見知らぬ君に触れられない

mahiro

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表向きはただの何でも屋。
困り事があればいつでもご相談ください、というフレーズを全面に出している所だが、裏ではうちの組織と繋がりがあり、表では対応しきれないものを組織が動き対応しているケースも稀に存在している。
だが、その繋がりを関係者に知られるわけにはいかず、組織の人間と何でも屋の人間は直接の面識を持ってはいけないとされていてる。
だから、基本的にはやりとり全て書面のみとしているが、それにも例外が存在する。
今回はそれに該当しているから、この者がやってきたのだろう。


「お、お久しぶりです!ミファー先輩!本日もお美しく!」


後輩ーーーミファーの姿を見るなり腰を90度に曲げ、まるで叫び出すような声でそう言い出した来訪者に、ミファーは無表情のまま扉を閉めた。
先輩?!と閉じられた扉の置くから悲鳴のような声が聞こえてくるがミファーは開ける気配もなく、俺のもとに戻り打ち合わせ資料の準備を再開していた。


「良いのか?やつが来たってことはボス関連だろう?」


「それしかあり得ませんね」


なら開けてやるべきだろう、と思って扉を見れば自ら扉を開けて入ってくる訪問者の姿があった。
その目には大量の涙が流れていたが、俺もミファーも見てみぬフリをした。
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