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第4章 もふもふな幼子たちと子守役は森にお出掛けする
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しおりを挟む広場中の注目を集めた森長は、その大きな体をゆっくりと丸めて腰を下ろすと、ペタンと床に座り込んだ。
『この姿勢なら、幼子たちでも、儂の腹や背中に触るも登るも、好きにできるだかなぁ。』
さあどうぞと言わんばかりに、森長は幼子たちに前足を差し出してきた。
目の前に差し出されたフワフワでモコモコな毛皮を見て、ゆきもかすみも我慢できずに遠慮なく抱き着いた。
「わふっ『きんめのおさの、おなかと、おなじくらい、ふわふわで、もこもこ!』」
「ぴぃ~『きんめのおさの、はねとおなじくらい、ふわふわで、もこもこ!やわらかいけ、いっぱい!
あれ?かすみには、このけがわ、おさのはねと、おなじにみえる?』」
「わふっ『ゆきにも、このおさから、きんめのおさと、おなじにおいする!』」
疑問を口にしているが、ゆきもかすみも、森長の毛皮に埋もれて嬉しそうだった。その声を聴いて、金目の長に抱き着いたままのしずくも、ゆきとかすみに抱き着かれた森長を注意して観察してみた。
「きんめのおさと、おなじでしゅか~そ-いえば、ゆちもかしゅみも、じぇんじぇん、きんちょーちてないでしゅね~そこも、おんなじ、でしゅか~」
しずくには、ゆきとかすみの喜び方が、金目の長に抱き着いている時と変わりないように思えた。
「ん~?しじゅくにも、きんめのおさと、おんなじちから、かんじましゅ~おんなじちから、もつものが、いるでしゅね~
そーいえば、きょかととうかも、おんなじちから、もってまちたね~」
「わふっ『きょかととうかは、ともだちどうし、だからちいからも、おなじ!きっと、このもりおさも、きんめのおさの、ともだち!』」
『ちょっと待って~な、色々聞きたいことがあるんやが、とりあえず、きょかととうか、云うんは幼子しずくが誰かに付けた・呼び名・やな?
その誰かが、同じ力を持つ、友達同士なんやな?
それとも、同じ力を持つモン同士を、友達云うんか?』
幼子たちの会話を聞いていた九尾の長が、
(友達の定義が、どうもワイらと、違うみたいやなぁ。)と思いながら確認してきた。
「ぴぃ~『ともだちは、うまれたとき、そばにいて、おなじみずを、のんだもの、かな?』」
『生まれた時から、同じ水を飲んで、一緒に育ったモンを、ワイらは、幼馴染や云うなあ。
そんでワイらが友達云うんは、仲良しの事やな。生まれた時も、場所も、力の強さも関係なく仲良く出来るんが、ワイらは友達やと思うんやがなぁ。
幼子らは、どー思うんや?』
九尾の長の説明を聞いて、幼子たちはようやく今まであった違和感の原因に気付いた。
「ぴぃ~『そうだった、きょかもとうかも、おたがいを、ともだちと、よばなかった。かすみたちは、ごかいしていた!』」
「わふっ『きょかととうかは、おさななじみ!
それで、ゆきたちとは、なかよしになりたいから、ともだちだった!』」
「ともだちなら、うまれたばしょも、のんだおみじゅも、かんけいない、でしゅか、よかったでしゅ~しじゅくたちととうかたち、ともだちと、ちがうかと、おもいまちた~
あれっ、きんめのおさと、おなじちからのおさは、おさななじみでしゅか?」
幼子たちの興味は、またもや自分たちが抱き着いたままの、モフモフな長たちに向いた。
『ほほっ、そうですな、その森長と儂は、生まれた時も場所も、飲んだ水も同じですから、幼馴染ですかの~力迄同じとは、思いませんでしたがの~』
初めて知った事らしく、金目の長はホウホウと頷いていた。
『しかも、我の知る限り、とても仲が良いのである、友達同士なのである。』
仲良しの蒼い鬣の長からも説明をされて、幼子たちも納得したようだった。
「ぴぃ~『やっぱり、おさななじみどうしは、おなじちからになる?』」
「そーみたい、でしゅね~」
お互いに、自分たちが抱き着いた長たちを、キョロキョロと見比べていた。
抱き着かれたままの森長は、苦笑いをするしかなかった。
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皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
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