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【番外編】
水野さんと私
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本書『契約婚ですが、エリート上司に淫らに溺愛されてます』の文庫本が3/5に発売になりました!
皆さまの応援のおかげです。
ありがとうございます!
その番外編にもチラリと出てきた水野さんのお話をアップします!
主人公は水野さんの奥さんですが、結婚する前です。
*******************************
「ただいま~」
残業帰りの週末、私は自分の家じゃなく、彼の家に帰ってきた。付き合って半年の水野直さんのマンションに。
本当は定時であがれるはずだったのに、先輩のミスをなすりつけられ、資料作成をやり直さないといけなくなって、気がつけば二十一時を回っていた。
(手伝ってって言われたら、普通に手伝うのに、人のせいにして、その上、自分はさっさと帰るなんて!)
物質的な疲れとともに心がささくれ立った。
でも、遅くなると連絡を入れた水野さんからの返信に心が和む。
『大変だね。僕のことは気にせず、頑張ってね。でも、何時になってもいいから来てくれるとうれしいな。会いたいから』
ほわっと心が温かくなった。
丸顔のほんわかした彼を思い浮かべると、心が落ち着いて、余計なことを考えず、最短で仕事を終えることができた。
「おかえり。お疲れさま」
優しい目を細めて、水野さんが出迎えてくれた。私を労うように、ギュッと抱きしめてくれる。冷え切った身体に、彼のぬくもりが伝わって、心地よい。温かい胸に顔を寄せると、疲れが抜けていく。
「ご飯、できてるよ。でも……」
私の髪を撫でながら、水野さんがめずらしく言いよどんだ。
「?」
不思議に思って彼を見上げると、水野さんはへにゃっと情けなさそうに表情を崩した。
「ごめん。味付け失敗したし、ちょっと焦がしちゃった。君みたいに美味しく作れなくて、ごめん」
謝る彼に私は笑った。
「そんなの、いいよ~。作ってくれただけで、うれしい」
眉を下げた優しい人の頭を背伸びして撫でた。その仕草に、水野さんはふんわりと微笑んだ。
「ありがとう」
コートを脱いで、手を洗ってリビングに行くと、水野さんはテーブルに料理を並べてくれていた。
焦げちゃったと言っていたけれど、見た目は全然大丈夫そう。と思ったら、彼のお皿には焦げた野菜やお肉がいっぱいで、無事な部分を選んで私にくれたのだとわかる。
(好きだなぁ)
彼のさりげない優しさが本当に好きだ。
会社でのモヤモヤも疲れもさっぱり消えていき、肩の力が抜けた。水野さんにはいつも癒やされる。
「君が遅くなるって聞いたから、コンビニでお気に入りのプリンも買ってきたよ。食後に食べよう」
ニコニコとさらに癒やしてくれる彼に、私も自然に笑顔になった。
穏やかで幸せな週末が始まる。
―fin―
皆さまの応援のおかげです。
ありがとうございます!
その番外編にもチラリと出てきた水野さんのお話をアップします!
主人公は水野さんの奥さんですが、結婚する前です。
*******************************
「ただいま~」
残業帰りの週末、私は自分の家じゃなく、彼の家に帰ってきた。付き合って半年の水野直さんのマンションに。
本当は定時であがれるはずだったのに、先輩のミスをなすりつけられ、資料作成をやり直さないといけなくなって、気がつけば二十一時を回っていた。
(手伝ってって言われたら、普通に手伝うのに、人のせいにして、その上、自分はさっさと帰るなんて!)
物質的な疲れとともに心がささくれ立った。
でも、遅くなると連絡を入れた水野さんからの返信に心が和む。
『大変だね。僕のことは気にせず、頑張ってね。でも、何時になってもいいから来てくれるとうれしいな。会いたいから』
ほわっと心が温かくなった。
丸顔のほんわかした彼を思い浮かべると、心が落ち着いて、余計なことを考えず、最短で仕事を終えることができた。
「おかえり。お疲れさま」
優しい目を細めて、水野さんが出迎えてくれた。私を労うように、ギュッと抱きしめてくれる。冷え切った身体に、彼のぬくもりが伝わって、心地よい。温かい胸に顔を寄せると、疲れが抜けていく。
「ご飯、できてるよ。でも……」
私の髪を撫でながら、水野さんがめずらしく言いよどんだ。
「?」
不思議に思って彼を見上げると、水野さんはへにゃっと情けなさそうに表情を崩した。
「ごめん。味付け失敗したし、ちょっと焦がしちゃった。君みたいに美味しく作れなくて、ごめん」
謝る彼に私は笑った。
「そんなの、いいよ~。作ってくれただけで、うれしい」
眉を下げた優しい人の頭を背伸びして撫でた。その仕草に、水野さんはふんわりと微笑んだ。
「ありがとう」
コートを脱いで、手を洗ってリビングに行くと、水野さんはテーブルに料理を並べてくれていた。
焦げちゃったと言っていたけれど、見た目は全然大丈夫そう。と思ったら、彼のお皿には焦げた野菜やお肉がいっぱいで、無事な部分を選んで私にくれたのだとわかる。
(好きだなぁ)
彼のさりげない優しさが本当に好きだ。
会社でのモヤモヤも疲れもさっぱり消えていき、肩の力が抜けた。水野さんにはいつも癒やされる。
「君が遅くなるって聞いたから、コンビニでお気に入りのプリンも買ってきたよ。食後に食べよう」
ニコニコとさらに癒やしてくれる彼に、私も自然に笑顔になった。
穏やかで幸せな週末が始まる。
―fin―
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理人おぉ!母の心で見守ってきた子が幸せそうで感無量です( ;∀;)
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Adriaさん!
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