>(★)
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『結婚までのお話』21話の亀田視点の短い小話です。
※なろう版には掲載されておりません。
※R表現まで行きませんが大人っぽい表現がありますので苦手な方は回避して下さい。あと亀田の残念な思考を読みたくない方も閲覧にご注意下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
胸の奥に愛しさが込み上げて、気付いたら華奢な体をソファに押し倒していた。
逃がさないように両腕で囲い込んだ彼女の瞳が熱っぽく潤んでいる。カラカラに乾いた喉を潤すようにその柔らかい唇に齧り付く。一度だけ……と思っていたのに二度三度、それ以降は数えるのも難しいくらい何度も求めた。
ガッツいている自覚はある。頭の隅で(引かれるかも)と警告が鳴るのに自分を止められない。
なのにいつも受け身で恐る恐る俺を受け入れていた筈の彼女の腕が、むしろ積極的に俺を迎え入れたからタガが外れてしまう。彼女を抱き起し体をピタリと重ね合うと、細い体が火照り始めているのが伝わって来た。俺の中で理性の糸がプツリとキレる音がする。
今日は卯月の親父さんが家で待っていて、今後の生活や、お互い言えずにいた事を冷静に話し合って気持ちが通じ合ったなら―――ちゃんと彼女を送りかえさなきゃならないのに。だから衝動に突き動かされて口付けた時も、キスだけで終わらせるつもりだった。
だけど無理だった。
本能の命じるままに、俺はふらつく彼女の腕を引き無言で寝室に連れ込もうとした。その時―――彼女がグッと立ち止まった。
頭の煮えた俺は彼女が立ち止まった理由に思い至らず、視線だけで問いかける。口に出してこの流れが終わってしまうのが嫌だったのだ。むしろ止めないでくれ、と言う懇願を視線に籠めてしまう。情けない事にもうそれしか考えられなかった。
「あのっ……お風呂……シャワーを浴びたいんだけど……」
潤んだ瞳で懇願されて、心臓がドクンと音を立てた。風呂……?
大胆な彼女のお願いに一瞬息が止まるかと思った。
焦る気持ちを抑え込み、俺は寝室のドアから手を離し方向転換した。実は想像の中では何度か……いや何度も彼女と一緒に浴室に入っている。しかし経験の少ない初心な彼女には無理な話だと、最初から諦めていたのだ。
脱衣室に入り、湯船にお湯を張る。それからボンヤリと立ち竦んだままの彼女の前でネクタイを外しシャツの胸ボタンを外す。
服を脱ぐ行為自体ももどかしく、性急に手首のボタンを外しシャツの袖を脱ぐ俺を見て、彼女は胸の前で両手を握りしめ目をまん丸にしたまま固まっていた。
その驚きの表情を目にして、気が付いた。彼女は俺を誘ったんじゃない―――一人でシャワーを浴びたい、そう言う意味で言ったのだと。
―――しかし狡い大人である俺は、その気付きを無かった事にした。
上半身裸になった所で、彼女のシャツに手を伸ばし無言でボタンを外す。するとハッと意識を取り戻した彼女が慌て始めた。
「あっあの、ちがっ……うむぅ……っ!」
言い訳しようとする唇を塞ぎ、服を剥ぎ取る。暫くすると抗議の声も軽い抵抗も収まったので、彼女が力を取り戻す前に浴室へと追い立てたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
普段不器用なのに、都合の良い時だけ器用さを発揮する残念な大人です…。
お読みいただき、有難うございました。
※なろう版には掲載されておりません。
※R表現まで行きませんが大人っぽい表現がありますので苦手な方は回避して下さい。あと亀田の残念な思考を読みたくない方も閲覧にご注意下さい。
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胸の奥に愛しさが込み上げて、気付いたら華奢な体をソファに押し倒していた。
逃がさないように両腕で囲い込んだ彼女の瞳が熱っぽく潤んでいる。カラカラに乾いた喉を潤すようにその柔らかい唇に齧り付く。一度だけ……と思っていたのに二度三度、それ以降は数えるのも難しいくらい何度も求めた。
ガッツいている自覚はある。頭の隅で(引かれるかも)と警告が鳴るのに自分を止められない。
なのにいつも受け身で恐る恐る俺を受け入れていた筈の彼女の腕が、むしろ積極的に俺を迎え入れたからタガが外れてしまう。彼女を抱き起し体をピタリと重ね合うと、細い体が火照り始めているのが伝わって来た。俺の中で理性の糸がプツリとキレる音がする。
今日は卯月の親父さんが家で待っていて、今後の生活や、お互い言えずにいた事を冷静に話し合って気持ちが通じ合ったなら―――ちゃんと彼女を送りかえさなきゃならないのに。だから衝動に突き動かされて口付けた時も、キスだけで終わらせるつもりだった。
だけど無理だった。
本能の命じるままに、俺はふらつく彼女の腕を引き無言で寝室に連れ込もうとした。その時―――彼女がグッと立ち止まった。
頭の煮えた俺は彼女が立ち止まった理由に思い至らず、視線だけで問いかける。口に出してこの流れが終わってしまうのが嫌だったのだ。むしろ止めないでくれ、と言う懇願を視線に籠めてしまう。情けない事にもうそれしか考えられなかった。
「あのっ……お風呂……シャワーを浴びたいんだけど……」
潤んだ瞳で懇願されて、心臓がドクンと音を立てた。風呂……?
大胆な彼女のお願いに一瞬息が止まるかと思った。
焦る気持ちを抑え込み、俺は寝室のドアから手を離し方向転換した。実は想像の中では何度か……いや何度も彼女と一緒に浴室に入っている。しかし経験の少ない初心な彼女には無理な話だと、最初から諦めていたのだ。
脱衣室に入り、湯船にお湯を張る。それからボンヤリと立ち竦んだままの彼女の前でネクタイを外しシャツの胸ボタンを外す。
服を脱ぐ行為自体ももどかしく、性急に手首のボタンを外しシャツの袖を脱ぐ俺を見て、彼女は胸の前で両手を握りしめ目をまん丸にしたまま固まっていた。
その驚きの表情を目にして、気が付いた。彼女は俺を誘ったんじゃない―――一人でシャワーを浴びたい、そう言う意味で言ったのだと。
―――しかし狡い大人である俺は、その気付きを無かった事にした。
上半身裸になった所で、彼女のシャツに手を伸ばし無言でボタンを外す。するとハッと意識を取り戻した彼女が慌て始めた。
「あっあの、ちがっ……うむぅ……っ!」
言い訳しようとする唇を塞ぎ、服を剥ぎ取る。暫くすると抗議の声も軽い抵抗も収まったので、彼女が力を取り戻す前に浴室へと追い立てたのだった。
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普段不器用なのに、都合の良い時だけ器用さを発揮する残念な大人です…。
お読みいただき、有難うございました。
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