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ほだされている②
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日曜日、手土産にお気に入りのクッキー缶を買って、守谷さんの事務所を訪ねた。
オシャレな外観のビルの一階がMデザインの事務所だった。
受付にあった電話の受話器を取り上げたところで、ドアが開いて守谷さんが出てくる。
「こんにちは」
「いらっしゃい」
微笑んだ守谷さんはスタンドカラーの白シャツにカーディガンを重ねていて、黒のスリムジーンズが脚の長さを強調していた。ラフだけど洗練された雰囲気だ。
中に通されると、広い作業場が見えた。
真ん中に白木の天板の大テーブルがあって、壁を向いて事務机がいくつか置いてある。
ペールグリーンの壁紙に、一面だけ白木の板がヘリンボーン状に貼ってあり、グリーンが配置されている。
さすが空間デザイナーの事務所だけあって、おしゃれで居心地がいい。
「これ、よかったら」
クッキー缶を差し出す。
「あぁ、ありがとう。気を遣わなくてもよかったのに。俺が呼んだんだし」
「そういうわけにはいきません」
「ハハッ、相変わらず真面目だな。コーヒー飲むか? それとも、紅茶がいい?」
笑いながら、守谷さんが聞いてくれる。
「コーヒーをお願いします」
「じゃあ、ここに座って、これでも読んで待っててくれ」
真ん中のテーブルのイスを引いてから、守谷さんは例のスペイン建築の資料集を持ってきてくれる。
辞書みたいと言っていた通り、五センチ以上ある厚みの大判の本は持つだけで重かった。
開くとカラーの写真が満載で、私はさっそく夢中になった。
じっくり読み込んでいたら、香しい匂いが鼻孔をくすぐった。
視線をあげると、守谷さんがコーヒーを持ってきてくれたところだった。
「あぁ、そのまま読んでいていいよ。俺はそっちで作業してるから」
「え、いいんですか?」
「ゆっくり読みたいだろ? 俺は君の顔が見れたらそれでいいから」
「っ! あ、ありがとうございます」
甘いことを言われて、詰まったけれど、彼の気遣いに感謝した。
資料集は素晴らしい出来だった。
知っていることももちろんあったものの、より深い考察や情報が豊富にあり、私は目を輝かせてページをめくった。
オシャレな外観のビルの一階がMデザインの事務所だった。
受付にあった電話の受話器を取り上げたところで、ドアが開いて守谷さんが出てくる。
「こんにちは」
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微笑んだ守谷さんはスタンドカラーの白シャツにカーディガンを重ねていて、黒のスリムジーンズが脚の長さを強調していた。ラフだけど洗練された雰囲気だ。
中に通されると、広い作業場が見えた。
真ん中に白木の天板の大テーブルがあって、壁を向いて事務机がいくつか置いてある。
ペールグリーンの壁紙に、一面だけ白木の板がヘリンボーン状に貼ってあり、グリーンが配置されている。
さすが空間デザイナーの事務所だけあって、おしゃれで居心地がいい。
「これ、よかったら」
クッキー缶を差し出す。
「あぁ、ありがとう。気を遣わなくてもよかったのに。俺が呼んだんだし」
「そういうわけにはいきません」
「ハハッ、相変わらず真面目だな。コーヒー飲むか? それとも、紅茶がいい?」
笑いながら、守谷さんが聞いてくれる。
「コーヒーをお願いします」
「じゃあ、ここに座って、これでも読んで待っててくれ」
真ん中のテーブルのイスを引いてから、守谷さんは例のスペイン建築の資料集を持ってきてくれる。
辞書みたいと言っていた通り、五センチ以上ある厚みの大判の本は持つだけで重かった。
開くとカラーの写真が満載で、私はさっそく夢中になった。
じっくり読み込んでいたら、香しい匂いが鼻孔をくすぐった。
視線をあげると、守谷さんがコーヒーを持ってきてくれたところだった。
「あぁ、そのまま読んでいていいよ。俺はそっちで作業してるから」
「え、いいんですか?」
「ゆっくり読みたいだろ? 俺は君の顔が見れたらそれでいいから」
「っ! あ、ありがとうございます」
甘いことを言われて、詰まったけれど、彼の気遣いに感謝した。
資料集は素晴らしい出来だった。
知っていることももちろんあったものの、より深い考察や情報が豊富にあり、私は目を輝かせてページをめくった。
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