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三姉妹との邂逅
131・実験体
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愛莉は隣の部屋へと案内された。そこは先ほどまでいた部屋よりも陰惨な空気を感じた。明かりをつけるとそこには一体のロボットだった残骸があった。しかしそこから生物の腐敗臭らしきものを愛莉のセンサーは探知した。その残骸を触る前にクラウゼは防護用の手袋はめていた。
「愛莉君、令和の虐殺魔事件って聞いたことがあるか?」
クラウゼはそういって古い新聞のスクラップ帳を広げてくれた。そこにはおぞましい虐殺魔について記事だった。
「はい、たしかこの国で戦争犯罪以外で最後に執行された死刑囚ですよね。たしか死刑になりたいと願って、コンサート会場に武装した男が・・・」
愛莉はおもわず目を背けてしまいたかった。自分も両親をテロで殺害され、このような事件を見たくないという意識が働いていた。
「そうだな、目の前にいるこいつがしでかした事さ。こいつは確実に死刑になるために著名な死刑存続論者の丹下教授の奥さんと娘二人も狙ったわけさ。その道連れに15人も殺しやがったがな」
目の前? クラウゼの言葉は恐ろしい事を意味していた。死刑が執行されたはずなのに機械になっていたということは? 実験に使われたことを意味していた。
「これって、もしかして人体実験をしたということ?」
「そうさ! あれは米中露三国戦争の直前だったそうだ。世間が結構混乱していたから、当時の法務省官僚もグルになったそうだ。どうせ死刑を執行しましたといっても確認するわけはないからな。だから死刑にするよりも恐ろしい復讐をしたわけさ、丹下教授は。人間として死ねず、かといって無に変える事もない。そんな罰を与えたわけさ。このために協力したわけさ。おかげで世界まで変わってしまったわけだ」
クラウゼは頭部に何か操作した。すると割れた頭部のカバーから光の点滅がこぼれてきた。
「それは、まだこいつは生きているってこと?」
「ああ、そうともいえるなあ。でも、丹下教授が虐待したから動作不能さ。物理的に電脳を破壊しない限りこいつは半永久的にループした空間に閉じ込められているわけさ。教授がいうには・・・仏教用語のようだが、無間地獄に落としてやったわけさ」
愛莉は全身拘束刑の闇を見せられ戦慄していた。生物的な死を奪う事で機械として生きる恐怖。しかも修理されず廃棄されなかったら、そのまま恐ろしい世界に閉じ込められることに。
「愛莉君、令和の虐殺魔事件って聞いたことがあるか?」
クラウゼはそういって古い新聞のスクラップ帳を広げてくれた。そこにはおぞましい虐殺魔について記事だった。
「はい、たしかこの国で戦争犯罪以外で最後に執行された死刑囚ですよね。たしか死刑になりたいと願って、コンサート会場に武装した男が・・・」
愛莉はおもわず目を背けてしまいたかった。自分も両親をテロで殺害され、このような事件を見たくないという意識が働いていた。
「そうだな、目の前にいるこいつがしでかした事さ。こいつは確実に死刑になるために著名な死刑存続論者の丹下教授の奥さんと娘二人も狙ったわけさ。その道連れに15人も殺しやがったがな」
目の前? クラウゼの言葉は恐ろしい事を意味していた。死刑が執行されたはずなのに機械になっていたということは? 実験に使われたことを意味していた。
「これって、もしかして人体実験をしたということ?」
「そうさ! あれは米中露三国戦争の直前だったそうだ。世間が結構混乱していたから、当時の法務省官僚もグルになったそうだ。どうせ死刑を執行しましたといっても確認するわけはないからな。だから死刑にするよりも恐ろしい復讐をしたわけさ、丹下教授は。人間として死ねず、かといって無に変える事もない。そんな罰を与えたわけさ。このために協力したわけさ。おかげで世界まで変わってしまったわけだ」
クラウゼは頭部に何か操作した。すると割れた頭部のカバーから光の点滅がこぼれてきた。
「それは、まだこいつは生きているってこと?」
「ああ、そうともいえるなあ。でも、丹下教授が虐待したから動作不能さ。物理的に電脳を破壊しない限りこいつは半永久的にループした空間に閉じ込められているわけさ。教授がいうには・・・仏教用語のようだが、無間地獄に落としてやったわけさ」
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