婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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色変えの魔法

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町へ向かって馬車を走らせていると、途中で見晴らしのいい丘がありました。

そこに馬車を止めて休憩する事になりました。
昨日部屋から出れず、朝も慌ただしく馬車に乗せられたので、外の空気を吸えてホッとしました。

「ここなら、人目もないから少しゆっくり休憩しよう」
そう言ってカイルは水のビンを口に運びます。

風が爽やかに吹き抜けていき、思わず声が漏れます。
「はぁー 気持ちいい」

「ごめんな。ずっと押し込めて」

「ううん カイルは私の為にそうしてくれたのでしょ?」

「まあね。 今のエレーナは目立ち過ぎるからさ 後々捜索された時に痕跡は残したくなくてね
この国を出てマリナ様に会うまでだから」

「でも、パルフィートへ行ったって目立つのは変わりないでしょ?」

「いや、マリナ様は色変えの魔法が使えるから、髪の色と瞳の色を変えてもらえば大丈夫」

「色変えの魔法?」

聖女様は魔法を使えるんだね
それって私は使えないのかしら?

その時、指輪が熱を持った気がした。
そして何かが、私に語りかけて来るみたいに直接頭にイメージが流れた。

私は頭に手をおいて祈ります。

すると頭がふわぁとした柔らかい光に包まれて、髪の色を黒くしました。

「エレーナ… うそだろ?」

「どう? 変わった?」

「ああ、黒くなった」
そう言いなから、カイルは呆気に取られていました。

「本当? 黒くなってる?」

私は結っていた髪をほどいてみました。
ちゃんと黒くなっている。
凄い! 私も魔法が使えるようになったのね。

我に返ったカイルがニッコリ笑いました。
「エレーナも聖女に覚醒したんだから、使えてもおかしくないのか…
そこまでは考えが至らなかった。
でも、これで随分動きやすくなったぞ」

「これで、町を見て歩いてもいい?」

「町に着いたら早めに検問を突破したいから、町の散策は向こう側でやってくれ」

今から行くところは、一つの町に見えて検問所の向こうはパルフィートなのね。

馬車に戻り出発します。
もう少しの辛抱です。


検問所はお城の壁のようなものが広がる一角に道が通っていて道と壁に挟まれるように建物があるだけでした。

検問所は何の問題なく、私的には反対に拍子抜けする程でした。

もっと時間がかかり、もっと1人1人調べられたり、書類書かされたりするのかとドキドキしてたのに…

馬車に乗ったままで、ただ順番に通る時に一旦停められてカイルが一言二言しゃべったら、すぐ通れました。


検問所を通り抜けパルフィート側の町に入り少し走った所の食堂でお昼を食べました。

「何だか、久しぶりにお店で食べた気分」

「たった1日、2日ぶりだけど、いろいろあったからな」

お互いそんな事を言いながら、無事にパルフィートへ着いたことを喜び乾杯する事にしました。
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