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【番外編】
葉月の誕生日 下
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葉月の誕生日当日になった。
美術館に行き、帰ってくると、ひさびさの手料理を披露する。
といっても、彼女のリクエストがトマトとオクラの冷製パスタだったから、簡単に作れてしまう。前に作って食べさせたのが気に入ったそうだ。
それにシーザーサラダとカボチャのポタージュを合わせる。
まぁ、デザートにボリュームがあるからいいか。
夕食が用意できると、白ワインを注いで、グラスを合わせた。
「誕生日おめでとう、葉月」
「ありがとうございます。すごく美味しそうです」
これだけで、葉月は幸せそうに微笑む。
昨夜、零時を回ったとき、すでに祝いを述べて、盛ってしまったが、これからが本番だ。
「私、理人さんのこのパスタを食べるまで、オクラってちょっと苦手だったんです。でも、今は反対に好きになっちゃいました」
上品にパスタを口に運び、ふふっと笑う葉月が愛しい。
葉月は自分が俺に変えられたとよく言うが、根底から俺を変えたのは葉月の方だ。
食事を終え、葉月の好きなパティシエのケーキを出す。
「私、こんなにうれしい誕生日は初めてです」
目を潤ませてじっと俺を見つめる葉月に、もう押し倒したくなる。
「まだだ。プレゼントがある」
自分にも葉月にも言い聞かせる。
「もう充分なのに」
そう言う葉月に薔薇の花束を差し出した。ピンクの薔薇が十本だ。
「うれしい。ありがとうございます」
受け取った葉月は薔薇の香りをかいで、目を細めた。
やはり葉月にはピンクの薔薇が似合う。
プリンセス・ドゥ・モナコという品種で、可愛くて凛とした彼女にぴったりだ。
「もうひとつあるんだ」
俺はキッチンに行き、冷凍庫から用意しておいたアイスクリームを取り出した。
イチゴが練り込んであり、薔薇と同じピンク色だ。
それとコーンを持って戻ると、葉月が興味深そうに見ていた。
これ専用に取り寄せたヘラで、アイスクリームをすくって、コーンに盛りつけていく。
「素敵!」
葉月の目がキラキラ輝いた。
そうだ。この顔が見たかった。
アイスで一枚一枚の薄い花びらを作って、それを薔薇の形にしたものは、我ながら本物の薔薇に見劣りしない出来栄えだった。
俺はアイスの薔薇を葉月に渡した。
これで十一本。
ホスト時代の知識が頭をよぎる。
十一本の薔薇の花言葉は『最愛』。
言うまでもないな。
「食べるのがもったいないくらい綺麗です」
感心したように薔薇のアイスを眺め、「溶けるぞ?」と促してようやく葉月はアイスを食べはじめた。
「美味しい! イチゴが甘酸っぱくて、すごく美味しいです。このアイスも理人さんが作ったのですか?」
「まあな。アイスは千里にねだられて、よく作っていたからな。薔薇にしたのは初めてだが」
「理人さんは本当になんでもできますね」
「そうでもないぞ?」
自分の嫁さんを喜ばすのに四苦八苦しているぐらいだ。
俺が苦笑すると、考えを読んだかのように葉月が言った。
「だって、私をこんなにも幸せにしてくれています。最高のプレゼントをありがとうございます」
輝くような笑みで俺を見る葉月に、たまらず顔を引き寄せ、口づけた。
甘いアイスの味がする。うん、うまい。
何度も吸いつき、舌を絡めてから口を離すと、アイスが溶けかけていて、葉月が慌てて舐める。
「エロい舐めかただな」
「もう、理人さん! 変なこと言わないでください」
頬を薔薇と同じ色に染めて、葉月が抗議する。
完全に滾った俺は、葉月がアイスを食べ終わるやいなや、彼女をベッドに連れていった。
─fin─
☆恋愛小説大賞奨励賞受賞記念に、書いてみました。
皆さま、本当に応援してくださり、ありがとうございました!
