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(参)四龍の勾玉
赤いちゃんちゃんこの靴磨き男は
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タクシーは本来の目的地終着駅についた。この駅前は大きなロータリーになっていて停まる前にぐるっと回ってもらった。桔梗さんは見つけたようであったが、私を待たしてから少し離れたところにいた人だかりの中に入った。そこから女とは思えないような怒鳴り声が響いた。これってまさか桔梗さんなの? とおもった。そしてしばらくしてから人だかりは退散し中から桔梗さんに手を引かれた赤いちゃんちゃんこの男が出てきた。手には靴磨きの道具を携えていた。
「すいません、縄張りを荒らすなって取り囲まれていたのですよ、助かりました」
その男は焼き物のタヌキのような物凄い肥満体で、食糧事情が良くないはずの世間とはかけ離れていた。
「あんたって、占部組の構成員でしょ? それよりも連絡船は大丈夫?」
「へえ、それは大丈夫。でも気を付けてくださいよ海賊がでるそうですよ。もし遭遇したらこれでも渡してくださいませ。それよりも大丈夫ですか?」
そういった男の言葉に対し桔梗さんは私の事を見よという仕草をした。
「す、すいません。あっしは田貫といいまして、占部組の社長さんの頼みならある程度しとります。今日は・・・」
そういいかかったとき、彼の目にある物が目に入ったようだった。
「急ぎましょ! あいつらがあそこまできておりますよ! 早く!」
田貫さんの視線の先を見るとそこには鉄道公安官の制服を着た者がものすごい勢いで走ってきていた。やはり、人外たちの息がかかったもののようであった。
「すいません、縄張りを荒らすなって取り囲まれていたのですよ、助かりました」
その男は焼き物のタヌキのような物凄い肥満体で、食糧事情が良くないはずの世間とはかけ離れていた。
「あんたって、占部組の構成員でしょ? それよりも連絡船は大丈夫?」
「へえ、それは大丈夫。でも気を付けてくださいよ海賊がでるそうですよ。もし遭遇したらこれでも渡してくださいませ。それよりも大丈夫ですか?」
そういった男の言葉に対し桔梗さんは私の事を見よという仕草をした。
「す、すいません。あっしは田貫といいまして、占部組の社長さんの頼みならある程度しとります。今日は・・・」
そういいかかったとき、彼の目にある物が目に入ったようだった。
「急ぎましょ! あいつらがあそこまできておりますよ! 早く!」
田貫さんの視線の先を見るとそこには鉄道公安官の制服を着た者がものすごい勢いで走ってきていた。やはり、人外たちの息がかかったもののようであった。
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