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7.彰と嘉奈と

来てしまった!

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 私は疲れていた。しかも身体は汗と何かの液で汚れていて気色悪かった。本当は家に帰ってから・・・と思ったけど、目の前にある一軒の宿泊所に彰と一緒に休憩に入ってしまった。そこはおしゃれな言い方をすればブティックホテル、ありていにいえばラブホテルだった。

 そんなの目の前にあったから入ったのよ! そんな言い訳を自分にしながらすたすた入っていった。その時の私は食欲よりも性欲よりも睡眠欲の虜になっていた。それにしても彰もよくついてきてくれたと思ったけど、彼も口数が少なかった。どうも疲れているのは一緒だった。

 わたしは、そのままベットに入ってしまった! もうその時は彼と一緒だということは関係なかった。こんなことをしていたら、人によってはおいて帰られても仕方ない状態だと後で反省した。

 ともかく、私はそのまま眠ってしまった。そして目が覚めた時は昼前だった! たぶん五時間ぐらいは寝ていたのかもしれない。目が覚めた時、彼はシャワーを浴びていた! ああ、よかった帰ってなくてと安堵した。

 わたしも、後でシャワーを浴びようと思ってバックから着替えの下着を取り出していた。さすがに汗や何かの液で汚れた勝負下着をまた着るわけにはいかないので当然のことだったけど、ふとベットの脇に置かれていた彼のボストンバックが目に入った。

 それをそーと見ると、彼が昨夜着ていた唐草模様のゼンタイや着替えが入っていた。しかし他にもゼンタイがあるのに気付いた! 

 わたしは悪い事だと思いつつもそのゼンタイを見たらそれは青色と桃色のゼンタイだった。しかもとびっきり上等の生地だった。しかし違和感を感じた。そのゼンタイは折り方の都合で何故か腰の部分らしいところが表に出ていたけど、なぜか変な袋状のものがどちらもついていた。

 それを見た時私のぼけーとした頭はこれは何だろうと考えていた。えーとこれって袋に入れるとすればなんだろうって? 青いのは大きいサイズだったので彰が着用するだろうけど、桃色の方は私が着たら丁度合いそうな小さいサイズなので・・・でもこの袋状のものは?

 そんなこんなを考えていると彰が出てきたので、急いで元の状態に戻した。

 「彰さん、私もシャワーを浴びてきます。ここを出たらどこか行きませんか? ここから行ける美術館はいろいろありますから」

 私は午後から美術館にでも彰と一緒に行きたいと考えていた。すると彰は意外な事をいいはじめた!
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