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第三章
不機嫌の理由①
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森さんが、私を?
『久住に疲れたら、俺のところに来い。ベタベタに甘えさせてやる』
森さんの声を思い出して、赤くなる。
ベタベタに甘やかしてくれる森さんは簡単に想像がついた。
森さんの彼女になったら、幸せだろうなぁ。
びっくりして、唖然としたまま、家に帰った。
部室に寄らなかったのに気づいたのは、家に着いてからだった。
翌日、部室に行くと、遥斗先輩はなんとなく不機嫌だった。
無口なのはいつもと変わらないんだけど、どこかイライラしているっていうか、むっとしていた。
なにを話しかけても、ほとんど「あぁ」しか言わない。
よりによって、次の校内新聞の部活紹介は野球部で、こないだ撮ってきた写真を見て選ぼうとしたけど、森さんの顔が目についてしまって、なかなか集中できなかった。
先輩も機嫌が悪いのに、私がいても邪魔だろうと思って、その日は早く帰った。
次の日もその次の日も遥斗先輩は不機嫌で、こんなこと、初めてで私は戸惑った。
なにか怒らせるようなことをしたかな?と思うけど、思い当たることはなくて、そもそも怒っているとも違う気がする。
イライラオーラを漂わせる先輩のそばに居続けるのはしんどいから、早々に帰った。
さらに翌日、まだ不機嫌だった。もう私がここに来るのが原因としか考えられなかった。
私が邪魔なのかな……。
不機嫌の理由はわからないけど、少なくともそんなときに来られても嫌だよね?
「遥斗先輩……。私、しばらくここに来ないほうがいいですか?」
思い切って言った私の言葉に、先輩はとても驚いた顔をして、私を見つめた。
違ったのかな……?
驚くってことはそんなことを考えてなかったってことで、ちょっと安心する。
そう思ったのに、先輩は綺麗な顔をしかめた。
「お前は………」
言おうかどうしようかためらいを見せた先輩は、言葉を続けた。
「お前は俺が不幸じゃないと興味をなくすのか?」
「はぁ?」
なにを言ってるの?
言われた意味がわからない。
だいたい先輩が不機嫌だから、来てほしくないのかなって思っただけなのに、なんでそうなるの?
「なにそれ! 先輩がずっと不機嫌だからじゃないですか!」
「不機嫌なんかじゃない!」
「ずっとイライラしてたじゃないですか!」
私たちが言い合いをしているときに、トントンとノックして、真奈美先輩が入ってきた。
私たちの様子に目を丸くする。
「珍しいわね。ケンカしてるの?」
「違います!」
「違う!」
異口同音に否定すると、真奈美先輩が吹き出す。
『久住に疲れたら、俺のところに来い。ベタベタに甘えさせてやる』
森さんの声を思い出して、赤くなる。
ベタベタに甘やかしてくれる森さんは簡単に想像がついた。
森さんの彼女になったら、幸せだろうなぁ。
びっくりして、唖然としたまま、家に帰った。
部室に寄らなかったのに気づいたのは、家に着いてからだった。
翌日、部室に行くと、遥斗先輩はなんとなく不機嫌だった。
無口なのはいつもと変わらないんだけど、どこかイライラしているっていうか、むっとしていた。
なにを話しかけても、ほとんど「あぁ」しか言わない。
よりによって、次の校内新聞の部活紹介は野球部で、こないだ撮ってきた写真を見て選ぼうとしたけど、森さんの顔が目についてしまって、なかなか集中できなかった。
先輩も機嫌が悪いのに、私がいても邪魔だろうと思って、その日は早く帰った。
次の日もその次の日も遥斗先輩は不機嫌で、こんなこと、初めてで私は戸惑った。
なにか怒らせるようなことをしたかな?と思うけど、思い当たることはなくて、そもそも怒っているとも違う気がする。
イライラオーラを漂わせる先輩のそばに居続けるのはしんどいから、早々に帰った。
さらに翌日、まだ不機嫌だった。もう私がここに来るのが原因としか考えられなかった。
私が邪魔なのかな……。
不機嫌の理由はわからないけど、少なくともそんなときに来られても嫌だよね?
「遥斗先輩……。私、しばらくここに来ないほうがいいですか?」
思い切って言った私の言葉に、先輩はとても驚いた顔をして、私を見つめた。
違ったのかな……?
驚くってことはそんなことを考えてなかったってことで、ちょっと安心する。
そう思ったのに、先輩は綺麗な顔をしかめた。
「お前は………」
言おうかどうしようかためらいを見せた先輩は、言葉を続けた。
「お前は俺が不幸じゃないと興味をなくすのか?」
「はぁ?」
なにを言ってるの?
言われた意味がわからない。
だいたい先輩が不機嫌だから、来てほしくないのかなって思っただけなのに、なんでそうなるの?
「なにそれ! 先輩がずっと不機嫌だからじゃないですか!」
「不機嫌なんかじゃない!」
「ずっとイライラしてたじゃないですか!」
私たちが言い合いをしているときに、トントンとノックして、真奈美先輩が入ってきた。
私たちの様子に目を丸くする。
「珍しいわね。ケンカしてるの?」
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異口同音に否定すると、真奈美先輩が吹き出す。
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