彼が指輪を嵌める理由

mahiro

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いいタイミングで出会えた!と思って聞き耳立ててたけど、何だろう。
聞いたことによってよく分からなくなった感じは。


「………うぅん」


澄から紹介されたスイーツは美味しいのだけど、この何とも言えないモヤモヤのせいであまり味が分からない。
おそらく明日はさっき重村さんが言った内容が広まって女の子たちのテンションが片落ちしているのが予想出来るけど、実際はこんな感じの返答だったって誰も思わないんだろうな。
日比野君も細かく答えるつもりは恐らくないだろうし。


「分からん………」


考えてても正確な理由なんて重村さんとそのお相手しか分からないのだろうけど。


「というわけで他の人の意見も聞きたくて電話してみたんだけど、澄はどう思う?」


「どういうわけでなのか分からないけど、そうだねぇ……」


分からないものは相談だ、と思って帰宅後早々に澄に電話をしてみれば、嫌がりもせずに電話に出てくれた。
恋愛初心者には分からないことでも上級者なら分かることがあるかもしれないからね。


「王子様は後輩君を信じてないからそんな返答をしているわけじゃなくて、聞いてきた女の子たちを信じていないから事実とは異なった返答をしているのかもしれないねぇ」


「なるほどなぁ……」


確かに女の子たちの噂の広まり方とか考えると真実を伝えるのは控えたくなる重村さんの気持ちは分かる。


「んーでも、分からないねぇ。本当の理由って何だろうね?」


「私が知りたい……」


結局澄も分からず、そのあとは別の話題で花を咲かせてその日は終わってしまった。

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