【完】職業タンクだけど、このタンクだとは思わないじゃん!

オル茶

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緊急クエスト発生!

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クエストクリアから数日後...

「緊急事態発!緊急事態発生!プレイヤーは大至急ギルドまで来てください!」

街中に大音量で鳴り響いた。

「なんや、騒がしいな?」

「何かあったのかな?」

「とりあえず行って見ましょう」

ギルドに到着すると、そこには大勢のプレイヤーがいた。

「すごい人ね、私たち合わせて15パーティーくらいかしら」

この街にいる全プレイヤーを招集する事態ってなんだ?

しばらくして、ギルドマスターらしきNPCが話し始めた。

「急な召集に応じていただき感謝する。偵察していた者から、鬼の軍勢が多くのモンスターを従えこちらに向かって来ているとの情報が入った」

周りのプレイヤーが、口々に質問を始めた。

「その鬼ってどこから現れたんですかー?」

「ゴブリン集落にいたゴブリンが全て鬼に進化したようだ、しかも理性を残したまま」

あの時の違和感はこれだったのか、しかも嫌な予感まで当たってしまうとは

「ここにいる方々には、これの迎撃に当たってほしい。」

「鬼の強さってどのくらいなんだよ?」

「ダンジョン20階相当の強さだと言われている」

その言葉にほぼ全員が黙った。無理もない、20階なんてほとんどの人は到達できない階層だ。

「王都への援軍も要請したのだが、あちらにはオークの大群が進行しているらしい」

このタイミングでオークの軍勢か、偶然じゃなさそうだな。

「話は以上だ、鬼の軍勢がこの街に到達するまであと2日程度、どうかこの街を守っていただきたい」

NPCが話し終えると、クエスト開始の表記がされた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
始まりの街リゴンを鬼の軍勢から守り抜け

2日後の21時戦闘開始
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やっぱりか」

「タイガこれって...」

「多分俺たちのクエストから発生したんだな」

「ですが、クエストってパーティー別ですよね?ここにいる全パーティー巻き込んで発生するなんて聞いたことがないですよ」

「普通のクエストならそうだろうな。でも、レンが言ってた通り、このクエストが没クエストだったら?」

「難易度が高い上に、街にいるパーティーは強制参加....そら没にもなるわな」

「タイガはこうなるって気づいてたみたいだけど?」

「確信は無かったよ。でも、引っ掛かる事はあったんだ」

思い返せば、集落で暮らし、話すゴブリンが普通のゴブリンなわけがない。

「おそらく、あの集落で話しかけて来たゴブリンの弟は、この街を攻め落とす計画をたまたま知り、争いが起こらないよう仮面を盗んで逃亡したんだと思う」

それを聞いて、レナも気づいたみたいだ

「そんで、盗んだのがバレて、追われ、仮面の力で鬼になり、追っ手から逃げてる途中で自我を失ったって事か?」

「その可能性が高いな。それに、普通のゴブリンが自我を失うってのが嘘だとすると?」

「壊れた仮面やったから自我を失った。それをうちらが直したせいで自我が失われなくなった...」

あの時、勝手にクエストだと思って渡した真紅のコア、あれはクエストではなくゴブリン側の罠だった可能性が高い。

「じゃあどうするの?」

「ゴブリンも言ってたろ?倒すしかないって」

「倒すって言っても、1匹2匹の話じゃないですよ。あの集落には20匹近くのゴブリンがいましたし」

「だからこそプレイヤー全体クエストなんだろうな」

王都にいるプレイヤーは、オークの軍勢を討伐するクエストが出ているはず。

通りで楓と合流した日にオークが出現したわけだ。

「とりあえず、ことの詳細をここにいる人たちに伝えないとね」

俺たちは、クエストの事とさっきの話をギルドにいるプレイヤー全員に話した。

「話は分かったが、正直勝てるのか?」

「ここにいる全員で協力すれば勝てると思う」

運営もわざわざ勝てないクエストを用意するとは思えない。

「あと2日もあるし、その間にできるだけ準備をして迎え撃ちましょう!」

プレイヤーから2つ疑問が上がった。

「協力はもちろんするが、この街は始まりの街だぞ?新規プレイヤーがここに来た瞬間クエストに巻き込まれるんじゃないか?」

チュートリアルを終えたプレイヤーは必ずこの街に転送される、何も知らず外に出たら一瞬でやられてしまうだろう。だが....

