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悪役令嬢とは失礼な!
結婚式をぶちこわしたい
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結局のところ、橘花宮家の人たちにとってわたしは名義だけがほしかったようだ。夫となるはずの哲彦はわたしと夫婦になる気がないのは目に見えていた。顔をまともに見た事ないのに最初から一緒に暮らさないというか、契りを結ぶ気がないと周囲の者にいっているし。
こんなわたしも一応は男爵令嬢だ。まあ、宝亀男爵家は父が手を出す事業は悉く失敗し借金を抱え貧乏で、社交界にうつつを抜かすことはなかった。最後の逆転方法が娘の輿入れ先をよりよいところを掴むというものだから、本当に藁をも掴む思いだったといえた。その父も事故死し、母も後を追うように病死してしまった。皮肉な事に借金は父の生命保険金で殆ど返せたという。わたしは中年の変態帝国軍人の妻という名のお飾りにされようとしていた。
結局、実家から持ち出した「花嫁道具」という名の荷物がわたしの唯一の財産だった。多恵が背負っていた荷物の事だ。その箱にはわたしの身分を証明する書類の他、母の形見の化粧道具と、そして悪役令嬢モノの本が大半だった。花嫁衣裳など用意してもらえないわたしにとって大事なものだった。
結婚するという朝がきた。部屋は明るくなってきたが外の嵐はますます激しくなってきた。こんな日に結婚式なんてお天道様も抗議していると思いたいほどだ。しかもこの日は仏滅、本当に幸せになろうという気はないとしか思えなかった。なんでも明日から軍務で長期出張なので、そっちの都合を優先したようだ。それにしても、そんなに急がないといけない事情があることに気付くべきだった。
わたしは悪役令嬢モノの本を手に取っていた。恋愛小説モノは出版スピードが大事というようで、粗造乱造気味といわれるほど数多くでていた。しかし悪役令嬢の作品はどちらかといえば特殊なものなので、少しだけペースは遅かったので僅かな小遣いでも買う事が出来た。
ある本が気になっていた。その本は「悪女になるよりも」というものだ。その本の主人公はこのまま結婚すれば愛されないばかりか、最後は国王への反逆者として処刑される話の世界にいる事に気付いて、結婚式当日に行動を起こすものであった。
その「悪女になるよりも」の主人公のエリザベートは、王太子との婚姻を自分でぶち壊そうといろんなことをするけど、全ては裏目になってしまうというコメディーであったが、わたしは本当にこの婚姻を破談にしてもらいたかった。だから何かヒントのようなモノはないかと読み返したのだ。
作中でエリザベートは結婚式を取り仕切る司祭や召使などに無理難題を押し付けているつもりであったが、それらがかえって合理的な指摘とされてかえって株があがって破談になりそうもなかった。そこで最後の手段が悪役になることであった。彼女自身は聡明で心優しいのに悪態をつきだしたわけだ。それでぶち壊しになっていればよかったんだけど・・・そんな話だった。
なによ! 結婚式をぶち壊せなかったの? そんなオチであった。でも結婚式が終わってしまったら人生も終わりというのに間違いのだから彼女の未来は暗いといえた。一応、続編もあると予告されていたけど、続編は出版されていないようだ。
でも、わたしの今日の目標は決まっていた。自分の結婚式をぶちこわすことだ!
こんなわたしも一応は男爵令嬢だ。まあ、宝亀男爵家は父が手を出す事業は悉く失敗し借金を抱え貧乏で、社交界にうつつを抜かすことはなかった。最後の逆転方法が娘の輿入れ先をよりよいところを掴むというものだから、本当に藁をも掴む思いだったといえた。その父も事故死し、母も後を追うように病死してしまった。皮肉な事に借金は父の生命保険金で殆ど返せたという。わたしは中年の変態帝国軍人の妻という名のお飾りにされようとしていた。
結局、実家から持ち出した「花嫁道具」という名の荷物がわたしの唯一の財産だった。多恵が背負っていた荷物の事だ。その箱にはわたしの身分を証明する書類の他、母の形見の化粧道具と、そして悪役令嬢モノの本が大半だった。花嫁衣裳など用意してもらえないわたしにとって大事なものだった。
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わたしは悪役令嬢モノの本を手に取っていた。恋愛小説モノは出版スピードが大事というようで、粗造乱造気味といわれるほど数多くでていた。しかし悪役令嬢の作品はどちらかといえば特殊なものなので、少しだけペースは遅かったので僅かな小遣いでも買う事が出来た。
ある本が気になっていた。その本は「悪女になるよりも」というものだ。その本の主人公はこのまま結婚すれば愛されないばかりか、最後は国王への反逆者として処刑される話の世界にいる事に気付いて、結婚式当日に行動を起こすものであった。
その「悪女になるよりも」の主人公のエリザベートは、王太子との婚姻を自分でぶち壊そうといろんなことをするけど、全ては裏目になってしまうというコメディーであったが、わたしは本当にこの婚姻を破談にしてもらいたかった。だから何かヒントのようなモノはないかと読み返したのだ。
作中でエリザベートは結婚式を取り仕切る司祭や召使などに無理難題を押し付けているつもりであったが、それらがかえって合理的な指摘とされてかえって株があがって破談になりそうもなかった。そこで最後の手段が悪役になることであった。彼女自身は聡明で心優しいのに悪態をつきだしたわけだ。それでぶち壊しになっていればよかったんだけど・・・そんな話だった。
なによ! 結婚式をぶち壊せなかったの? そんなオチであった。でも結婚式が終わってしまったら人生も終わりというのに間違いのだから彼女の未来は暗いといえた。一応、続編もあると予告されていたけど、続編は出版されていないようだ。
でも、わたしの今日の目標は決まっていた。自分の結婚式をぶちこわすことだ!
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