記憶屋

卯月青澄

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「あなたはまだ若い。明るい未来が無限に広がってる。わざわざツラくなる事に首を突っ込まない方がいいわ。翔太の事は忘れた方がいい」

「教えて下さい! 私、翔太くんの事好きなんです。知らないといけないんです」

「私はあなたのためを思って言ってるの。一生後悔するかもしれない…」

「聞かないで生きていく方が絶対に後悔します」

「わっ‥わかったわ。あの子には言わないって約束してくれる?」

「はい…」

「末期の癌なの。もって1年…」

そこまで言うと、母親は口ごもってしまった。
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