新しい道を歩み始めた貴方へ

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「あのロジェさん、それってどういうことでしょうか？俺のことを忘れたことを忘れるってことですか？」


「その通り。忘れたことを覚えていない可能性が高い」


それはその方が良いかもな。
セヴランにとって良い記憶じゃないだろうし。
俺としても思い出して欲しくない。


「んー思い出している可能性があるから、ルイ君の身体を縮める必要があったのかな」


「それもあるが万が一セヴランに触れてしまったときの為の予防だろうな。憲兵の動きを止めたのは、自分にとって不利益な状況を作らせない為だろう」


そうか。
セヴランがこの国に戻ってくるときに俺の存在が邪魔だったから、俺の身体を縮めさせたのか。
そんなことしなくたって、俺はもうセヴランと関わるつもりはないんだけどな。
おそらくセヴラン自身もだろうけど。
セヴランにとって男同士で付き合ってましたなんて、消え失せたい記憶だろうし、知りたくもない情報だろう。


「やっぱりアナクレトと直接話さないといけないな。アポイントが取れれば漸く一本前進出来るわけだし、気合いを入れておかないと」