悪役令息に転生したから断罪ルート回避しようとした結果、王太子殿下を溺愛してる

琥月ルル

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55.ハネムーン【1】♡

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結婚式と初夜の儀を終えて正式な伴侶となった俺たちは、王宮を離れて五日間の蜜月を過ごすことになった。

男女の場合はこの期間に子作りをするんだけど、エドワードと俺は同性だからいろいろ準備をしてからじゃないと子供は作れない。
準備と言ってもそこまで複雑なものではなくて、男同士の場合は妊娠予定の男性の胎内に『膣化変性薬』という液体状の薬を、潤滑油に混ぜて数日かけて擦り込んでいくだけだ。
変性薬は、医療魔法研究界の努力の結晶といえるだろう。医療魔道士と呼ばれる専門の職に就いている人間の魔力が込められた薬で、エドワードが使用するものは王室お抱えの優秀な医療魔道士が作っているので副作用等の心配はないらしい。

王太子と王太子配という立場上、ありえないとは思うけど国内でクーデターが発生するなど、有事の際には王宮に戻ることになるかもしれないということで、行き先は王都の外れに位置する清涼宮に決まった。
王立学園に通っていた頃、エドワードと夏休みに訪れたことのある場所だ。
あの頃は秘密の恋人として、ふたりきりの時間を密やかに楽しんでたんだよね。懐かしい。
今回は伴侶として堂々と一緒に過ごせるのが、嬉しくてたまらなかった。

王宮の馬車に揺られること、半日。
エドワードと俺は馬車の中でぴったりと体を密着させ、新婚らしくいちゃいちゃしながら過ごしていた。
ただでさえ移動が長くて疲れるので、じゃれるみたいに唇や頬にキスしたり、ぎゅっと恋人繋ぎにした手をスリスリ…♡と思わせぶりに撫でたり。軽めのスキンシップをたくさん取っていた。

夜通し肌を重ねたこともあるのに、エドワードは俺に少し触れられるだけで、白くなめらかな頬をほんのりと桜色に染めて恥じらう。
その初心で可愛らしい反応にたまらなくなって、俺は何度も彼の柔らかな唇にキスしてからじっとアイスブルーの瞳を見つめながら「愛してるよ」と微笑みかけた。
そうするとエドワードは耳たぶまで赤くして、内緒話をするみたいに小さな声で「……私も愛している」と言って、俺の首筋に火照った顔を埋めてしまうんだよね。
それがまた初心で可愛くて、彼を優しく抱き寄せながら俺の口角は自然と上がりっぱなしになっていた。

清涼宮に着く頃には日が暮れていたので、俺たちは夕食を済ませてから湯浴みをした。
エドワードより先に湯から上がって俺は主寝室に通され、王太子付きの侍従から変性薬の詳しい使用方法や注意点などについて説明を受けた。

事前に耳にしていた通り、一日目である今夜は、変性薬を胎内に馴染ませて着床する土台みたいなものをつくることになるから、挿入はしない方がいいらしい。
二日目は、もし変性薬が体に合わなかった場合に下腹部痛などの副作用が出ることもあるらしく、大事をとって性的な接触は控えた方がいいと言われた。
三日目からは挿入しても大丈夫で、ペニスにより胎内のさらに奥深くまで変性薬を塗り込んでいくといいんだって。

ひと通り説明を受け終わり、あらかじめ変性薬が混ぜられている潤滑油の小瓶を手渡される。
これからエドワードの柔らかな肌に触れ、子供を孕めるよう、その体の奥深くを俺の手でつくり変えていくことになると思うと緊張するけど、それと同時に『愛しいひとの胎に種を付けて孕ませることができるんだ』と興奮している自分もいた。

「ウィリアム、私だ。入っても構わないか?」
「もちろんいいよ」

ドアを軽くノックする音が聞こえ、律儀に入室前の声がけをしてくれるエドワードに応えて、俺は立ち上がって彼を室内に迎え入れた。
湯浴みを済ませたばかりの彼は、ほんのりと上気した肌が透けてしまいそうなほど薄くなめらかなシルクの夜着に身を包んでいる。

