【完】職業タンクだけど、このタンクだとは思わないじゃん!

オル茶

文字の大きさ
14 / 18

緊急クエスト発生!

しおりを挟む
クエストクリアから数日後...

「緊急事態発!緊急事態発生!プレイヤーは大至急ギルドまで来てください!」

街中に大音量で鳴り響いた。

「なんや、騒がしいな?」

「何かあったのかな?」

「とりあえず行って見ましょう」

ギルドに到着すると、そこには大勢のプレイヤーがいた。

「すごい人ね、私たち合わせて15パーティーくらいかしら」

この街にいる全プレイヤーを招集する事態ってなんだ?

しばらくして、ギルドマスターらしきNPCが話し始めた。

「急な召集に応じていただき感謝する。偵察していた者から、鬼の軍勢が多くのモンスターを従えこちらに向かって来ているとの情報が入った」

周りのプレイヤーが、口々に質問を始めた。

「その鬼ってどこから現れたんですかー?」

「ゴブリン集落にいたゴブリンが全て鬼に進化したようだ、しかも理性を残したまま」

あの時の違和感はこれだったのか、しかも嫌な予感まで当たってしまうとは

「ここにいる方々には、これの迎撃に当たってほしい。」

「鬼の強さってどのくらいなんだよ?」

「ダンジョン20階相当の強さだと言われている」

その言葉にほぼ全員が黙った。無理もない、20階なんてほとんどの人は到達できない階層だ。

「王都への援軍も要請したのだが、あちらにはオークの大群が進行しているらしい」

このタイミングでオークの軍勢か、偶然じゃなさそうだな。

「話は以上だ、鬼の軍勢がこの街に到達するまであと2日程度、どうかこの街を守っていただきたい」

NPCが話し終えると、クエスト開始の表記がされた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
始まりの街リゴンを鬼の軍勢から守り抜け

2日後の21時戦闘開始
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やっぱりか」

「タイガこれって...」

「多分俺たちのクエストから発生したんだな」

「ですが、クエストってパーティー別ですよね?ここにいる全パーティー巻き込んで発生するなんて聞いたことがないですよ」

「普通のクエストならそうだろうな。でも、レンが言ってた通り、このクエストが没クエストだったら?」

「難易度が高い上に、街にいるパーティーは強制参加....そら没にもなるわな」

「タイガはこうなるって気づいてたみたいだけど?」

「確信は無かったよ。でも、引っ掛かる事はあったんだ」

思い返せば、集落で暮らし、話すゴブリンが普通のゴブリンなわけがない。

「おそらく、あの集落で話しかけて来たゴブリンの弟は、この街を攻め落とす計画をたまたま知り、争いが起こらないよう仮面を盗んで逃亡したんだと思う」

それを聞いて、レナも気づいたみたいだ

「そんで、盗んだのがバレて、追われ、仮面の力で鬼になり、追っ手から逃げてる途中で自我を失ったって事か?」

「その可能性が高いな。それに、普通のゴブリンが自我を失うってのが嘘だとすると?」

「壊れた仮面やったから自我を失った。それをうちらが直したせいで自我が失われなくなった...」

あの時、勝手にクエストだと思って渡した真紅のコア、あれはクエストではなくゴブリン側の罠だった可能性が高い。

「じゃあどうするの?」

「ゴブリンも言ってたろ?倒すしかないって」

「倒すって言っても、1匹2匹の話じゃないですよ。あの集落には20匹近くのゴブリンがいましたし」

「だからこそプレイヤー全体クエストなんだろうな」

王都にいるプレイヤーは、オークの軍勢を討伐するクエストが出ているはず。

通りで楓と合流した日にオークが出現したわけだ。

「とりあえず、ことの詳細をここにいる人たちに伝えないとね」

俺たちは、クエストの事とさっきの話をギルドにいるプレイヤー全員に話した。

「話は分かったが、正直勝てるのか?」

「ここにいる全員で協力すれば勝てると思う」

運営もわざわざ勝てないクエストを用意するとは思えない。

「あと2日もあるし、その間にできるだけ準備をして迎え撃ちましょう!」

プレイヤーから2つ疑問が上がった。

「協力はもちろんするが、この街は始まりの街だぞ?新規プレイヤーがここに来た瞬間クエストに巻き込まれるんじゃないか?」

チュートリアルを終えたプレイヤーは必ずこの街に転送される、何も知らず外に出たら一瞬でやられてしまうだろう。だが....

