クラウディアの絵本

Olivia

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時間の魔法

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「あなたは魔法で病気が治せる魔女だと聞いてきました」

「残念だけど、あなた方の期待してる魔法使いではない、といえばいいかな」

「・・・そうですか」

「正確にはもう使えないしあなたがたが思っているような魔法ではない」

「ケガや病気を治す魔法ではないんですね」

「そんな都合のいいことはできないと思わない?」

「それはそう・・・ですね」

「話はこれで終わり」

「・・・はい」

「コーヒー飲む」

「・・・いただきます」

コーヒーをテーブルに並べる

「そうだ、たとえばなんだけど。」

「?」

「毒とか入ってないよ」

「・・・はい」



「時間を進めることができる魔法があるとする

ケガや傷は時間がたてばふさがって自己治癒していく

大きな損傷や欠損のあるケガや傷は血や肉がなくなった分は補う物がなければ治しようがない

病気の場合は時間が進めばよくなるか悪くなるか

運が悪ければそのまま病気が進行して死ぬケースもある

そしてその時間の代償は魔法を使った人間の時間だとしたら

時間が「減る」のか「止まる」のか「遅くなる」のか・・・どれにしても得はない

もしかしたら年を取らないのは幸せと感じる人もいるかもしれないけれど・・・

だとしたら、あなたは誰かのためにその魔法を使おうと思う?」

「・・・それは」

「あくまでもたとえばの話」

「・・・」

「使えたとしても、使わなければ、魔法が使えないのと同じだと思わない?

天才はバカのふりができても、バカは天才のふりはできないような感じで」

「そうかもしれませんね」

「ごめんね、もう疲れたの」
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