☆追記:
書籍化までしていただいて、とてもうれしいです。
これも皆さまの応援のおかげです。
本当に感謝しております。
ちなみに、レンタル特典は二人の三年後のことを書きました。
かなり盛りだくさんなので、読んでいただけるとうれしいです。
レンタル特典は私の作品じゃなくても、1ヶ月以内にエタニティブックスのどれでもいいのでレンタルすると、すべての番外編が読めるそうですよ~。
(知ってました? 私は全然知りませんでしたw)
書籍化で素敵な表紙をつけていただきましたが、自分で有償依頼した表紙絵も気に入っているので、ここに載せておくことにします。
美術館に行き、帰ってくると、ひさびさの手料理を披露する。
といっても、彼女のリクエストがトマトとオクラの冷製パスタだったから、簡単に作れてしまう。前に作って食べさせたのが気に入ったそうだ。
それにシーザーサラダとカボチャのポタージュを合わせる。
まぁ、デザートにボリュームがあるからいいか。
夕食が用意できると、白ワインを注いで、グラスを合わせた。
「誕生日おめでとう、葉月」
「ありがとうございます。すごく美味しそうです」
これだけで、葉月は幸せそうに微笑む。
昨夜、零時を回ったとき、すでに祝いを述べて、盛ってしまったが、これからが本番だ。
「私、理人さんのこのパスタを食べるまで、オクラってちょっと苦手だったんです。でも、今は反対に好きになっちゃいました」
上品にパスタを口に運び、ふふっと笑う葉月が愛しい。
葉月は自分が俺に変えられたとよく言うが、根底から俺を変えたのは葉月の方だ。
食事を終え、葉月の好きなパティシエのケーキを出す。
「私、こんなにうれしい誕生日は初めてです」
目を潤ませてじっと俺を見つめる葉月に、もう押し倒したくなる。
「まだだ。プレゼントがある」
自分にも葉月にも言い聞かせる。
「もう充分なのに」
そう言う葉月に薔薇の花束を差し出した。ピンクの薔薇が十本だ。
「うれしい。ありがとうございます」
受け取った葉月は薔薇の香りをかいで、目を細めた。
やはり葉月にはピンクの薔薇が似合う。
プリンセス・ドゥ・モナコという品種で、可愛くて凛とした彼女にぴったりだ。
「もうひとつあるんだ」
俺はキッチンに行き、冷凍庫から用意しておいたアイスクリームを取り出した。
イチゴが練り込んであり、薔薇と同じピンク色だ。
それとコーンを持って戻ると、葉月が興味深そうに見ていた。
これ専用に取り寄せたヘラで、アイスクリームをすくって、コーンに盛りつけていく。
「素敵!」
葉月の目がキラキラ輝いた。
そうだ。この顔が見たかった。
アイスで一枚一枚の薄い花びらを作って、それを薔薇の形にしたものは、我ながら本物の薔薇に見劣りしない出来栄えだった。
俺はアイスの薔薇を葉月に渡した。
これで十一本。
ホスト時代の知識が頭をよぎる。
十一本の薔薇の花言葉は『最愛』。
言うまでもないな。
「食べるのがもったいないくらい綺麗です」
感心したように薔薇のアイスを眺め、「溶けるぞ?」と促してようやく葉月はアイスを食べはじめた。
「美味しい! イチゴが甘酸っぱくて、すごく美味しいです。このアイスも理人さんが作ったのですか?」
「まあな。アイスは千里にねだられて、よく作っていたからな。薔薇にしたのは初めてだが」
「理人さんは本当になんでもできますね」
「そうでもないぞ?」
自分の嫁さんを喜ばすのに四苦八苦しているぐらいだ。
俺が苦笑すると、考えを読んだかのように葉月が言った。
「だって、私をこんなにも幸せにしてくれています。最高のプレゼントをありがとうございます」
輝くような笑みで俺を見る葉月に、たまらず顔を引き寄せ、口づけた。
甘いアイスの味がする。うん、うまい。
何度も吸いつき、舌を絡めてから口を離すと、アイスが溶けかけていて、葉月が慌てて舐める。
「エロい舐めかただな」
「もう、理人さん! 変なこと言わないでください」
頬を薔薇と同じ色に染めて、葉月が抗議する。
完全に滾った俺は、葉月がアイスを食べ終わるやいなや、彼女をベッドに連れていった。
─fin─
☆恋愛小説大賞奨励賞受賞記念に、書いてみました。
皆さま、本当に応援してくださり、ありがとうございました!
☆追記:
書籍化までしていただいて、とてもうれしいです。
これも皆さまの応援のおかげです。
本当に感謝しております。
ちなみに、レンタル特典は二人の三年後のことを書きました。
かなり盛りだくさんなので、読んでいただけるとうれしいです。
レンタル特典は私の作品じゃなくても、1ヶ月以内にエタニティブックスのどれでもいいのでレンタルすると、すべての番外編が読めるそうですよ~。
(知ってました? 私は全然知りませんでしたw)
書籍化で素敵な表紙をつけていただきましたが、自分で有償依頼した表紙絵も気に入っているので、ここに載せておくことにします。
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