「幸い転送されてくる場所は固定されてるし、そこに転送されてきたプレイヤーに状況説明をしたらいいんじゃないか?」

これなら、外に出ることもないし、状況を説明すれば戦力にもなる。

「それともう一つ。これだけの大部隊、誰が指揮を取る?あんた1人じゃ無理だろ?」

確かに、これだけの大人数に指示を出すなんて不可能に近い。

「ならパーティーを3部隊に分ければいいだろ?」

聞き覚えのある声がした。

「何だその驚いた顔は?この状況で約束が違うとか言うなよ」

嫌味を言ってきていたリーダーだった。
 
「流石の俺も、こんな時にそんな事は言わないが、一体どう言う風の吹き回しだ?」

「なに、お前たちに負けてから俺たちのパーティーは考え方を改めただけさ」

「嘘くさいが、今はその話を信じておこう」

「どうも、ありがとさん」

こいつと話してると調子が狂う

「あと、俺の名前はラエルだ。まだ自己紹介してなかったろ?」

「そうだったな、俺はタイガ」

今更自己紹介をした。

「話を戻すが、さっきラエルが言った通り5パーティーで1つの部隊を作る、各部隊でリーダーを決めておいてくれ」

「パーティーの振り分けはどうするんだよ?」

「それについては2日後の20時に決めようと思う」

今決めるのと準備を終わってから決めるのでは違うと思うからな。

「最後に、俺がリーダーみたいになってるのは何故だ?」

「クエスト出した張本人だし、責任とってリーダーやって貰わないと!」

総ツッコミを受けた。

「これは頑張らないとね~、タイガ」

楓が笑いながらからかってきた。

「そうか、ならこの大部隊のリーダーは俺たち虎と蜂蜜が引き受けた」

「ちょっと!私たちまで巻き込まないでよ!」

「連帯責任だ」

楓が何か言ってるのを聞き流しながら、集まったプレイヤーを解散させた。

ここから2日間忙しくなるぞ

「んで?さっきからラエルは何でそこにいるんだ?」

「あの戦い以来、俺たちのパーティーはそこの3人が怖くてよ...」

「ボコボコにやられてたもんな」

「なに、仲良くなってんのよ?」

「うちらに、なにしたか忘れてへんやろな?」

「その事はあの時、謝っただろ?」

舌打ち混じりだったけどな。

「それより用事があるんじゃないのか?」

「そうだった、そうだった。そこの銃を使う嬢ちゃんにこれを渡しに来たんだった」

楓に銃を渡した。

「何この銃、くれるの?」

「嬢ちゃんの銃初期武器だろ?俺たちのパーティーに銃使う奴なんていねーし。こんな時だ、使える奴にあげたほうがいいだろ?」

「なら、貰っておくわ。ありがとう」

「用事も済んだし俺たちは準備し始めるは、じゃあな」
 
ラエルたちはその場を後にした。

「あいつらを信用していいんでしょうか?」

「裏切ったらまたボコボコにしたる!」

「2日しかないんだ、俺たちも準備に取り掛かるぞ」

「レベル上げですか?」

「それも大事だが、先にアイテムやスキルを集めておきたい。レベル上げはその後かな」

「今日をアイテム収集メインにして、明日がレベル上げをメインにするって事ね?」

「その通り、じゃあ行くぞ」

俺たちも準備を開始した。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

処理中です...