「幸い転送されてくる場所は固定されてるし、そこに転送されてきたプレイヤーに状況説明をしたらいいんじゃないか?」

これなら、外に出ることもないし、状況を説明すれば戦力にもなる。

「それともう一つ。これだけの大部隊、誰が指揮を取る?あんた1人じゃ無理だろ?」

確かに、これだけの大人数に指示を出すなんて不可能に近い。

「ならパーティーを3部隊に分ければいいだろ?」

聞き覚えのある声がした。

「何だその驚いた顔は?この状況で約束が違うとか言うなよ」

嫌味を言ってきていたリーダーだった。
 
「流石の俺も、こんな時にそんな事は言わないが、一体どう言う風の吹き回しだ?」

「なに、お前たちに負けてから俺たちのパーティーは考え方を改めただけさ」

「嘘くさいが、今はその話を信じておこう」

「どうも、ありがとさん」

こいつと話してると調子が狂う

「あと、俺の名前はラエルだ。まだ自己紹介してなかったろ?」

「そうだったな、俺はタイガ」

今更自己紹介をした。

「話を戻すが、さっきラエルが言った通り5パーティーで1つの部隊を作る、各部隊でリーダーを決めておいてくれ」

「パーティーの振り分けはどうするんだよ?」

「それについては2日後の20時に決めようと思う」

今決めるのと準備を終わってから決めるのでは違うと思うからな。

「最後に、俺がリーダーみたいになってるのは何故だ?」

「クエスト出した張本人だし、責任とってリーダーやって貰わないと!」

総ツッコミを受けた。

「これは頑張らないとね~、タイガ」

楓が笑いながらからかってきた。

「そうか、ならこの大部隊のリーダーは俺たち虎と蜂蜜が引き受けた」

「ちょっと!私たちまで巻き込まないでよ!」

「連帯責任だ」

楓が何か言ってるのを聞き流しながら、集まったプレイヤーを解散させた。

ここから2日間忙しくなるぞ

「んで?さっきからラエルは何でそこにいるんだ?」

「あの戦い以来、俺たちのパーティーはそこの3人が怖くてよ...」

「ボコボコにやられてたもんな」

「なに、仲良くなってんのよ?」

「うちらに、なにしたか忘れてへんやろな?」

「その事はあの時、謝っただろ?」

舌打ち混じりだったけどな。

「それより用事があるんじゃないのか?」

「そうだった、そうだった。そこの銃を使う嬢ちゃんにこれを渡しに来たんだった」

楓に銃を渡した。

「何この銃、くれるの?」

「嬢ちゃんの銃初期武器だろ?俺たちのパーティーに銃使う奴なんていねーし。こんな時だ、使える奴にあげたほうがいいだろ?」

「なら、貰っておくわ。ありがとう」

「用事も済んだし俺たちは準備し始めるは、じゃあな」
 
ラエルたちはその場を後にした。

「あいつらを信用していいんでしょうか?」

「裏切ったらまたボコボコにしたる!」

「2日しかないんだ、俺たちも準備に取り掛かるぞ」

「レベル上げですか?」

「それも大事だが、先にアイテムやスキルを集めておきたい。レベル上げはその後かな」

「今日をアイテム収集メインにして、明日がレベル上げをメインにするって事ね?」

「その通り、じゃあ行くぞ」

俺たちも準備を開始した。



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