全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第一章 ― 優 ―

同好会活動③

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「やっぱりそう思います? ドアを開けたら、遥斗先輩の後ろ姿が見えて、いい感じだったから思わず撮っちゃったんです! 鮮やかさはこうして修整はできますが、構図は修整できませんからね」

 私は興奮して、パソコンを弄って、朝焼けの写真を鮮やかにしてみせる。

「写真ってそんな風に加工できるのか」

 遥斗先輩は興味深そうに言った。

「そうなんです! でも、加工しすぎても元の写真が台無しになっちゃうし、奥が深いんです」
「ふーん」

 アナログな絵にはない特徴よね?
 遥斗先輩はしげしげ眺めたあと、桜吹雪の写真に目を留めた。

「こんなところが近くにあったんだな」
「私も近所に住んでるのに、初めて知りました。きっと新緑の頃も綺麗ですよ。そうだ! 遥斗先輩、行きません?」
「はっ?」

 新緑を描く遥斗先輩を写真に撮る。
 うん、いいかも!

「ここの新緑を絵に収めたくありませんか?」
「あぁ、なるほど」

 遥斗先輩はもう一度桜の写真を見た。

「リアルな緑を見に行くのもいいかもな」
「じゃあ、決定! 遥斗先輩、約束ですよ?」
「いや、行くとは……」
「行く決定です! 同好会活動です。お弁当作りますから」
「……気が向いたらな」

 ふいっと横を向いて、遥斗先輩はイーゼルの方へ戻っていってしまった。
 私はそのあとも日が暮れるまで写真の加工をしたり印刷したりして、ご機嫌で帰宅した。




 それから、私は友達の写真を撮ったり運動部の活動風景を撮ったり、絵を描く遥斗先輩を撮ったりして、お弁当箱回収のときにプリンターで出力した。
 遥斗先輩は最初のとき以外はほとんど興味を示さず、黙々と絵を描いていた。
 それでも、ぽつりぽつりと世間話をするようにはなった。


「遥斗先輩って、土日はなにをしているんですか?」

 金曜日、ずっと気になって聞けなかったことを聞いてみた。

「土曜はバイト。日曜は寝てる」

 口数少ないけど、遥斗先輩は聞けばちゃんと答えてくれる人だった。

「ここで寝ているんですか?」
「あぁ」
「バイトって?」
「カフェのウェイター」
「へー、モデルとかやってるのかと思いました」
「モデルは拘束時間が長い割に大して金にならないからやらない」
 
 経験はあるんだ。やっぱりすごいなー。
 カフェだったら賄いとかあるのかな?
 私が気になっているのは、遥斗先輩が土日にちゃんと食べているかだ。
 バイトしているなら、大丈夫かな?

「遥斗先輩がウェイターだと繁盛しそうですね」
「いや、粘る客が多くて、いまいちらしい」

 遥斗先輩がおもしろくなさそうに言う。
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