46 / 425
イケアの街と面倒事
たぶん、聞いてはいけない話
しおりを挟む
すぐに用意された食事はテーブルの上に、所狭しと豪華な料理が並べられている。
それを見たクリスの眉間の皺が更に深くなった気がする。豪華な食事を見てそんな顔をするって事は、、、。
コレ、ってあれかな?『美味い話には裏がある』みたいな。
いや、料理だけに美味い、とシャレを言っている訳ではないよ?
『豪華な接待の後には、厄介な話が待っている』と言いたかったんだよ!
先程、居なかったミリアさんも、今は微笑んで席についている。少し緊張したお顔が気になるところ。
それにミリアさんの後ろの侍女さん!
髪色も長さも違っているけど、馬車で一緒だったメガネ美人さんですよね?今はメガネを掛けていないけれど。
部屋の扉に控えているのも、、、インテリ風男性さんですよねー、黒髪に変わってますが。モノクルがとても似合っていて、やっぱりインテリな雰囲気は変わりませんねっ。
・・・・・・。
もう、本当に何がなんだか分からない~。
ついでに嫌な予感に緊張して料理の味も分からない。折角のご馳走なのに!
何かね。ロイドさんがイケアの郷土料理だとか色々話してたみたいだけど、クリスはちっとも反応しないし喋りもしないから、私はひたすら首振り人形みたいに笑顔で頷いているばかりだったのよ!
そうして和やかとは言えない食事を済ませた後、ロイドさんの執務室と思われる部屋に案内されてしまった。有無も言わさず、けどアルカイックスマイルなインテリ風男性によって。
「改めて自己紹介をさせて頂きたい。私はイケアの領主をしているロイド・ピレネーと言います。15年ほど前に前子爵から引き継ぎました。」
ロイドさん、やっぱり貴族だったんだ。まぁこの邸を見れば判る事だし、何なら馬車を降りて振り返った時に紋章付いていたしね。
クリスはもう聞いていた事だったのか、特になんの反応もしなかった。なんだか『絶対、反応するものか!』という強い意志のようなものを感じるんですが。
「お判りでしょうが、そこの執事は今日一緒に馬車に乗っていた者です。」
執事、え、執事って邸内の仕事を請け負っている仕事よね?
・・・・えぇっ!?
何で短剣を常備していてオークと闘えちゃうの?
ま、さ、か、その執事ー
「セバスティンと申します。セバスとお呼び下さい。」
セバスチャンじゃないんか~い!!勿論、セバスさんと呼ばせて頂きますけども。
執事のセバス率高いよね、本当に。犬を見たらポチと言いたくなると一緒ぐらいに。
うわっ、なんかクリスの冷たい視線を感じたんですけど、横から。心の声、読んだ?
「食事の際にミリアの後ろにいた者も、ミリアの専属侍女のアーニャと言います。」
あっ、あぁ~!
そうか!サミュエル君が『にゃー、にゃー』と、言っていたのは猫の鳴き真似でも、口癖でもなくってアーニャさんを見て名前を呼んでいたんだ。
え?でも何で?
何でセバスさんもアーニャさんも、変装したりして無関係を装っていたの?
「実はオークに襲われていた馬車で怪我をした2人も当家の護衛騎士たちです。
この度は助けて頂きありがとうございました。」
そう言ってロイドさんは私たちに深々と頭を下げた。
・・・普通、貴族って平民に頭を下げないものだよね?
主従関係なのに、無関係を装って乗り合い馬車に乗っていた事といい、襲われた馬車の持ち主だって事を黙っていた事といい、、、。
あ~、何か部屋から出たくなってきたぁ。
これ以上、話を続けてはいけないんじゃない?
だけど何でか断れない方向だからクリスが不機嫌だったんじゃないの?
それを見たクリスの眉間の皺が更に深くなった気がする。豪華な食事を見てそんな顔をするって事は、、、。
コレ、ってあれかな?『美味い話には裏がある』みたいな。
いや、料理だけに美味い、とシャレを言っている訳ではないよ?
『豪華な接待の後には、厄介な話が待っている』と言いたかったんだよ!
先程、居なかったミリアさんも、今は微笑んで席についている。少し緊張したお顔が気になるところ。
それにミリアさんの後ろの侍女さん!
