捨てられ令嬢は屋台を使って町おこしをする。

しずもり

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イケアの街と面倒事

たぶん、聞いてはいけない話

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はテーブルの上に、所狭しと豪華な料理が並べられている。

それを見たクリスの眉間の皺が更に深くなった気がする。豪華な食事を見てそんな顔をするって事は、、、。


コレ、ってあれかな?『美味い話には裏がある』みたいな。


いや、料理だけに美味い、とシャレを言っている訳ではないよ?


『豪華な接待の後には、厄介な話が待っている』と言いたかったんだよ!



先程、居なかったミリアさんも、今は微笑んで席についている。少し緊張したお顔が気になるところ。

それにミリアさんの後ろの侍女さん!


髪色も長さも違っているけど、馬車で一緒だったメガネ美人さんですよね?今はメガネを掛けていないけれど。


部屋の扉に控えているのも、、、インテリ風男性さんですよねー、黒髪に変わってますが。モノクルがとても似合っていて、やっぱりインテリな雰囲気は変わりませんねっ。


・・・・・・。



もう、本当に何がなんだか分からない~。


ついでに嫌な予感に緊張して料理の味も分からない。折角のご馳走なのに!



何かね。ロイドさんがイケアの郷土料理だとか色々話してたみたいだけど、クリスはちっとも反応しないし喋りもしないから、私はひたすら首振り人形みたいに笑顔で頷いているばかりだったのよ!



そうして和やかとは言えない食事を済ませた後、ロイドさんの執務室と思われる部屋に案内されてしまった。有無も言わさず、けどアルカイックスマイルなインテリ風男性によって。



「改めて自己紹介をさせて頂きたい。私はイケアの領主をしているロイド・ピレネーと言います。15年ほど前に前子爵から引き継ぎました。」

ロイドさん、やっぱり貴族だったんだ。まぁこの邸を見れば判る事だし、何なら馬車を降りて振り返った時に紋章付いていたしね。


クリスはもう聞いていた事だったのか、特になんの反応もしなかった。なんだか『絶対、反応するものか!』という強い意志のようなものを感じるんですが。


「お判りでしょうが、そこの執事は今日一緒に馬車に乗っていた者です。」


執事、え、執事って邸内の仕事を請け負っている仕事よね?


・・・・えぇっ!?


何で短剣を常備していてオークと闘えちゃうの?


ま、さ、か、その執事ー


と申します。セバスとお呼び下さい。」


じゃないんか~い!!勿論、セバスさんと呼ばせて頂きますけども。


執事のセバス率高いよね、本当に。犬を見たらポチと言いたくなると一緒ぐらいに。

うわっ、なんかクリスの冷たい視線を感じたんですけど、横から。心の声、読んだ?



「食事の際にミリアの後ろにいた者も、ミリアの専属侍女のアーニャと言います。」


あっ、あぁ~!


そうか!サミュエル君が『にゃー、にゃー』と、言っていたのは猫の鳴き真似でも、口癖でもなくってアーニャさんを見て名前を呼んでいたんだ。


え?でも何で?


何でセバスさんもアーニャさんも、変装したりして無関係を装っていたの?


「実はオークに襲われていた馬車で怪我をした2人も当家の護衛騎士たちです。

この度は助けて頂きありがとうございました。」


そう言ってロイドさんは私たちに深々と頭を下げた。


・・・普通、貴族って平民に頭を下げないものだよね?


主従関係なのに、無関係を装って乗り合い馬車に乗っていた事といい、襲われた馬車の持ち主だって事を黙っていた事といい、、、。


あ~、何か部屋から出たくなってきたぁ。



これ以上、話を続けてはいけないんじゃない?


だけど何でか断れない方向だからクリスが不機嫌だったんじゃないの?
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