たとえこの身体が人でなくなっても

ジャン・幸田

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海水浴

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 サラは美咲などの同級生と海水浴を楽しんでいた。この日、海水嬢は子供たちの貸切り状態だった。大人たちでいるのは引率してきた保護者だけであった。男性の保護者は一緒に海に入り子供たちと遊んでいたが、女性の方は陸に上がったままで、全体を監視していた。その中にサラと美咲の母親がいた。

 美咲の母は真紀といい、サラのママと同じ年齢だった。サラのママはある年齢まで人間だった!

 「今日は暑いわねえ、ずっと昔に地球温暖化で暴走的に熱くなった時代もあったようだけど、それよりかはマシかもしれないかもね」

 真紀はガイノイドにされてしまった彼女に寄り添っていた。彼女はちょっとした運命の違いでそんな姿にされた。

 「歴史の教科書でそう書いていたわね。ところで美咲のお母さん、いや真紀と呼んでいいよね、子供たちがいないから」

 「そうね。じゃあ昔みたいに呼ばせてね、マリ。体調はどうなの?」

 真紀はマリのボディをのぞき込んでいた。薄手のワンピースの下のマリのボディは人間だった時の生身は殆ど残っていない。おそらく完全なのは脳細胞の一部ぐらいしかないだろう。それを知っている真紀は悲しくなった。

 「実はあまり調子よくないわ。ボディの改造が中途半端だからね。完全体になれば問題ないだろうけど」

 マリはそういって遠くを見ていた。そこではサラが美咲たちと楽しく遊んでいた。
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