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レイチェルの章
それぞれのその後(ニコラス視点)
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「うっ くそっ まだ痛む」
父上に、縁を切られたあの日から、10日がたった。
初めて地下の牢屋に入れられて、薄暗くカビ臭い牢の中で、初めて己の置かれた事態を実感した。
次の日広場に引き立てられ、手足を縄で縛られ自由を奪われた時は恐怖が襲ってきた。
刑の執行人に
「本来なら、馬用の短鞭を使用する予定でしたが、あなたの婚約者であったレイチェル様より嘆願がございました。
よって、縄製のムチに変更されました。
まあそれでも100回ですからね
それなりに痛いと思いますよ」
そう言って見せられた鞭は2つ。
1つは自分でも使っていた短鞭。
乗馬の時に使っている物だ
先が赤子の手のひら程の大きさに平たくなっている。
あんな物で力の強い大男に100回も殴られたら死んでしまう。
もう1つは細い縄を数本束にしたような物だった。
縄は所々結び目がついている。
短鞭よりはマシそうだが、あれだって100回なんて…
血の気が引く音が聞こえた気がした。
本当に地獄の様な時間だった。
いろんな事を後悔した。
母上を恨み、リネットを憎んだ。
何度も気を失い、その都度水を掛けられた。
そして、気がつくと元の牢屋のベッドにうつ伏せで寝かされていた。
体はちゃんと手当てされていたが、激痛で動く事は出来なかった。
夜になると、熱が出た。
牢番が水と痛み止、熱冷ましの煎じた薬湯をくれた。
顔だけを横に向けて何とか飲み下した。
それから3日、1日2回塗り薬を塗って包帯を巻いてもらい。
煎じ薬を飲んで、やっと体を起こせるようになった。
毎日世話を焼いてくれたのは、私の執事をしてくれていた男だった。
父上に頼んで動けるように、なるまでと言う約束で世話をしてくれているらしい。
この男から私がここへ入れられた後の事を聞いた。
まず宰相のエマール公爵は王家を陥れようとした反逆罪、内乱罪の適用で死罪となり、公爵家は取り潰しになった。
そのエマール公爵と手を組み私利私欲を肥やそうとしていた5つの貴族家も同じように爵位返上で私財没収となったようだ。
その中にリネットの家、カンターナ伯爵家も入っていたそうで、私財没収ののち、一家で国外へ追放となったようだ。
それを聞いても、もうリネットに対して何の感情も沸いてこなかった。
まさか自分の一番信頼していた側近にも手を出していたなんてな…
そのアンソニーも、ブライト家から勘当され、庶民にりな肉体労働者として生活しているらしい。
この国では、女神が絶対なのだ。
この女神信仰の教えは、彼女の怒りを買うような行いをすれば、みんな破滅する。
まさにその通りになっていた。
父上に、縁を切られたあの日から、10日がたった。
初めて地下の牢屋に入れられて、薄暗くカビ臭い牢の中で、初めて己の置かれた事態を実感した。
次の日広場に引き立てられ、手足を縄で縛られ自由を奪われた時は恐怖が襲ってきた。
刑の執行人に
「本来なら、馬用の短鞭を使用する予定でしたが、あなたの婚約者であったレイチェル様より嘆願がございました。
よって、縄製のムチに変更されました。
まあそれでも100回ですからね
それなりに痛いと思いますよ」
そう言って見せられた鞭は2つ。
1つは自分でも使っていた短鞭。
乗馬の時に使っている物だ
先が赤子の手のひら程の大きさに平たくなっている。
あんな物で力の強い大男に100回も殴られたら死んでしまう。
もう1つは細い縄を数本束にしたような物だった。
縄は所々結び目がついている。
短鞭よりはマシそうだが、あれだって100回なんて…
血の気が引く音が聞こえた気がした。
本当に地獄の様な時間だった。
いろんな事を後悔した。
母上を恨み、リネットを憎んだ。
何度も気を失い、その都度水を掛けられた。
そして、気がつくと元の牢屋のベッドにうつ伏せで寝かされていた。
体はちゃんと手当てされていたが、激痛で動く事は出来なかった。
夜になると、熱が出た。
牢番が水と痛み止、熱冷ましの煎じた薬湯をくれた。
顔だけを横に向けて何とか飲み下した。
それから3日、1日2回塗り薬を塗って包帯を巻いてもらい。
煎じ薬を飲んで、やっと体を起こせるようになった。
毎日世話を焼いてくれたのは、私の執事をしてくれていた男だった。
父上に頼んで動けるように、なるまでと言う約束で世話をしてくれているらしい。
この男から私がここへ入れられた後の事を聞いた。
まず宰相のエマール公爵は王家を陥れようとした反逆罪、内乱罪の適用で死罪となり、公爵家は取り潰しになった。
そのエマール公爵と手を組み私利私欲を肥やそうとしていた5つの貴族家も同じように爵位返上で私財没収となったようだ。
その中にリネットの家、カンターナ伯爵家も入っていたそうで、私財没収ののち、一家で国外へ追放となったようだ。
それを聞いても、もうリネットに対して何の感情も沸いてこなかった。
まさか自分の一番信頼していた側近にも手を出していたなんてな…
そのアンソニーも、ブライト家から勘当され、庶民にりな肉体労働者として生活しているらしい。
この国では、女神が絶対なのだ。
この女神信仰の教えは、彼女の怒りを買うような行いをすれば、みんな破滅する。
まさにその通りになっていた。
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