髪色も長さも違っているけど、馬車で一緒だったメガネ美人さんですよね?今はメガネを掛けていないけれど。
部屋の扉に控えているのも、、、インテリ風男性さんですよねー、黒髪に変わってますが。モノクルがとても似合っていて、やっぱりインテリな雰囲気は変わりませんねっ。
・・・・・・。
もう、本当に何がなんだか分からない~。
ついでに嫌な予感に緊張して料理の味も分からない。折角のご馳走なのに!
何かね。ロイドさんがイケアの郷土料理だとか色々話してたみたいだけど、クリスはちっとも反応しないし喋りもしないから、私はひたすら首振り人形みたいに笑顔で頷いているばかりだったのよ!
そうして和やかとは言えない食事を済ませた後、ロイドさんの執務室と思われる部屋に案内されてしまった。有無も言わさず、けどアルカイックスマイルなインテリ風男性によって。
「改めて自己紹介をさせて頂きたい。私はイケアの領主をしているロイド・ピレネーと言います。15年ほど前に前子爵から引き継ぎました。」
ロイドさん、やっぱり貴族だったんだ。まぁこの邸を見れば判る事だし、何なら馬車を降りて振り返った時に紋章付いていたしね。
クリスはもう聞いていた事だったのか、特になんの反応もしなかった。なんだか『絶対、反応するものか!』という強い意志のようなものを感じるんですが。
「お判りでしょうが、そこの執事は今日一緒に馬車に乗っていた者です。」
執事、え、執事って邸内の仕事を請け負っている仕事よね?
・・・・えぇっ!?
何で短剣を常備していてオークと闘えちゃうの?
ま、さ、か、その執事ー
「セバスティンと申します。セバスとお呼び下さい。」
セバスチャンじゃないんか~い!!勿論、セバスさんと呼ばせて頂きますけども。
執事のセバス率高いよね、本当に。犬を見たらポチと言いたくなると一緒ぐらいに。
うわっ、なんかクリスの冷たい視線を感じたんですけど、横から。心の声、読んだ?
「食事の際にミリアの後ろにいた者も、ミリアの専属侍女のアーニャと言います。」
あっ、あぁ~!
そうか!サミュエル君が『にゃー、にゃー』と、言っていたのは猫の鳴き真似でも、口癖でもなくってアーニャさんを見て名前を呼んでいたんだ。
え?でも何で?
何でセバスさんもアーニャさんも、変装したりして無関係を装っていたの?
「実はオークに襲われていた馬車で怪我をした2人も当家の護衛騎士たちです。
この度は助けて頂きありがとうございました。」
そう言ってロイドさんは私たちに深々と頭を下げた。
・・・普通、貴族って平民に頭を下げないものだよね?
主従関係なのに、無関係を装って乗り合い馬車に乗っていた事といい、襲われた馬車の持ち主だって事を黙っていた事といい、、、。
あ~、何か部屋から出たくなってきたぁ。
これ以上、話を続けてはいけないんじゃない?
だけど何でか断れない方向だからクリスが不機嫌だったんじゃないの?
118
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
お前を愛することはないと言われたので、姑をハニトラに引っ掛けて婚家を内側から崩壊させます
碧井 汐桜香
ファンタジー
「お前を愛することはない」
そんな夫と
「そうよ! あなたなんか息子にふさわしくない!」
そんな義母のいる伯爵家に嫁いだケリナ。
嫁を大切にしない?ならば、内部から崩壊させて見せましょう
「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ
猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。
当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。
それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。
そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。
美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。
「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」
『・・・・オメエの嫁だよ』
執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?
私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
王妃候補に選ばれましたが、全く興味の無い私は野次馬に徹しようと思います
真理亜
恋愛
ここセントール王国には一風変わった習慣がある。
それは王太子の婚約者、ひいては未来の王妃となるべく女性を決める際、何人かの選ばれし令嬢達を一同に集めて合宿のようなものを行い、合宿中の振る舞いや人間関係に対する対応などを見極めて判断を下すというものである。
要は選考試験のようなものだが、かといってこれといった課題を出されるという訳では無い。あくまでも令嬢達の普段の行動を観察し、記録し、判定を下すというシステムになっている。
そんな選ばれた令嬢達が集まる中、一人だけ場違いな令嬢が居た。彼女は他の候補者達の観察に徹しているのだ。どうしてそんなことをしているのかと尋ねられたその令嬢は、
「お構い無く。私は王妃の座なんか微塵も興味有りませんので。ここには野次馬として来ました」
と言い放ったのだった。
少し長くなって来たので短編から長編に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる