新しい道を歩み始めた貴方へ

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「エリックの格好を真似たのは、たとえ過去を辿られたとしても特定させず、エリックに罪を被せようとしたからだろうな」


よいしょ、と言いながらロジェはフィリッポの隣に腰掛け、未開封の缶を開けて飲み始めた。


「えぇ？すごく迷惑なんだけど」


「ってことは、エリックを知ってる奴ってことだよな」


無視されたエリックは置いておくとして、フィリッポの言う通りだと思う。
エリックを知っていて、わざと格好を似せた可能性がある。
犯人特定時、俺が犯人はエリックだと思わせ、探させるために。
まぁ、探すも何もエリックから話しかけられ、関係を持ったから相手からすると予想外の出来事かもしれないけれど。


「だろうな。ま、仮に犯人が特定できた所で憲兵があんな状況だから、ルイ君だけじゃまともに詮索も出来なかっただろうけど」


「うん。万が一、辿れたとしても尾行してた奴が邪魔してきそうだよね」


ルイ君、立ってないでこっちおいでよ、とエリックに言われ、それに従えば缶ジュースを手渡された。
この身体じゃビールは飲めないから仕方ない。


「そういえば尾行してる奴はどんな格好してた？やっぱりエリックそっくりか？気配は感じていたけど、姿は見れなくてさ」


「んー格好は僕と同じだけど背丈が違って見えたかな。あ、そうそう、知り合いかどうかはあれだけじゃ分からなかったよ」