全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子

文字の大きさ
26 / 171
第一章 ― 優 ―

なんか新鮮だな①

しおりを挟む
 帰りがけに本屋さんに寄って、お弁当の本を見てみる。

 うわぁ、かわいいお弁当がいっぱい。
 なんか本格的なキャラ弁もあるけど、ミニトマトで作ったハートやオニギリの顔、ニンジンの花なんか、私にもできそうなのもある。
 ハートは作らないけど。
 お花の形のゆで卵とか超かわいい。これはやってみよう!
 とにかくお花の形にしたら、なんでもかわいくなりそう。
 よーし、明日のお弁当はひと味違うから!

 100均ショップに寄って、抜き型や竹串を買っていく。家にもあるかもしれないけど、すぐ作りたいのになかったらショックだから。
 帰ったら早速試してみよう。

 その日の夕食は、あちこちにお花が咲いていて、お父さんがびっくりしていた。



 翌日のお弁当は、遥斗先輩の分は少なめのお花、自分のはお花が咲きまくりのお弁当になった。ニンジンやブロッコリーとかで彩りも気にして詰めたから、いつもより見栄えが格段にいい。
 いつも通り、遥斗先輩にお弁当を届ける。
 ハードルを上げないように、特に中身の話をせず渡した。

 遥斗先輩の感想も楽しみだけど、菜摘ちゃんやさやちゃんをギャフンと言わせたい。
 早くお昼にならないかなぁ。

 ふわぁ。

 あくびが出た。
 昨日、あれこれかわいいお弁当のアイディアをスマホで見ていたらやめられなくなって、つい夜ふかししてしまってのだ。
 そういうときに限って、一時間目は苦手な数学。
 あー、やだー。眠いよー。



 なんとか午前の授業を乗り切り、楽しみにしていたお昼の時間。
 菜摘ちゃんたちに「どうだ!」とお弁当の箱を開けてみせる。

「おぉ! お花畑だ!」
「カラフルだねー」

 二人が感嘆の声をあげた。
 でも、かわいいとは言ってくれない。
 ちょっと膨れる。

「結構頑張ったんだけど、かわいくない?」
「うーん、かわいいっちゃかわいいかな」
「うん、なんかメルヘン」

 微妙な評価だなぁ。
 もっと『わぁ、かわいい!』って反応を期待していたんだけどなー。

「もしかして久住先輩のもこういうお弁当?」
「さすがに遥斗先輩のはここまでお花は入れていないよー」
「それはよかった」
「えー、そんなにダメ?」
「ダメってことはないけど、彼女と一緒に食べるとかならいいけど、男の子がひとりで食べるのは絵的にキツイかな」
「そうかなー?」

 不満げに私はお花のゆで卵を突き刺して、口に入れた。

「あ、それ、単体ならすごくかわいいんだけどな。どうやって作ったの?」
「あのね、ゆで卵を作るでしょ? 殻を剥いて、ゆで卵の周りに竹串をお花の形になるように5ヶ所均等に置いていって輪ゴムで留めるの。しばらくして冷えたら切るだけ」

 私は、得意げにネットの知識をひけらかした。やってみたら思いの外簡単でかわいくできたから調子に乗って作りすぎたかも。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話

水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。 そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。 凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。 「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」 「気にしない気にしない」 「いや、気にするに決まってるだろ」 ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様) 表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。 小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。

春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。 他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。 そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。 三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。 新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。   この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。

処理中です...