全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

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第一章 ― 優 ―

なんか新鮮だな②

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「へー、今度やってみよー」
「この卵焼きも同じ作り方だよ」
「それもかわいいよね?」

 そうそう、この反応が欲しかった。

「わかった! 優の課題は詰め方とバランスだ! お花入れすぎだし」
「だって、せっかくかわいくできたから入れたくなったんだもん」
「欲張りすぎー」
「うー、精進しますー」
「でも、優の実行力はすごいと思うよ。昨日の男の子なお弁当とは真反対だし」

 さやちゃんがフォローしてくれる。菜摘ちゃんもそれに頷いて、付け足した。

「確かにねー。暴走さえしなければすごいと思う」

 思い当たることがありすぎな私はその言葉に苦笑した。
 


「あ、和田先生!」

 教室移動のとき、廊下で和田先生にばったり会った。うちのクラスの歴史は違う先生だからパスワードを聞いたとき以来だ。

「おー、佐伯か。写真同好会は順調か?」
「おかげさまで、プリンター使いまくりで助かっています。そうだ、今度コンテストに出してみようと思うのがあって」
「それはいいな。そういうのに出して実績を出せば、部活に格上げされるかもしれないぞ」
「いえ、そういうのはいいんです。あそこを好きに使いたかっただけですから」
「そうなのか? 趣味が合う同士語り合うのもきっと楽しいぞ?」
「んー、確かに…」

 ちょっと思い浮かべたけど、そうすると遥斗先輩の居場所がなくなっちゃう。

「やっぱりいいです。これ以上のメンバーはいらないかな」
「ということは遥斗とはうまくやっているのか?」

 和田先生が探るように私を見た。
 私は首を傾げた。

 うまくやっていると言えばやっている?
 今のところ、お弁当の受け渡しがメインでそんなにケンカするようなやり取りもないしなー。

「うーん、それなりにコミュニケーションは取れているような?」
「コミュニケーションできているのか。すごいな」
「え、すごいんですか?」

 和田先生が意外だという表情をするから、私こそ意外に思う。
 遥斗先輩は愛想はないけど、ちゃんと質問に答えてくれるし、お弁当の感想も言ってくれる。

「だって、あいつ、無愛想だろ?」
「そうですけど……」
「あぁ、女子はあの顔ならなんでも許せるか。顔がいいのは得だよな」

 先生がちょっと嫌な言い方をするから、思わず言い返してしまう。

「男子は顔がいいだけで嫉妬ですか? 遥斗先輩は無愛想でもちゃんと会話してくれます!」

 私の勢いに驚いたのか、和田先生は虚をつかれたような顔をした。
 あ、しまった。

「すみません……」

 私は素直に謝ると、先生は慌てて手を振った。

「いやいや、先生の方が悪かった。そうか、そうだよな」

 なにか納得したように頷き、頭を掻いた。

「あ、いけない! 音楽室に行かなきゃ。先生、失礼します」
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