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迷宮魔道な場所へ
81・タオ先輩
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目の前にタオ先輩がいる! 愛莉はもし人間だった時に会ったら微笑みで返しただろう。しかし今はガイノイド、そんなことは出来ないしむしろ自分をこんな目に合わせた連中の一味の一人として疑わないといけなかった。本当なら、質問したいところであるが、今は真由美の介助役。そんなことをここでしたらどんな目に遭うのか想像出来るというものだ。だからガイノイドとして従うしかなかった。
「とりあえずね確認してという指示がきたのよね。それで悪いけど入構許可証を見せて」
タオ先輩はそういったが、一介の学生だったはずなのにいつの間にそんな権限を持つようになったのか、不思議であった。真由美もエリー(愛莉)も電子許可証をスキャンしてもらった。するとタオ先輩は真由美にこんなことを話しかけた。
「あなたのねえ、介助しているガイノイドだけど、結構超高性能だわ。うちに欲しいぐらいだわ。丹下教授にお願いできないかしら? そう思うぐらい素晴らしいわよ」
「エリーを渡せというの? それは嫌よ、お気に入りなんだからね。それにしてもなんで超高性能なんてわかるのよ?」
真由美は怪訝そうな顔をした。大学が保有する機体とはいえ、大学構内で介助が必要な時についてきてくれるエリーはまるでお姉さんと一緒にいるように安心するし、本当なら自分のほうが家に連れて帰りたいと思っているほどなのに。それを譲ってくれなんて言われるのは心外だった。
「それはねえ、さっきグレン教授が確認したのよ。人体の再現度が高いって。廉価版のロボットだったら、最低限の駆動装置に旧式AIなんかを搭載してね、誤魔化すためにいかつい外骨格カバーをかけているものなんだけど、そのエリーは丁寧に作りこんでいるのよね、いま理工学部にあるアイリみたいにね」
そういってタオ先輩は真由美の後ろにいるエリーの背後に回って、装備品の確認をしはじめた。一応、構内にいる者に対するセキュリティーという名目であったが、エリーの性能をみているようだった。
「背中には機体外部への熱放熱ファンと・・・オプションでユニットを取り付けるプラグがあるわね、それと・・・」
タオ先輩に背中を触れ愛莉はなにかバレるのではないかと恐れていた。本当なら拒否すればいいのだが、たぶんグレン教授から先ほどの探査ビームで何か気になる事でもあるとでも言われたのかもしれなかった。もしかすると全身拘束刑によって誕生した機体ではないかとバレたのかもしれなかった。愛莉はケガキではなかった。
「とりあえずね確認してという指示がきたのよね。それで悪いけど入構許可証を見せて」
タオ先輩はそういったが、一介の学生だったはずなのにいつの間にそんな権限を持つようになったのか、不思議であった。真由美もエリー(愛莉)も電子許可証をスキャンしてもらった。するとタオ先輩は真由美にこんなことを話しかけた。
「あなたのねえ、介助しているガイノイドだけど、結構超高性能だわ。うちに欲しいぐらいだわ。丹下教授にお願いできないかしら? そう思うぐらい素晴らしいわよ」
「エリーを渡せというの? それは嫌よ、お気に入りなんだからね。それにしてもなんで超高性能なんてわかるのよ?」
真由美は怪訝そうな顔をした。大学が保有する機体とはいえ、大学構内で介助が必要な時についてきてくれるエリーはまるでお姉さんと一緒にいるように安心するし、本当なら自分のほうが家に連れて帰りたいと思っているほどなのに。それを譲ってくれなんて言われるのは心外だった。
「それはねえ、さっきグレン教授が確認したのよ。人体の再現度が高いって。廉価版のロボットだったら、最低限の駆動装置に旧式AIなんかを搭載してね、誤魔化すためにいかつい外骨格カバーをかけているものなんだけど、そのエリーは丁寧に作りこんでいるのよね、いま理工学部にあるアイリみたいにね」
そういってタオ先輩は真由美の後ろにいるエリーの背後に回って、装備品の確認をしはじめた。一応、構内にいる者に対するセキュリティーという名目であったが、エリーの性能をみているようだった。
「背中には機体外部への熱放熱ファンと・・・オプションでユニットを取り付けるプラグがあるわね、それと・・・」
タオ先輩に背中を触れ愛莉はなにかバレるのではないかと恐れていた。本当なら拒否すればいいのだが、たぶんグレン教授から先ほどの探査ビームで何か気になる事でもあるとでも言われたのかもしれなかった。もしかすると全身拘束刑によって誕生した機体ではないかとバレたのかもしれなかった。愛莉はケガキではなかった。
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