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(5)志桜里新型美少女着ぐるみを試着

ところでねえ

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 「ところでねえ志桜里。あなたと原作のようにエッチな事をしてみたいなあ」

 突然愛梨が志桜里にすり寄っていた。その時、着替えるために全てを脱ぎかけていたので、下着の状態だった。本当なら恥ずかしい所だが、同性なので少し油断した無防備な姿だった。

 「そ、それって基美と真里亜のようにってこと?」

 志桜里は少し警戒するような声でいった。「アルテミスの美少女たち」のファンで原作の百合百合する場面も好きだけど、それはあくまで創作の世界に対するもので、自分自身が実際にやってみたいという願望はなかった。あくまで、恋愛対象に女性というのは志桜里にはないのだ。

 「そうよ! 残念だわ真里亜の着ぐるみの内臓になれなくって。もし真里亜だったら、あんなことやこんなことをしたいなあ」

 この時愛梨は成海先生の意図に気付いているとも思っていた。原作のように基美と真里亜の”身体の触れあい”をさせたいのだと。でも、それは・・・

 「あ、愛梨! あたいはねえ、その女の子同士がそんなことをするお話は好きだけど、わたし自身はその、女同士でエッチな事をするのは・・・でも、愛梨が紘子になったらしてあげても良いわよ」

 それを言った後、志桜里は後悔した。いくら着ぐるみを着ているからといっても百合百合したらおかしいことになるんじゃないかと、心配になってきた。

 「ありがと、志桜里! 一度やってみたかったのよ着ぐるみ同士でイチャイチャするのを! ほら他の着ぐるみさんとやったことあるけど、他の美少女たちの内臓は・・・男という事も少なくないので、安心してできるからね、女同士なら!」

 愛梨は嬉しそうにはしゃいでいたけど、本当にこれで良かったんだろうか? 志桜里は複雑な気分になっていた。その時、志桜里は弘樹との事を思い出した。

 高校の卒業式の後に二人して逃避行した時に、二人で契りを結ぶ寸前までいった事があった。その時は弘樹が臆病風に吹かれてしまって途中で止めたけど、あの時志桜里の心が大いに傷ついていた。あの時、弘樹がもう少し勇気を持ってしてくれたら良かったのに・・・と今も思っていた。

 「いいけど愛梨・・・とりあえず二人とも着ぐるみ姿にならない? それから考えましょ!」

 「そうねえ、このままでしても良いけど折角目の前にあるから、着替えてからにしようね」

 そういって二人の着替えは再開したが、その時志桜里の身体に隠された深い傷が露わになった。手足に醜く残った深い手術跡、そして豊満な胸の谷間にあるクレーターのような皮膚の変色。全ては生き残るのと引き換えに得た、悪夢の契約の痕跡であった。
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