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第4章 もふもふな幼子たちと子守役は森にお出掛けする
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しおりを挟む白い御山の幼子たちは、草の実とお水で出来る、トロトロで甘い美味しいものに夢中だった。幼子たちの白い御山とその周りの森では、見たことも聞いたことも無いモノだったのだ。ゆきは匂いを覚えようとしているし、かすみはその中の火の力を見極めようとしていた。
そしてしずくは、大小の毛玉たちから話を聞きまくっていた。
「とってきた、あのくさのみ、たくしゃんありましゅ。おいしいもの、つくゆとき、じぇんぶ、こなに、するでしゅよね?
いっぱいあって、たいへんでしゅね、どーやるでしゅか?」
興味津々で目をキラキラさせて尋ねてくる幼子の様子がが微笑ましくて、小毛玉たちは代わる代わる教えてくれた。
『…おおきいものと、おもいものは、おさたちが、はこんでくれるんだニィ~』
『…かさならないように、ひろげてほうっておけば、きちんとかわくんだニィ~』
『…きちんとかわいたら、あとはいわのうえにおいて、うえからいしで、たたくんだニィ~』
『…たたけば、たたくほど、こまかいこなが、できるんだニィ~』
『…おおきなきのかわで、はさんでからたたけば、とびちるしんぱいも、ないんだニィ~』
小毛玉たちは、石を抱えて振り下ろす仕草をしながら、詳しく教えてくれた。
「いしを、つかうでしゅか、きようでしゅね~
それでも、いっぱいの、くさのみは、たいへんでしゅね~そーやって、おいしいものを、つくってくれたでしゅか、ありがとでしゅ、ごちそーさまでちた。」
しずくがぺこりと頭を下げてお礼を言うと、近くで話を聞いていた大毛玉たちが、その頭を撫でてくれた。
『…きちんとお礼が出来て、いい子だに~これを作るために、小さいモンたちには随分沢山のことを任せたんだに~もっと褒めてやって欲しいだに~』
『…俺らーが、手伝えればー、もーすこし、楽にー作れるかも、だがに~俺らーなら、大きいー石で、一遍にー、沢山のー実を、潰すーだがに~』
『…俺たちも、草の実の固い殻を、割ったり吹き飛ばしたり、出来るはずなんだがに~、どうしても余計な力が入るんだに~頑張って訓練してるだに~もうしばらく待ってほしいだに~』
終いには、大毛玉たちからの感謝が、小毛玉たちへのお願いになっていた。
如何やらうまく力を絞って使うと、石だけ樽の中だけに限定で、力を使えたらしく、大毛玉たちは張り切っていた。これがうまく出来れば、小毛玉たちと一緒に作業が出来ると、皆が楽しみにしていた。
ちび達も、次はお手伝いするのだと、張り切っていた。
「しょれでは、ここのおやまでは、いちゅも、おいちいもの、たべてた、でしゅか?」
それなら、少しうらやましいと思って、しずくが聞いてみた。ところが、大毛玉たちは頭を傾げて、尻尾を振った。
『…御山の麓の森には、食べられる物があったに~でも御山はほとんど岩だらけだったに~時たま、食べられる草や木の、葉っぱや実、根っこを見つけたら、熱い岩の上に置いて、火の力を加えてから、食べるんだに~
見つけるのが大事だったに~味は、気にしてなかったに~』
『…このー美味しいーモノは、水がー必要ーだに~御山にー水はー無いだに~水をー上手くー、扱うー者は、少ないーだに~」
『…長は、此処の御山には珍しく、水の扱いが上手いんだに~だから、きっと御山でも作って、食べてたんだに~美味しいと知ってたから、俺たちにも、食べさせようと、思ってくれたんだに~』
しみじみと語った大毛玉たちは、二尾の長の気持ちが嬉しくて、力を上手く扱う為の訓練を頑張ろうと誓い合った。
その後ろでは、話が聞こえていた二尾の長が、照れくさくて頭を隠していたが、しずくからは、丸見えだった。
「にびのおさが、かわいいでしゅ~」
幼子にからかわれる長だった。
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