「ほんの少し離れていただけなのに、もうあなたに会いたくてたまらなかった」
「ふふ。私もだよ」

腰に腕を回して優しく抱き寄せると、エドワードは微笑みながら俺の顎先にキスをしてくれた。
星を散りばめたような美しい髪はまだ少し濡れていて、頬を擦り寄せるとひんやり冷たい。
髪とは対照的に抱きしめた体はあたたかく、入浴剤に使われていた薔薇の香りがふんわりと鼻腔をくすぐった。
俺に抱きしめられたまま、エドワードが人払いを済ませる。

「俺の可愛いエディ……」

これでいよいよ寝室にふたりきりになったので、心置きなくエドワードといちゃいちゃできる。最高だ。
俺は嬉しくなって、ふわふわ微笑みながら彼の頬に手を添え、そっと唇を重ねた。

「んっ、ちゅっ♡んん、ふっ……♡」

しっとりした唇から零れ落ちる甘い吐息に誘われるように、上唇と下唇の間にできた小さな隙間を舌先で優しくなぞる。
うっすらと開いていく隙間から舌を忍び込ませると、いつもは奥に引っ込んでいってしまうことの多い彼の舌が、控えめながらもキスに応えるように俺の舌に絡みついてきた。

「あ、んぅっ……♡は、んっ、ふぁっ……♡」

いまだに舌を絡めるキスに慣れず、たどたどしい舌の動きに脳の奥が痺れるほどの興奮を覚える。
俺は宝石よりも美しいアイスブルーの瞳を見つめながら、きゅうっ…と目を細めた。

「んんっ、はぁっ♡んむ、んぅっ……♡」

キスの主導権を握っているのは完全に俺だった。にゅるにゅる…♡とゆるく擦り合わせていた舌にぢゅっ♡と吸いつき、いきなりの刺激にびっくりして飛び跳ねた肩を宥めるように撫でる。

「や、んぅっ♡りあ、りぁむっ……♡は、んっ、んぁっ……♡」

緩急をつけながら小さな口内を優しくねちっこく愛撫しているうちに、エドワードの体から力が抜けていく。
舌裏の付け根をくすぐるみたいに責め続けていると、とうとう腰が砕けてしまったのか、その場に倒れ込みそうになってしまった。
もちろん、俺がエドワードの膝を床につけさせるような真似をするはずがない。
片腕で細腰をガッチリとホールドし、もう片方の腕を背中に回して強く抱きしめ、さらにキスを深めていく。

「あっ、もうっ♡ん、ふぁっ♡あ、あぅっ、くるしっ……♡んっ、りあむっ……♡」

貪るような口付けにすっかり翻弄され、エドワードは息継ぎのタイミングもよくわからなくなってきてしまったらしく、うるうると潤んだ瞳で俺を見上げた。
彼が少しでも不安や不快感を覚えることはしたくないので、ゆっくりと唇を離していく。ふたりの唇の間に唾液の糸が引いて、俺にはそれがひどく艶かしいものに思えた。

「キスだけでこんなに蕩けた顔をして……可愛いね、エディ。今夜は薬を馴染ませないといけないから、ここに俺のを挿れて奥までいっぱい突いてあげることはできないけど……その代わり、俺の指で、たくさん気持ちよくなろうね」

頬に口付けながら、ひくんっ♡と震える下腹部を思わせぶりな指先で優しく撫でる。

「あっ……♡」

体が敏感になっているのか、たったそれだけの刺激で、エドワードの唇から熱く濡れた吐息が零れ落ちる。
俺は彼の蕩けた顔や甘い声にすっかり煽られてしまい、まだ触れてもいない雄の欲望がムクッ…♡ともたげていくのを感じた。
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