見知らぬ君に触れられない

mahiro

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「先輩酷いです…組織から能力がないからと外され、何でも屋に配属されて以来、お会い出来なかったのに」


もともとこの来訪者はミファーに憧れて組織に入った一般人で、1度は俺の部下に配属されるも、能力がないことと何でも屋が新規で出来てからはそちらに配属されることとなり、折角憧れて組織に入ったというのに肝心のミファーに会えず涙を流していたのだろう。

さて、こちらの準備も終えたことだし、真面目に話を聞くとするか。


「アリス、今日は何の用だ?」


俺がそう訊ねると来訪者ーーーアリスは顔を上げてこちらを見てから姿勢を正した。
一応、俺が元上司に当たるから正そうとするが、これが別の人物だとそのままだったりするんだよな。


「はい!実は昨日、とある依頼主から困った依頼がございましてですね、ボスに先ほど相談したのですよ。そうしましたら、全面的にフレイア君に任せるとのことでしたので、本日お邪魔しました!」


珍しいな、ボスからそのような指示が出るとは。
基本的に何でも屋では、ペット探したり、開かない鍵を開けたりと能力と無関係の案件ばかりが寄せられる。
稀に能力が関わる案件が来たりするが、それは俺たちのような組織に自動的に回ってくる流れになっているし、日中帯で能力が関わる案件の担当はムーン探偵事務所となっている。
夜は俺たちが所属している組織が担当だったりする。


「その依頼の内容ってのは聞いても良いか?」
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